キタハラ

『熊本くんの本棚』で第4回カクヨムWeb小説コンテスト大賞受賞。『熊本くんの本棚』でデ…

キタハラ

『熊本くんの本棚』で第4回カクヨムWeb小説コンテスト大賞受賞。『熊本くんの本棚』でデビュー。他の著書に『京都東山「お悩み相談」人力車』(PHP文芸文庫)『遅番にやらせとけ 』『早番にまわしとけ』(KADOKAWA)。好きな言葉は「緊褌一番」。

マガジン

  • キタハラの本棚

    読書記録の、ようなものです。

  • ゆるい京都

    京都にまつわる雑感のようなものです。

  • 日常生活と冒険(つまりエッセイ)

    好き勝手にエッセイを書いています。気になるものがあったなら、好き勝手に読んでください。

  • 47都道府県の孤独

    日本旅行記

  • 西国三十三所巡礼して俺も考えた

    西国三十三所を巡り、エッセイにしていきます。不定期更新ですが、どうぞよろしくお願いします。

最近の記事

『情事のない日曜日』映像化のお知らせ

【映像化】2019年みけねこ企画さんで上演していただきました戯曲『情事のない日曜日』がなんと! 映像化されました。 5月4日にツイキャスにてプレミア配信されます。 監督の若城八千代さんのツイキャスアカウントからチケット購入できますのでぜひ観ていただけたら!! ↓ 「女たちは語りたがっている。しかし、語るためには、対象が必要だ。例えば、彼女たちにとって都合のいい、手の届かない男に、恋をしたりすることで」 彼を愛する七人の女。彼女たちは牽制し合う。本当に彼女たちは男を愛して

    • ひさしぶりに月刊ムーを読んだら想像以上だった

      先日電車移動が一時間ほどあり、うーん、なんか本でも読もうかな、と本屋に入った。 しかし考えてみりゃ現代である。スマホ見てりゃいいじゃん、アマプラもYouTubeもあるじゃん、って話なんだけど、なんでかそのときはそんな発想まったく起きなかった。 で、文庫コーナーを覗いてみるも、読みたいなって本が見つからない。最近はどうもいまどきの小説を読むテンションにならないのだ。雑誌でもいいかな、と思ったときである。 『月刊ムー』が平積みになっていた。 まるで運命の出会いというか、呼吸するよ

      • 京都で一番好きな場所はイズミヤ高野店三階のホリーズカフェだ

        京都に行くたびに、一乗寺に顔をだす。もうお決まりのように。恵文社もあるしラーメン屋もあるし、もちろんそのあたりにも見るべき場所はたくさんある。そもそも母校がすぐそばにある。そう、ぼくは学生時代、一乗寺に住んでいたのである。 学校から近くないと行かなくなるな〜、なんて思って、高野の交差点のそばのアパートに決めたのだった。 アルバイトは中心地のほうでしていたし、休みのときや暇なときはやっぱり栄えているところをフラフラしていたので、住んでいたとはいえ、一乗寺周辺に詳しいわけでもない

        • わりかしよい

          X(旧ツイッターである)を眺めるのが心底辛くなり、ここしばらくはタイムラインを眺めもしなかったんだが、とにもかくにも、世の中いろんなところでいろんな事件が巻き起こっては消えている。いやー、21世紀ってかんじだ。すごいスピード、で、すごい勢いで忘れられていく。 それが「いい・悪い」は置いておいて、そういういまを生きているわけなんだが。なんだかもう、自分としてはびゅんびゅん通り過ぎていくさまざまな風を受けながら、きちんと立っているためにはどうしたらいいか、なんて考えたり。身を任

        『情事のない日曜日』映像化のお知らせ

        マガジン

        • キタハラの本棚
          10本
        • ゆるい京都
          9本
        • 日常生活と冒険(つまりエッセイ)
          31本
        • 47都道府県の孤独
          5本
        • 西国三十三所巡礼して俺も考えた
          27本
        • 俺は骨の髄までありきたりだ!
          16本

