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#掌編小説
愛は∞ #メガネ冠婚葬祭
彼の画は賞が取れなかった 彼の自負にはそれを裏付けるだけの才能はあった 何かが欠けているそれが審査委員達の見解だった「何かとは」とその一人に聞いた 相手は何かだと答えて背を向けた 彼は絶望したどうしたんだい 絶望君
別に
死ぬ前にこれを掛けてみな
悪魔はメガネを渡し、町の集会場へ行けと言った
成人式には若者が集っている
その中に「美」があった
彼女は絶望のメガネの奥に「愛」がみえ 2人は結婚した
思い出メガネ #メガネ冠婚葬祭
さあてっと 今日は成人式 あたしのおメガネに叶う人いるかなあ
うわぁ 会場ぎっしり あ いたあ だあれ あたしの足ふんだの どっきゅーん どストライク 落っことしたメガネ拾って掛けてくれて キュンキュン フォーリンラブでめでたくゴールイン
さあてっと 今日は結婚式 友達も親族もいっぱい集まってくれて おめでとうって ほんまに幸せ で、おなかに赤ちゃんいるって彼に耳打ちしたら 頬にキス わたし泣い
初恋周波数 #メガネ初恋
峰子君 例のメガネはできたかね
はい、社長 こんなんですけど
峰子はかけてみせた
うむ それだよ にしてもよく分かったなぁ
これですよ
峰子は鬘をつけた
おう! お下げ髪の絹子さん あの時の黒縁メガネ
分かってましたわ 祖母のコネで私が秘書に採用されたこと
ひと月後 社長は営業部長を呼んだ
どうじゃ 初恋メガネの売れ行きは
大変売れております 特に絹子プレミアムが
おーそうか して そのプレミア
小噺 ポポパポペ星人 #ポポパポペピアノ
春雨ってぇと色っぽい話になるところだが、そうはいかのなんとやらが安下宿 物干しにクラゲみてぇのが濡れそぼってる 取り込んで拭いてやるってぇとこっちをじっとみる そいで てめぇは何者だって聞くと ポポパポペといってだんだんマネキンみてぇになる 目鼻はねぇが胸でてるから雌ってことにした
次の日 寄席から戻るとこいつ 元カノの置いてった芸能雑誌見てやがる どうだって聞くと ポペ!と指さす そいつぁ永
ニコニコ先生 #オノマトペピアノ
今日はお外は雨 さあ オノマトペよ どうぞ
🎵ザーザーザー
生徒達は先生のピアノに合わせ 一斉に歌う
あらあら 海に来ちゃった
波の音だ 🎵ザーッ ザーッ ザ ザーッ
風が強いわね
🎵ピューピュー
フォルティッシモよ
🎵ゴーゴゴー
はーい、よくできました あら 好きな子がやってきた
🎵ドキドキドキ
明日はバレンタインデイ
🎵ワクワクワク
ふられちゃった~ ピアニッシモ
オノマトペ 怖い! #オノマトペピアノ
みんなげんきやな 深夜通販の女王アン・マリでーす
今回ご紹介の品はジャジャーンこれ オノマトペピアノ
お好みの言葉をオノマトペ化する楽器です 何?何の意味があるかって?
💢なにいうてんねん いまからや いまから
では 最初のゲスト 峰子 峰子は何? アン ほー。ジャ、弾いてみぃ
♬アアアあっア~ン アンアンあっあーん💓
いかん 昇天しよった 「運命」は激しすぎや 次イコヵ
おー特別ゲ
まがるんです #理科室まがった
あの、スプーン曲げって知ってる ユリゲラーっていたでしょ 知らない?ま、いいか。あれ、インチキとか言われたけど本当よ あの人 時計の針動かしたのね あれで彼 身の危険感じて手品ってことにしたの
ほら見て 曲がれって念入れると この通りぐんにゃり ま、お匙さんだからね 次は何? 東京タワー? ほら 曲がった 見た? じゃ、戻すわ この前 峰子のバカがね お腹が出たって騒ぐから 念!くびれちゃんで
北斎漫画 イカ編 #イカ室たぎった
花粉症など微塵もない江戸の春は長閑なもんで春画の花盛り 時に北斎てぇ絵師がでぇっけぇ蛸を長屋に連れ込んで 海女と絡ませて画いたもんだから これがもう引っ張りだこ
ウハウハで北斎酔っくらってると 戸口から仄白いはんなりした手が伸びてきて結び文 見れば、
たこのみかきてわれもかくべし
とある さすが北斎、これはイカだとピンときて 地図を見つつ楼閣に来ると案内嬢が理科室まがりイカ室へという ここか
私、みえるんです #理科室まがった
こまったなあ 修学旅行で奈良のふっる~いお寺行った後あたりから、霊が見えるようになっちゃたの 始めは私のお部屋の窓 ひょっこりはんかて思ったわ 昨日なんか 勝手に洗面台で髪梳かしてんの貞子かっつーの も~嫌になっちゃう それからお風呂とかトイレとかも覗くの 調べたら変態霊って多いみたいよ 気をつけて
でさ この前 久しぶりに転勤した峰子先生にあったのね そしたら両肩に手が見えるの 挨拶したら 暗
星屑のふたり #星屑ドライブ
星の綺麗な夜だった
イブで賑わう街角で彼も夜空を見上げていた
私は声をかけた
彼はすぐ気づいた
中学の同級生だったから
どうしたの?
振られたみたいだ 彼は笑った
私もそうよと微笑んだ
彼の車はシボレーだった
乗せてくれる?と聞くと
彼は30分待ってみると言った
30分後、彼は喫茶店に入ってきた そして
携帯もつながらないと哀しげに笑い 私をドライブに誘った
冬の埠頭は寒く、私
マニュアル車に乗りた~い #だんだん高くなるドライブ
ったくもー、なんでもかんでも自動かよ 朝飯だってワイフ2号の手作り目玉焼きトーストセットにプログラムスマイル付き。車はそのまま俺をオフィスに運ぶ ったくもー、オフィスは俺一人 後はモニター社員に指示を一斉送信 ワンクリック後はヨロシク!って 自動、自動 あ~あ 飽きた あ~あ空しい あー、肉体を使いたい 運動神経がうづく
今日は待ちに待った納車日だ うむ ハンドル アクセル カーブも速度も俺の身