多田直人/俳優

北海道釧路市出身の俳優です。主に舞台役者として活動しています。1983年生まれ。 20…

多田直人/俳優

北海道釧路市出身の俳優です。主に舞台役者として活動しています。1983年生まれ。 2004年キャラメルボックス入団。青年団にも所属しています。所属事務所はナッポスユナイテッドです。ややこしいですが、仕方ないです。

最近の記事

引退を意識する

キャラメルボックス2022クリスマスツアー『クロノス』間もなく開幕します。 劇場で上演できることが、お客さんに会えることが、本当に待ち遠しく、楽しみにしています。 劇団の公演は、やはり何か特別です。 活動休止を経ているからでしょうか。 活動自体が年に1〜2本になっているからでしょうか。 劇団というものの、会社とも家族とも違う、共同体の中にいることの特異感。不思議さ。それから安心感。 皆それぞれの生活がある中で、それぞれが別の価値観を育んできた中で、ひとつの作品を作るために

    • 悪い芝居上演に寄せて

      悪い芝居との出会いは2014年。「マボロシ兄妹」という作品。 キャラメルボックス劇団員で同期の渡邊安理が出ていたので見にいった。青山円形劇場。 同期の活躍もさることながら、山崎彬が放つ独特の世界観と出演者のパワーに、「ええもん見た」と思ったのを覚えている。 2015年のリーディング公演「乱暴と待機」@赤坂RED/THEATERで山崎くんと演出家と役者として相対することになる。 公演自体は充実していたけど、稽古期間は短かったし、上演台本も本谷有希子さんのもので、「マボロシ

      • 観察!原田樹里

        同業者、しかも同じ劇団員のことを、勝手に分析して、偉そうに褒めている記事です。 他人の分析より、てめーの演技どうにかしろこの色白男!ひよこ!小鳥!と思われる方もいるかもしれませんが、自分のことは棚に上げさせてください。 もとより、他人の演技を分析することもまた、自分の演技のためだとも思いますし。おすし。小僧寿司。 演技に関して、わたしはわたしなりに自分のスタイルとか、得意なこととかを把握しているつもりです。あくまでも自分なりにね。 そんなわたしが、どうしたって及ばない、

        • キャラメルボックスとはなにか

          キャラメルボックス・アクターズプロデュース2022ハーフタイムシアター二本立て 「ミス・ダンデライオン」 「水平線の歩き方」 昨日初日の幕が開きました。 今回の稽古期間は約18日間。 一般的な稽古は約30日間。 120〜130時間程度ですから、比べると短いですね。 上演時間が1時間の作品を作っているのですから、稽古時間も短くて当たり前っちゃー当たり前ですが、「演劇の稽古長すぎる問題」を提唱しているわたしとしては、どんとこいといった感じでした。 ここ数年、要所要所で「

        引退を意識する

          劇団公演を終えて

          昨日、キャラメルボックス2021クリスマスツアー『サンタクロースが歌ってくれた』の神戸公演、東京公演が無事に終了しました。 カーテンコールでのご挨拶などでも申し上げましたが、「キャラメルボックスとして」作品をお届けできること、「キャラメルボックスの仲間たちと」ひとつの作品を作れること、とても嬉しかったです。 そして、関わってくださったすべての皆様に感謝しています。 ありがとうございました。 なにから書いていけばいいだろう。 復活公演の演目を聞いて、最初に「芥川」のオ

          劇団公演を終えて

          今と来年のことふたつ

          連日『サンタクロースが歌ってくれた』の稽古をしています。 読み合わせした次の日には立ち稽古やって、めくるめくスピードで稽古は進み、舞台上の役者の導線を決めていく「動きつけ」というフェーズに入りました。 ぶわわーっと台詞を喋り、どわわーっと走ったり飛んだりして、なおかつ演出家の指示と共演者からもらう情報を浴びているのでとっても濃い1日1日を過ごしており、1週間がとても長く感じました。 火曜日なのに、木曜日だと思ってしまうくらい。分かりにくいですね。 おかげさまで追加公演も

          今と来年のことふたつ

          『サンタクロースが歌ってくれた』のはじまり

          キャラメルボックス2021クリスマスツアー『サンタクロースが歌ってくれた』の稽古が始まりました。 この日を楽しみにしていたんですけど、なんだかやっぱりプレッシャーみたいなのがあって、正直稽古場までの足取りは決して軽くなかったのです。 こんなことないんです、本当に。 考えてもしょうがないことを考えてしまう感じ。 なにを? まぁ、いろんなことを。 わたし、結構さっぱり醤油味の思考の持ち主だと自負しておるので、悩んだってしょうがないことは、探検中に来た道の目印としての金

          『サンタクロースが歌ってくれた』のはじまり

          感謝にまみれる

          カンフェティの旅さんの企画でオンラインツアーが開催され、我が故郷・釧路におりました。個人的に約4年ぶりの帰郷となりました。 ゲストとして劇団の先輩、畑中さんについてきてもらいました。釧路の自然とか食べ物とか、わたしが何気なく感じていたものでも「すげー」とか「うめー」とか「住みてー」とか感動してくれて、大変ありがたかったです。 そんな畑中さんが横にいてくれて、わたし自身も改めて釧路の魅力に気づくことができました。 しかも台本(畑中さんのほうが台詞多い)まで上演してくれて。

