【127】社会人になってからずっと疑問に思ってきたこと
ご訪問頂き誠にありがとうございます。
本日はひとつ思い出したことがあり、記事にすることにしました。
IT業界一筋15年とちょっと、ずっと気になっていることがあります。
何ならちょっと遅めの新卒入社してからずっとです。
それは何か。
なぜIT業界では長音符号を省略するのか
具体的にどういうことかと申しますと、「コンピューター」と伸ばさないということです。
「コンピュータ」と言います。
「ルーター」は「ルータ」、「プリンタードライバー」は「プリンタドライバ」という具合に「ー」を省略して書くのです。
では、話し言葉ではどうかというとちゃんと伸ばしています。
また、仕事に関する文書でないものについては長音を省略せずにきちんと書いています。
※ 従ってこのブログ内でも省略しません。
ITど素人、いやむしろコンピュータ―音痴と言うべきところからスタートしている私にとって、長音の省略は違和感の何ものでもありませんでした。
それでも諸先輩方が出すメールやマニュアル、多くのIT文書では皆が皆、長音符号を付けないので、「あれ?社会人ってこれが暗黙の了解なのか」と自分を納得させてきたのです。
しかし、結果的に言うと、これは「社会人」の暗黙の了解ではありませんでした。
お客さんである他業種の方は「コンピューター」と普通に書いてくるからです。
そもそも、プリンターの説明書などを見てみれば、「プリンタードライバーのインストール方法」と書いてあります。
他にも「『プロパティー』を開きます」とあります。
かつて違和感があったとか言っておきながら、今では「これは『プリンタドライバ』でしょ! こっちは『プロパティ』なはず」などと、長音警察のごときチェックを入れる始末。
それは置いておいて、ふと「IT業界の中でも違いがあるのか」と疑問が湧いてきます。
だったら、Windowsのシステムメニューはどうなんだと思って見てみれば、やはり「プロパティ」とあります。
「そら見たことか。天下のマイクロソフト様もそうおっしゃっているんだ。こっちが正しいんだ!」などと思っていたら、その直後です。
「エクスプローラー」と伸ばしているものが目に飛び込んできます。混乱する私。
よくよくWindows内を見ていると、「アクセサリ」「セキュリティ」「キャプチャ」「ピクチャ」など伸ばさないものがズラリ。
かと思えば、「フォルダー」「ビューアー」「プライバシー」「プリンター」「ビデオプレーヤー」などと伸ばしてあるものもある。
そもそも会社の同僚にも「何で省略するのか」聞いたことがありますが、「何でだろうね?」と皆一様に首をかしげます。
慣習と言うべきものでしょうが、それにしても曖昧過ぎます。
社会人になりたての頃は、伸ばしたくて伸ばしたくて仕方なかったのに、今は伸ばしてあるのを見ると気持ち悪くなります。
それにしたって伸ばすものと伸ばさないものが混在していると、こっちの方がよほど気持ち悪い。
もう気になって原因を調べてみることにしました。
これによると、IT業界は 「 JIS規格に準じ長音を省いてきた」とあります。
それではJIS規格ではどうなっているかというと、外来語について以下のように定めらているそうです。
単純に短い単語は長音符号を省略しないが、普通は省略するということです。
コンピューターの普及により、ユーザーの意識が変化
しかし、その後世の中にコンピューターが普及してきて、長音が省かれた標記に違和感を持つユーザーが増えてきたそうです。
私がど素人の頃にそう思ったのでその気持ちはよくわかります。
そこで、マイクロソフト社が2008年に「一般的な標記に合わせる」べく、国語審議会にかけます。
その結果、 以下の下記内閣告示をベースに、一般的な表記に順次移行していくことを発表したそうです。
しかし、現実には一斉に変更することは困難ということで、言い出したマイクロソフトのシステムの中ですら混在してしまっている状態です。
現在はJIS規格でも「長音符号は、用いても略しても誤りでないことにしている」という文言が加えられているようですので、結局は「コンピュータ」でも「コンピューター」でも「どっちでもいい」ということですね。
ちなみに、私の周辺では、未だに自社も同業他社も基本的に長音符号を省いて使っています。
そんなわけで、「どちらでもよくなった」とはいえ、障害報告文書で「サーバー」と書く勇気は私にはありません。
結局、長く使ってきた方がマイルールになってしまうという、人間の哀しい性なのでした。
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