見出し画像

気持ちいいブラッシング

靴を磨く際のブラシは主には豚の毛のブラシを使います。
毛そのものの質が硬くてコシがあり、クリームを伸ばしやすいからです。

他にも工程に違いによって馬の毛だったり、ヤギの毛を使い分けるのですが、豚の毛ほどコシは無いのでクリームを程よく伸ばすのには向いていないのです。



じゃあ、馬の毛とヤギの毛のブラシはいつ使うのかというと、馬の毛はホコリを払ういちばん最初に使って、ヤギの毛はその逆にいちばん最後に仕上げの磨き工程としてブラッシングをします。
例えるなら、馬の毛は「玄関の掃き掃除をする時」みたいなものですね。ヤギの毛は「こどもの髪(もしくは動物の毛)を整えるために手で撫でるような感じ」とイメージしています。手櫛とはちょっと違いますね。なでなでする感じです。(伝わればいいのだが)

豚の毛は例えると何になるかと考えても、ちょっと難しいです。
そもそも生活の中においてクリームをブラシで伸ばす機会なんてあんまりありませんからねぇ。お皿洗いとかお風呂掃除とか、髭剃りとか…いやぁ、なんか違います。



考えていると、なんとなくわかりやすいものがありました。

歯ブラシです!


歯ブラシにも豚の毛は使われているものがあるのですが、使ってみたことがなかったので「靴の気持ち」を知るためにも自分も豚毛の歯ブラシで自分磨きでもするかなと、買ってみました。実を言うと前から使ってみたかったのです。
豚の毛だからと言って特に高級だって事もありません。普通に薬局の歯ブラシ売り場に行けば、豚毛のブラシは売っています。だいたい300円〜500円も出せば買えると思いますね。



使った感想なんですが、コレがすごくいいんです。
同じような値段の歯ブラシってたくさんありますし、大きいだの硬いだのと柔らかいだのとありますが、豚毛には不思議な「良さ」があります。

なんというか、極端に硬いとか柔らかいという感覚はなくて、言葉を別の表現で言うなれば「マッサージをしている感覚」です。

実は僕も豚毛のブラシで靴を磨いている時は、「靴をマッサージしている感覚」に近いものだと思ってやっていました。「磨く」というよりも「ほぐす」とか「滑らかにする」「疲れを取る」みたいな感覚でいたのです。

※実際には塗り込んだクリームを均等に伸ばしたり、塗りすぎている部分のクリームを取り除いて平坦にしたり、ツヤを出す効果があります。



人間も、疲れを取るようなマッサージとか、体操とか整体をすると、なんとなく元気になって体が軽くなるような感覚があるじゃないですか。あんな感じが「モノ」にもあるなら、疲れを取るようにメンテナンスするのは必要だし、そうやって考えながらもやっているとおもしろいなと思ったんですね。

豚毛の歯ブラシで歯を磨いていて思ったのが、その感覚にぴったし合う感じがしたんですね。
磨くというよりは歯と歯の周りをマッサージしている感覚です。
ひとの気持ちもその立場にならなきゃわからないのと同じように、「モノの感覚」なんかもわからないのですね。
ブラシひとつ変える事で、ちょっと歯ブラシが好きになった感覚すらあります。




おっと、そこだな。


物事を好きになるにはまず「気持ちよさ」を経験する必要があるんだなーって事です。
嬉しい、楽しい、苦い、つらい、苦しい、臭い、おもしろい、美味しい、いい匂い、いい感触、かわいい…

いろんな五感の感じるものがありますけど、それをいかにして求めて行動していくかですかね。

こうしなきゃいけない、こうでなきゃ、こうあるべき、とストレスに駆られてか何かで物事を決定してこなしては、そのストレスを解消するために動くのではなくて、好きなんだ、気持ちいいんだという気持ちでやんなきゃ続かないですよねぇ。

そこんところをうまいこと変態的にでもかまわんから、「ダイエットとか勉強に繋げられないものか」と…一瞬考えました。


気持ちいいダイエット…
気持ちいい勉強…
気持ちいい習慣にできたら、何かと楽なんでしょうけどね。



服でも食べるのでも気持ちいいのが元気出るな。





気持ちいい環境づくりかね、これからの僕は。

気軽に読んでいただきたいので、ひとつひとつの記事に値段は付ていません。靴磨きや仕事のお手伝いなどを投げ銭でやってみると、様々な方が僕の仕事にいろいろな価値をつけて下さってすごく助かります。僕の記事にもあなたの価値をつけていただけると嬉しいです。