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朗読考2023
「音読」と「朗読」の違いって分かりますか?
文部科学省ではこのように定められています。
音読…黙読の対語。正しく・はっきり・すらすらと声に出して読む。
朗読…上記に加えて、作品の価値・特性を音声で表現すること。
ぶっちゃけ言うと、声に出して文章を読む行為そのものが「音読」です。
ですから、ニュース読みもナレーションも「音読」にあたります。
しかし…「朗読」と聴くと、いきなり敷居が高く感じてしまいますよね。何故なのでしょうか?
朗読って、文学作品を読むことが多いですよね。実をいうと、正規の方法で多種の文章を声に出すことはそう多くはありません。使用する原稿にもちゃんと著作権があるわけで、それをクリアしないと朗読発表を楽しむことはできないといってもいいでしょう。
実際、朗読作品は青空文庫が多いですし、ましてや現役作家の作品を朗読しようにも著作権的にもかなりリスキーと考えます。とても面倒くさい問題ですし、それのおかげで作品が選べないというデメリットが生じています。
もう一つ面倒くさい問題があります。
それは「読みの形」、つまり「読み方の癖」です。
フォローさせていただいている声と心はつながっている(声と心の学校)さんが読み方についての見解を述べられていました。
記事によると、必ずといっていいほど聞かれる質問があるそうです。
朗読や読み聞かせの講座をしていると、必ず聞かれます。
「淡々と読むのと、感情を入れて読むのと
どちらがいいんですか?」
「アナウンサーの読みと役者の読みは違うけど
どちらがいいんですか?」
声と心はつながっているさんの見解は「どちらでもいい」でした。
今転がっている朗読論はその人の経験を基に理論化したものが殆どで、現役でご活躍されているプロのアナウンサーさんでも「朗読とアナウンスって何が違うんだろうか…」と頭を抱えているくらいかなりシビアな問題なんです。
いろいろな説はありますし
いろいろな持論を展開されている方もいらっしゃいますが、
とにかく実証された事実が少ないんです。
子どもたちに淡々とした読みで読み聞かせをしたら、
こういう良い効果がありました。
という確固としたエビデンスさえ無いのです。
同じように、どんな読み方が優れているという実証もありません。
高校放送部ではアナウンス専攻をしていたため、朗読もアナウンサー口調になりがちな私。「朗読の読みではない」という声をいただいたことがあります。
プロの場では意見交換としてそれぞれの持論を語り合うことがありますが、趣味の場でそれをやることはあまり好ましくないと考えています。せっかく楽しめるものが楽しめなくなりますし、そもそも余計なお世話だと思いません?プロ志望なら話は別ですが、楽しいと思えるならまずは思い切り楽しんじゃうほうがいいに決まっています。
役者読みだろうがアナウンサー読みだろうが、結局は読み手自身が持つ魅力でしかありません。
あくまで読み方は「魅力を引き出す一手段」であって「正解不正解」を問うものではありませんから、皆さんどうぞご自由に読んでください。
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