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京都で一番好きな場所はイズミヤ高野店三階のホリーズカフェだ

京都に行くたびに、一乗寺に顔をだす。もうお決まりのように。恵文社もあるしラーメン屋もあるし、もちろんそのあたりにも見るべき場所はたくさんある。そもそも母校がすぐそばにある。そう、ぼくは学生時代、一乗寺に住んでいたのである。
学校から近くないと行かなくなるな〜、なんて思って、高野の交差点のそばのアパートに決めたのだった。
アルバイトは中心地のほうでしていたし、休みのときや暇なときはやっぱり栄えているところをフラフラしていたので、住んでいたとはいえ、一乗寺周辺に詳しいわけでもない。

一条寺の町は、ぼくにとって、夜バイト終わりにたこやき屋でビールを一杯飲むことと、そしてイズミヤ高野店の三階にある喫茶店で原稿を書くことだった。
たこ焼き屋(ちなみに蛸虎)に思い入れはあるんだけど、今日はイズミヤのことを。
イズミヤってのは京都の人からすりゃなじみのスーパーである。「すぐそこーにーイズミヤ〜🎵」って音楽が店内に流れている。
当時ぼくは生活費を稼ぐべく、学校以外はほぼバイトだった。なので、隙間時間に課題やら投稿作品を書かなくちゃいけなかった。
アパートにて、坂口安吾の写真みたいな汚部屋で原稿用紙を埋めていると、どうも進まない。というわけで原稿用紙を丸めて部屋を出て、書ける場所を探すべく放浪した。
あるときなんて、どんどん南下して、朝には京都駅までいってたことがあった。帰りが大変だった。
ホリーズカフェ、は関西の人からすりゃなじみの店である。昼でもモーニングとしてトーストとゆで卵のセットがある。そして席で喫煙できる!

いまでも一乗寺に行くと、イズミヤに入ってしまう。そして三階はぼくがいたとときと入っている店が変わってしまったけれど、ホリーズはまだある。
昔とかわらず、近所のおじいちゃんおばあちゃんが話している。
コーヒーとトーストとゆで卵を食べる。
すごい、十年以上前と同じことをしている。もう住んでないのに!
そして、昔みたいに追い詰められて書いていた気分を取り戻そうとしたいのかもしれない。
当時はもう最悪だったけど、いま思えば、悪くなかった。いや、金もないし時間もなかったんだけど。



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