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ゆるい京都

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京都にまつわる雑感のようなものです。
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#旅行

洛陽三十三所巡礼

洛陽三十三所巡礼

考えてみれば落陽三十三所巡礼が、はじめて満願となった巡礼だった。去年の秋のことである。
そもそも落ち着いた気持ちで参拝は挑むものなんだが、あといくつ、ここから次の寺まではなどとあわただしくしてしまい、静かな、なんてことにはならない。自分のせっかちさがでる。落陽の場合は市内で近場をめぐるので、今日はここまで、でなくあと一時間(寺が閉まるのが四時とか五時で)へとへとなのに貪欲に行こう行こうとした。

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宇治

宇治

宇治に行こうと思い立ったのは、とくに意味はない。インスタラム用に写真を撮る、というもっともしょうもない理由からだ。
平等院鳳凰堂を撮影しようと思った。インスタでよくおすすめに、夜の平等院、ライトアップ、そして池に映る平等院……というような映えたやつが一時期よくでてきた。ちょうど夜間参拝をしていたときだった。正直うらやましい。だったら真似てライトアップのときにすりゃいいじゃん、というところだが、宇治

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知恩院

知恩院

いつも目の前を通るのに、入ったことのない寺社がある。嵐山だったら二尊院とか。いつだって人力車に乗っては門前で写真を撮っているのに、なかには入ったことがない。
知恩院もそうだ。人力車に乗り、写真を撮り、門の説明なんかをうけたりした(あまり頭には入ってこないあたり、生来の勉強する気のなさが伺える)。

ちょうど一澤信三郎帆布にでかけたときのことだ。
人気店なのでみんなあれこれ迷いながら帆布のかばんを手

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平安神宮

平安神宮

岡崎蔦屋書店へ行こうとして、平安神宮の前を通ったらなにやら騒がしい。どうやらコンサートが催されるようで、準備で客席とステージが組まれている。

旅行客はざっと広い砂場を想像していたのだろうけれど、まあこれはこれで珍しいので写真を撮ったりしていた。

春日太一さんの本で、『時代劇聖地巡礼』という本がある。時代劇研究家の春日さんが、最初の自粛期間中、無人となった時代劇のロケ地を巡ったエッセイである。本

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ないとてんぽ

ないとてんぽ

 京都を歩く。

 学生時代、ほぼ自転車で過ごしてきたので、電車やバスにうとい。しかも学校、山のほうだったもんで。

 いまは海外の観光客も少ないので、極端に混雑したりはしていない。桜とか紅葉の時期はやはりえらいことになっているんだろうか。そのあたりのシーズンは時刻表を信用しない、と地元民が言っていた。バス通学のみんなはだいたい一限を遅刻していた。

 昼間取材だなんだとがしがし歩きまくるので、夕

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円山公園の夜桜

円山公園の夜桜

 河原町のホテルを夜九時過ぎにでて、四条通を八坂神社まで歩く。人が多い。ここ二年ばかりやはり寂しかった。
 元にまでではないけれど、人が戻りつつある。まあ、混雑はできるだけ避けたいのだけれど、せっかくの春なのだから。

 向かう途中、木屋町通の喫煙所でたばこを吸おうと思ったら、空だったので、コンビニでタバコが売っていないかと花見がてら探しながら上った。やたらとみんな、カメラを向けている。
 4月あ

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