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ひとつの太陽と80億個の太陽

秋分の朝。
曇り空。若草山の緑も霧に包まれている。
見えない太陽に挨拶をして一日が始まる。

人が太陽を見上げるとき、また人も太陽から見られている。
「自分自身を生きているか?」雲の向こうから太陽に問いかけられる。

太陽系の王者、太陽は宇宙にひとつだけれど、地球上には80億個の太陽がある。
占星学では太陽は自分自身そのものであり、自分の意志を表す。
今、この瞬間にもひとつの太陽が生まれ、ひとつの太陽が命を終える。

毎日20万個の太陽が地球上に誕生している。
数え切れない太陽の輝きがこの星を支えているのだ。

どの太陽も唯一無二、たったひとつの固有の時間を生きている。時間は長さだけでは計りきれない重みをもって、ひとりひとりをこの地球に結びつけている。その重力から解放されるとき、人はまた星の欠片に転生するのかもしれない。

時は秋の彼岸の真ん中。今朝はもう今は星の欠片になって宇宙を巡る恩人たちからの言葉を受け取った。どの出会いもかけがえがなく、どの瞬間が欠けても今のわたしはいないんだな、そう思うと過去も未来も今この瞬間に存在していることが信じられる。

自分では人生の折り返し地点を通過したなんて思っているけど、最後まで生きてみないと、いったいどこが折り返し地点だったのかなんてわからないのだ。

今、ここという時空間に出会い、共に生きられるという幸福と奇跡をちゃんとこの手で包み、大事に育てていきたい。

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