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表情と目線で魅せる「声」

6月30日、第15回青空文庫朗読コンテストの本選が開催されました。
その日は仕事で中継Youtubeを休憩中にちょっとだけ覗いたのですが、イヤホンを持ってきていなかったので音無しで見るというお粗末な感じとなりました。
残念ながらアーカイブは残っていないようですが、受賞者発表動画は上がっていたので少し体感してみました。

受賞者発表動画も朗読音声が入っていないので所詮読み手の様子でしか分からないのですが…皆さん総じて表情と目線が画面越しの視聴者に向かって語りかけていらっしゃいました。

特に凄いなぁと感じたのは認定講師の部で金賞を受賞した藤原芙美江さん(3:52~)。
審査員の方がおっしゃるように目線の使い方が素晴らしくて、見た瞬間「これは金賞取るわ」と納得してしまいました…朗読を聴いたら鳥肌たちまくりでしょうね!ところで肝心の朗読音声はいつアップされるのでしょうか

昨日の140字日記にも書きましたが、朗読検定準2級の結果が届きました。

賞状が手元にないので実感はないのですが、3級以上に読みの弱みが出たなぁと個人的には思います。
特に弱かったのは「間・区切り」の部分です。

スタエフの気まぐれ朗読を自分で聴き返してみると、言葉に気を取られすぎるあまり抑揚が間延びしている感がすごくあって「これだばまいね(訳:これだとダメだわ)」とひしひしと思いました。
(1)の雰囲気とは正反対(悲しさ全開)で読んだので、お通夜感を演出してゆっくり目で読んでいます。これもこれでアリですが、朗読検定的には不合格なんだろうなと勝手に反省しています。

というのも、通信教育で「緩急強調が足りない」と指摘されたからです。
バランスチャートを見ても「緩・強(=緩急)」が著しく低く付けられていました。
アナウンスでも緩急はある程度付ける必要はありますが、朗読と違って情報を伝えることを重きに置いています。かたや朗読は、音声でもって作品をお届けしなければならないので「作品を楽しませる」点を留意していませんでした。

それで、表情と目線の話になるわけですが…
藤原さんの表情をよーく見てみると、表情が登場人物一人ひとりを乗り移らせている感じがあってなおかつ目線も作中の様子を表しているように見えたのです。
ナレーションの場合、身体を動かすとマイクに真っ直ぐ声が通らなくなったりノイズ発生につながったりしてしまうので推奨するものではないのですが…朗読だと表情や目線をフル活用しないと作品にまとまりが無くなっちゃうんだと気づいたのです。

ナレーションレッスンであれだけ「表情を付けろ」と言われてきたのに、全然できていなかった件。
いや、自分ではやっているつもりだったんですけど、本当に「つもり」だったんです。

仮に今の状態で2級に合格できたとしても、認定講師にはなれない。プロフェッサーになれない。
それどころか、本選すら出場できない…

表情の使い方、練習しとかないとなぁ…
藤原さんみたいに魅せる朗読を披露したいし、青森初のプロフェッサーになりたい。
というか、表情と目線ってダイレクトに付けてよかったんですね。そりゃあ単調に聴こえるわ…

朗読の新たな知見を得た今、ずっと疑問に思っていたことが分かった気がします。
以前スタエフに来ていただいたいぬいゆうたさんの朗読が眠くなるという意見を度々目にしていました。

最初は声なのかなと思っていたのですが、原因は表情と目線なのではないかと今は勝手に思っていますw

いぬいさんの朗読Youtubeを何本か拝聴させていただいたのですが、作品を楽しませるというよりは読み聞かせている感じが強く出ていました。
私はいぬいさんの朗読を実際に見ているわけではないので声でしか分析できませんが、原稿の読みが相手に優しく語りかけている印象があったのです。まるで子どもを寝かしつけるような…優しい目と穏やかな表情で作品と接しているのがよく分かりました。
だから皆さんが総じて「眠くなる!」「最後まで聴けない!!」となったのでしょう。音声の先にあるいぬいさんは優しいおじさまで、暖かな目で我々を見守ってくれているといっても過言ではないのです。
私は物書き案件の作業用BGMとして聴きましたが、目を閉じながら聞くと確かに最後まで聴けないですwww
作業用BGMとしてもストレスフリーで聴けるのでかなり優秀です。読み聞かせの究極形といってもいいくらいです。

音声だけでは分かりづらい(というか分からない)部分ではあるのですが、良い朗読を形成する上では間違いなく重要な役割を果たしているのは確かです。
「声はその人となりがすぐ分かる」と誰かが言っていましたが、本当にそうだなと身を以て実感しています。

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