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週刊!転地療養ノススメ:赤穂編

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色々あった「ホーム」レス作業療法士のただのたわごとのような私小説です.生きていることにどんずまりな人にちょっとでも役に立てれば幸いです.もちろん全てがフィクションです。転地療養、…
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#転地療養

「日生は終いじゃ」ない

「日生は終いじゃ」ない

赤穂は赤穂でいいのだけれど、赤穂のおすすめのポイントの一つは、隣の街もとても素敵というところにある。
赤穂に来た友達は、「思ってたより街ですね!」というくらいには街で「ちょうどいいサイズ」の田舎だ。もう少し田舎気分を味わいたければ少しドライブすれば、すぐに味わうことができる。

兵庫県の方向にトンネルを抜けて10分くらいの距離に坂越(さこし)という街がある。坂越には、海岸があったり少し山を登って見

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ラジオがきこえる:転地療養の候補地選び

ラジオがきこえる:転地療養の候補地選び

妻はテレビっこだった。
特に「おわらい」が大好きで、京都に生まれた私たちくらいの世代だったらご存知のテレビ番組「蛤御門(はまぐりごもん)劇場」の公開収録に子どもながら毎週応募して見に行っていたらしいから、それはよほどのものだろう。私自身、実際にお笑いを見に行くようになったのは妻と出会ってからだ。

そのうえ彼女はラジオっこでもあった。
彼女と出会ったころ、高校生のころだけど、よくKBSラジオの「T

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愛媛に行ってみる

愛媛に行ってみる

私たちはまず旅行がてら愛媛県へ向かった.愛媛出身のおおらかな知人もいたし、温暖な気候と何より海があった.宇和島にある海沿いの民宿を予約した.もう随分前のことに感じるが、そう、その時はコロナウィルスの感染拡大が徐々に広がっていた頃だった.

ただでさへ人が少なそうな所へ来て、当時まだまだ詳細不明のウィルスが流行し出したとあって人はかなり少なかった.

予定していた韓国旅行をキャンセルしたことも手伝い

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きっかけ

きっかけ

転地療養という言葉がある。
そのとき私は故郷の京都で完全に疲弊していた。
さまざまな災厄に巻き込まれて人生を再設計する必要に迫られていた。

そんなときに思いついたというか,もはやその選択肢しかなかったのが転地療養だった.

最初は半信半疑だった.住む場所を変えたくらいで変わるものか!?という気持ちもあったし,転地療養は効果がないどころかテレンバッハによれば引越しを契機に発症する「引越しうつ病」な

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