By the window

実家の小さな飲食店を手伝いながら、平日は高校教師。学校の非常識は世間の非常識を日々実感。

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実家の小さな飲食店を手伝いながら、平日は高校教師。学校の非常識は世間の非常識を日々実感。

最近の記事

仕事しよう、作業じゃなくて

計画したこと、計画通りに行う。これが、仕事だと思っている教師って多いんだよねえ。何がなんでも計画通りに進めようとするから、衝突はあるは、ストレスは増えるは、他人も自分も傷つけるは……。そんな光景見飽きたよ。 計画なんて、ざっくり方向性を決めるくらいでいいんだよ。で、様子見て、臨機応変に、アドリブを効かせる。これがお仕事。アドリブってのは、常に準備してないとできない高度なこと。 おもしろくない小説ってね、作家が結末まで構想をバッチリ練って、計算通りに筆を進めてくやつ。すぐわ

    • 教科書通りは……

      サンクコストは、ビジネスの世界では常識。これまでどんだけカネを突っ込んできたかに関わらず、意味のないプロジェクトは、即、打ち切り。そうしないと、さらに傷口を広げるだけ。 一学期やってきて効果がなかったら、二学期からは止める。 学校では、なかなかこれができないんです。生徒をの顔を見る前に、一年の計画を立て、それを一年間押し切るスタイルの教師がたくさん。 PDCAサイクルを回しましょう、と管理職。P(計画)を立て、D(実行)して、C(チェック)して、A(改善)する。そもそも

      • 校長の話がつまらない訳

        これまで何人もの校長の話を聞いてきましたが、一度もおもしろいと思ったことがありません。本当にただの一度も。歴代の校長さん、すまない。これは事実なので。 入学式や卒業式など、かしこまった時には、話がつまらないのはしかたがないとして、朝礼や始業式や終業式くらいは、ちょっとくらいいい話をしてもいいのでは、と思うのですが。 校長は、話を無条件に聞いてもらえます。もし、生徒が下を向いていたり、居眠りしていたりすると、担任教師に頭を小突かれるでしょう。つまり、話を聞いてもらう努力をし

        • いまだにマスク論

          ノーマスク生活もかれこれ一年ほど。一年前の四月、もうマスクは個人の判断でってなった時、当然のようにノーマスクで学校に行きました。始業式では、僕以外、全員マスク。ま、努めて、堂々と振る舞いましたが。 一週間経っても、一ヶ月待っても、ほとんどの生徒がマスクをつけたまま。教員もほとんどがマスクをしていました。 え、なんで?いつまでコロナデイズを続けるの?たしかに休校の時は、仕事も楽で、コロナバケーションなんて言ってたこともありましたが。もうコロナ禍は終わらせてもいいのでは?

        仕事しよう、作業じゃなくて

          学校の外

          実家の飲食店の手伝い、本気でやってるんです。本気でやってると、小商いながらも、同業者も認めてくれ、仲間ができます。 仲間は、同僚とも、友達とも、違います。どうやら、同じ熱量の人どうしが仲間になれるようです。僕はもともと基礎体温が高いので、なかなか熱い人と仲良くさせてもらっています。 大学を出て、すぐに教師になったので、僕は学校しか知らず、世間に疎かったんです。でも、その仲間のおかげで、ずいぶんと視野が広がり、考えも深くなって、遠くを見るようになりました。仲間には感謝です。

          学校の外

          学校のDAO

          DAOは、Decentralized Autonomous Organization”の略称で、分散型自治組織のこと。Web3.0の社会では、頂点に権力者がいてトップダウンのピラミッドの権力構造ではなく、ボトムアップ、誰かに支配されるんじゃなく、みんなで信頼しあって、チェックもしあって、社会を運営していきます。 老子の考えと同じ。支配しないことで国を治めるような。アナキズムとも同じ、無強権主義。 教壇に立ったその日から、それが理想でした。実践もしましたが、ことごとくうまく

          Challengeの中に

          英語のChallengeの中には、Changeが入っています。 Aという方法でダメなら、科学では、Bを試すんです。それでもダメなら、C、D、E…… しかし、学校では、Aという方法でダメでもまたA、それでダメでもまたまたAやっちゃうんです。伝統とかなんとか言って。学校の多くの伝統は、進歩なき繰り返しであることが多すぎます。 ホメオスタシスという機能が生物にはビルトインされているようです。同じ状態をずっとキープするんです。体温を一定に保ったり。だから、体型などなかなか変わらな

          Challengeの中に

          リーダーの条件

          リーダーシップが、圧力だと思っている人、ちょっと多いかな。マウントできるかどうかが、リーダーの資質じゃないのに。 それぞれのメンバーの強みと弱みを把握し、どの場面でどの組み合わせが、チームに最適かを判断するのが、リーダーの仕事。コーディネーターといったほうがいいかもしれません。 声が大きくて、圧の強い人ばかり、トップが課長だの主任だのに据えるから、ハラスメントもなくならないのでしょう。 威圧感で人を思うように動かすことは、すでにハラスメント。暴力です。 以前、野球部第