        記事

          映画鑑賞記録2023年11月~12月

          あけましておめでとうございます。落ち着いた頃にアップするのも遠すぎるので(笑)、新年のご挨拶がてら、元旦早々、映画鑑賞記録をあげます。 闇に流れる口笛@シネマヴェーラ渋谷 シネマヴェーラのノワール特集、めちゃいい企画なのでまたよろしくお願いします! 人間に賭けるな@ラピュタ阿佐ヶ谷 伊豆の踊子@ラピュタ阿佐ヶ谷 漫画横丁 アトミックおぼん スリますわヨの巻@ラピュタ阿佐ヶ谷 ラピュタのモーニングは水谷良重。続編も観たかったけど、毎週阿佐ヶ谷に午前中駆けつけるのは難しいです…

          映画鑑賞記録2023年11月~12月

          世にもどうでもいい悩み(いまさらですが、本か電書か)

          世にもどうでもいい話で申し訳ないが、Kindleを新調した。 これがですね、文庫サイズなの、軽いの。びっくりするくらいに! で、ペーパーホワイトみたいに防水はされていないので、風呂で読む時はジップロック入れたりするわけです。なんだかな。 しかしKindle、楽である。軽いってのが一番のアピールポイントなんだけど。分厚いミステリとか持ち歩くのも、「ふふ、俺はこんなの読んでるだぜ」的ファッション読書アピールにもなるのですが、いかんせん、 だるい。 重いし。 最近某ハヤカワの

          世にもどうでもいい悩み(いまさらですが、本か電書か)

          『一文物語集』をプレゼントしたい

          何冊あってもいいな、人にあげられるし。そんな本がある。あまり本屋では見かけない。でも、「そういうもの」を求めている人の元に、いつのまにあらわれるような、あるいは磁石みたいに、引き寄せられてしまう本。 ↑現在品切れらしく高値がついてしまっている! 140文字どころではない。たった一文で、宇宙みたいな広がり、深さがある。研ぎ澄まされた言葉たちが並んでいる。 帯にも「可笑しく、哀しく、怖くて、不思議な、わずか1文の小宇宙」とある。おかしさ、かなしさ、こわさ、ふしぎがごちゃまぜにな

          『一文物語集』をプレゼントしたい

          え、シドニィ・シェルダン読んだことないの? マジで?(実は俺も…)

          すごく売れた小説を、まともに読んだことがないかもしれない。ふとそんなことを思った。 そういえば『セカチュウ』もあらすじは知っているけど本も映画もドラマもまったく。本屋大賞のリストを見てみるも、だいたい読んでない。リリー・フランキー大好きなんだけど唯一『東京タワー』は読んでいない。あ、『キミスイ』は映画を観た。 擦りに擦りまくって、俺の持ちネタみたいになっているんだけど、あの映画を映画館で観たとき、なるほどね〜とミスチルのエンディングも終わり、明るくなって席を立とうとしたとき、

          え、シドニィ・シェルダン読んだことないの? マジで?(実は俺も…)

          益田ミリさんの旅の本

          もちろん漫画も大好きだけれど、益田ミリさんの旅行記が好きだ。旅をしながら、思い出が蘇ってきたり、ほんの些細な部分を見逃さなかったり、いつもいる場所でない自分を楽しんでいる。 淡々としているのに、リアクションが大きい! 言葉を尽くして感動を語るのでなく「すごい」と一言、思わず漏らしてしまう反応を大事にされている。 記憶違いを起こしてポカするところもいい。五重塔を見にいこうとしたのにない。東寺と東本願寺を間違えたりする(しかもちょうど復旧作業中)。それでもなんとなく楽しんでしま

          益田ミリさんの旅の本

          映画鑑賞記録2023年9月~10月

          この二ヶ月間は突然旧作邦画ブログを始めたり、しかも最近「読んでるよ〜! こっちにきちゃったね〜!」とその筋の先輩(笑)に言われ、その人がそうだと知らなかったんだけどさ今まで、まあなかなか映画鑑賞は充実していますね。 星は何でも知っている@Prime Video 座頭市牢破り@ラピュタ阿佐ヶ谷 「山本薩夫社会派エンターテイメントの真髄」特集。 スパイ@ラピュタ阿佐ヶ谷 罠@新宿ピカデリー 濱マイクシリーズ三部作完結編。山口智子さん、素晴らしくヤバい! 妻は告白する@Prime

          映画鑑賞記録2023年9月~10月

          人前で話すということ

          11月5日に、小説の書き方について話した。 僕の場合はキャラクター文芸の賞を受賞しているので、やっぱりキャラクターの作り方、だったりする。でも、実はキャラクター文芸だからって、キャラクターのことをつらつら語れるわけでもない。 そもそもが、小説にはたくさんの要素がある。キャラも大事だけれど、ストーリーだって、語りのムードだって、とにかく書き始めるまで、あるいは書きながら、さまざまなことを考える。 いただいた時間は一時間半なんだけれど、二時間の大ボリュームとなってしまった。一時

          人前で話すということ

          電気グルーヴからの名古屋うろうろ【愛知県】

          名古屋駅の改札を出たら大混雑。連休である。 久しぶりだなと懐かしがる余裕なくzeppへ。電気グルーヴのライブにきたのであった。 ところで、電気グルーヴ、なんやかや毎年行ってる。俺は初めて行ったライブが電気グルーヴの武道館だったのだ。大量のカレーの入った荷車を瀧が持ってきて、「カレ〜」と叫んでた(気がする)。で、あれよあれよと通い続けている。オールナイトニッポンのリスナーだったんでもう筋金入りである。そして今回はやはり、つい最近起こった某アーティストの騒動のことをネタにしてい

          電気グルーヴからの名古屋うろうろ【愛知県】

          ちょっと三島までひさしぶりのラーメンを【静岡県】

          ラーメンを食べようと思った。 ここしばらくカロリー制限でおんなじものしか食ってないのだけれど、たまには、というかこれからも「おんなじもの」を食い続けるために、褒美をとらそう、我に、と。 そして三島に向かった。三島田町にあるラーメンやんぐである。 僕はこの店を、京都の蔦屋書店で知った。 らーめんやんぐはグッズを制作もしていて、おしゃれなのである。で、ポップアップをやっていた、と。 「ふーん」くらいに思っていたんだけれど、今度は梅湯とコラボ商品を作ったりしていて、どうも僕の好き

          ちょっと三島までひさしぶりのラーメンを【静岡県】

          『写真よさようなら』が並んでいる本屋

          三島に行ったときのことだ。旅の目的だったラーメンを食い、神社を参拝して、観光気分はピーク、ちょっと電車がくる時間を暇つぶししようかなと思ったと起き、本屋を見つけた。 本屋、といっても、壁の棚にはまだ本は少なくて、まるで一人暮らしを始めたばかり、これからこの棚に読んだ本を詰め込んでいこう、なんて風情の店だった。 入ってすぐのテーブルに、ZINEが並んでいて、物色していた。 僕のほかに一人客がいて、レジにいるお店の人と話していた。おしゃれと古臭いロックテイストがミックスしたよう

          『写真よさようなら』が並んでいる本屋

          僕は原田宗典が大好きだ、あと『メメント・モリ』は最高

          読み終えて、呆然とした。なぜこれを、いままで読んでこなかったんだろう。もっと早くに読んでいたら、なにかが変わっていたような気がする。そんなふうに思った。 とにかく、原田宗典さんの『メメント・モリ』が素晴らしかった。 ぼくの世代にとって、原田宗典というのは「とほほエッセイの人」だ。書店の新刊台でいつも見かける、雑誌のページをひらいたら「ここにも原田さん」というような、とにかく売れてるエッセイストだった。 小説を書き、エッセイを書き、戯曲を書く。はっきり言おう、僕は原田宗典みた

          僕は原田宗典が大好きだ、あと『メメント・モリ』は最高

          前に買っていたのをよく忘れる

          昔から、説明書の類をちゃんと見ないで家具を組み立てたり、確認せずにポチッとネットで購入したりする。 いいかげんである。 おっちょこちょい、なんてかわいいふうに言って誤魔化したいところだが、適当なのだ。 「あ、おんなじ本買っちゃった」 ってことありますよね。 とにかく僕はよくする。我が家には松岡和子訳の『ハムレット』が3冊ある。ほかにもAmazonで予約したのをすっかり忘れ本屋で購入し、家に帰ったらポストに入っていたなんてこともざらである。 いつだって、「思いつきで行動すんな

          前に買っていたのをよく忘れる