          リーダーの条件

          グレーなわからなさ

          わかりやすい授業、生徒たちには好評です。そう、勉強はわかればおもしろいものです。 先日、授業で質問をしたら、わかりません、と生徒が答えました。そして、その次の生徒も、わかりません、と。その次の生徒も、そのまた次の生徒も。もう、こうなると思考停止、あとは同調するだけ。 そんなことで、周りにあわせてたら、みんなでバカになっちゃうぞ、と。 ちょっと言いすぎたか、とは思いましたが。 でも、わからないって、悪くないかもね。考えて、考えて、考えた末に、わからないんなら。僕だって、

          グレーなわからなさ

          シン・ウサギとカメ(おもしろさの瞬発力)

          「ドジでノロマな亀」がもてはやされた頃がありました。昭和の頃に。 平成も終わり、令和な今、そんな亀はオワコンです。 童話ウサギとカメでは、ウサギはさっさとゴールの近くに行き、カメがノロマなので、昼寝していたら、眠っているうちに、カメがゴールインするというオチ。昭和ピーポーは、この話が大好き。ドジでノロマでも許され、しかも、勝っちゃいますから。 前にも書きましたが、シン・ウサギとカメでは、カメがゴールに近づいた頃、ウサギのスマホのアラームが鳴り、ウサギは目を覚まし、カメを

          シン・ウサギとカメ(おもしろさの瞬発力)

          つまらなさの持久力の対極

          学校では、頭の中に何が入っているかを問われます。 社会では、頭の中から何が出てくるかを問われます。 そう、アイディアを出せるかどうか、が鍵。 最近は、このブログを始めたので、アイディアが出なくなったら嫌だなあ、と思うんです。で、胸のポケットにはいつも折りたたんだA4の紙とペンが入っています。横長に二つに折り、それをパタンパタンと畳むと、八ページのメモ帳ができます。裏を使えば、もう八ページ。何か思いついたら、メモメモ。 不思議なことに、メモするようになったら、次々とネタが

          つまらなさの持久力の対極

          あいさつは大事

          多くの学校で挨拶には力を入れて指導しているようです。本校もしかり。誰もいない校門で、下校時、振り返って頭を下げて帰っていく生徒もちらほら。本校の素晴らしき伝統なんだとか。 ま、学校の伝統の多くは、進歩なき繰り返しですが。 僕は空気に頭を下げることなど、バカらしいと思っています。おそらく、先生に見られているかもしれない、と思って、礼をしているのでしょう。心がこもってないのは、明白。 運動部の生徒たちが、すれ違う教師全員に、大きな声で挨拶します。挨拶は、コミュニケーションの

          あいさつは大事

          劣等感は人生のスパイス

          たくさん教えて、そのうちどれだけ生徒が頭の中に入れたか。百点満点のテストでそれを測り、成績をつける。黒板には、チョークでびっしりと字が埋まり、生徒はそれを必死にノートに写す。膨大な量の情報を垂れ流すので、百点を取ることなど、ほぼ不可能。九割以上覚えたら10をつけ、二割覚えられなかったら赤点をつける。 もうそんな風景は見飽きました。 教師は、何かのなりそこないが多いんです。学者になれなかったり、プロ選手になれなかったり。心のどこかに劣等感を隠しています。で、その反動で、マウ

          劣等感は人生のスパイス

          イマドキの授業

          現在は、承認欲求爆発の時代。SNSの普及によって、イイネをたくさんもらえる人がイケてるんです。フォロワーが多ければ、お金まで稼げちゃう。 インスタにイケてる投稿すれば、友達からイイネをもらえます。昔は、イイネは、学校で頑張って、教師から好成績というイイネをもらっていたのですが、今は、教師一人のイイネより、たくさんの同年代の友人からのイイネの方が価値があるんです。 教師の承認 < 友人の承認 昭和の代表的な人生ゲームは、お金を集めるのが目的でしたが、令和版人生ゲームは、フ

          イマドキの授業

          教科書を捨てよ

          教科書通り、学校では褒め言葉。社会では、そうではありません。教科書の問には答えがありますが、実社会での問には、答えは人の数だけあって、しかも期間限定で、そもそも答えがない時もありますから。 教科書は、本当につまらないんです。それは、きっとストーリーがないからでしょう。ただの情報の羅列。昭和チックな授業では、そんな情報を垂れ流し。生徒は、小さなコップで必死に受け止めようとしているようです。あふれるは、こぼれるは、もう大変。 教科書の向こうにストリーを描き、黒板の向こうに世界

          教科書を捨てよ

          哲学のない教師

          哲学を持たなくっちゃいけません。大学時代、哲学書に何冊もチャレンジして挫折したのは、今はいい思い出です。 僕が一番好きだったのは、サルトルです。自分に何の意味があるのか悩んでいた時に、出会ったんです。 実存は本質に先行する。 この言葉には救われました。ナイフは切るという意味のために作られ、存在している。しかし、人間は、何の意味もなくこの世に送り込まれ、実際に存在している。生まれる前に意味なんてない。意味なんて、これから見つければいい。 空っぽな自分が、ようやく肯定でき

          哲学のない教師