          感謝にまみれる

          『トリツカレ男』を終えまして

          10月24日(日)『トリツカレ男』無事に千穐楽を迎えることができました。 稽古期間は25日間。 稽古時間は168時間。厳密に言うと成井さんは予定されている稽古時間より早く終わることが多いし、今回は「自分の出番のシーンに合わせて稽古場に行く」時差出勤もあったので、もうちょっと少ない感じです。 自主的に早く来たり、居残って稽古する役者もいたし、スタッフさんは稽古時間以外でも活動することが多いです。 ので一概には言えませんが、このくらいの時間でこの作品は出来上がりました。

          『トリツカレ男』を終えまして

          『トリツカレ男』没ネタ集【ネタバレあり】

          『トリツカレ男』絶賛上演中です。 3ステージが終わったところですが、どのステージでも温かく熱のある拍手をいただいて、改めて物語の力と、これまでの稽古の成果を実感しています。 成井さんの現場の特徴として、面白くなるなら「台詞を変えたり、増やしてもよい」というルールがあります。もちろん物語の根幹に関わる台詞や、世界観を壊すもの、あまりにもテンポが損なわれる変更はダメですが、お客さんが楽しんでもらえる台詞の変更は許されています。いわゆるネタやギャグの類です。 とはいえ突発的な

          『トリツカレ男』没ネタ集【ネタバレあり】

          決意表明

          キャラメルボックスの活動再開1発目、『サンタクロースが歌ってくれた』のスケジュールやキャストが発表になりました。 神戸公演があるのが嬉しいです。 会場のAiiA2.5シアターは、もともと新神戸オリエンタル劇場という名前で、キャラメルボックスがよく上演をさせてもらっていた劇場です。 池袋サンシャイン劇場と並ぶ、第二のホームといった感じ。 とりわけクリスマス公演の時期はほぼ毎年お世話になっていた場所なので、こうしてまたクリスマスの時期にこの場所で上演できること、大変嬉しく

          再演やれやれ派

          『トリツカレ男』1回目の通し稽古がありました。 上演時間は2時間4分。 もっとテンポを良くして、2時間以内の上演時間を目指します。 通し稽古が終わったあと、少しスタッフさんと雑談まじりに話をしました。その方は2007年の初演、2012年の再演でもついてくれたスタッフさんです。 「ぶっちゃけ懐かしくって最初から感動してたよ」 そんな言葉をいただいて、少し肩の荷が降りました。 超個人的な考えなんですけども。 わたしは「再演やれやれ派」です。 キャストが揃わないとか、時

          再演やれやれ派

          姉と演劇とわたし

          『一緒に体験!畑中先輩と行く多田直人オンラインツアー!~釧路で演劇と海鮮にまみれるふたり~』を10月31日(日)に開催することになりました。 コロナの関係で二度の延期を経ましたが、カンフェティの小森さん(今回の企画者で元キャラメルボックスの制作部)が、がっちしと諦めず関係各所に調整をしてくれたおかげで今回は開催できそうです。あとは募集人数の集まり次第。ここ重要。 わたしが携わるからには「なにか演劇っぽいこと」がしたいと思い、旅の工程中に短編演劇を稽古、上演してみることにし

          姉と演劇とわたし

          稽古が始まりまして、生きていると思いました。

          「トリツカレ男」の稽古が13日(月)から始まりました。 キャラメルボックスの代表作のひとつです。演出は成井さんだし、キャラメルボックスの劇団員も何人か出演はしますが、劇団公演ではないので、広く演劇界からバリエーションに富んだ役者たちが集まりました。 ここ数か月、社会に潜りながら感じていたことは、「実感どこいった」って感覚です。 日々楽しいこと、美味しいことなんかをポジティブに感じてはいたのですけど、心にグッと迫る、そんな感覚がありませんでした。 や、そもそもそんな感覚

          稽古が始まりまして、生きていると思いました。

          プライベートと演劇、その関係性うんぬん

          7月半ばに「容疑者Xの献身」が終了してから今までの約2ヶ月間、社会に潜り込み、勤労していました。 舞台のお仕事が無いときは、とあるNPO法人で働かせてもらっています。 一応アルバイトなんですけど、毎日いろんな種類の業務をやります。 おかげで普通に演劇だけをやっていたんじゃ知り合えない人と知り合えたり、行けない場所へ行けたり、知り得ない知識を得られたり。 これがなかなか楽しいことで。 演劇以外でも働く場所があって、それが楽しく感じるなんて、なんて素晴らしい環境なんでしょう

          プライベートと演劇、その関係性うんぬん

          主演論

          たいそうなタイトルです。 演劇の主演やメインをやらせてもらうことの多い俳優半生でした。自慢で放った訳ではないですが、自慢に聞こえる人もいるでしょう。それはマジで価値観のそれぞれです。 中肉中背で、特にこれと言った個性がない故、かもしれません。 演劇大学時代、試演会で「ひめゆりの塔」を上演しました。わたしは男性キャストで最も出番のある先生役をあてがわれました。 演出助手をやっていたOBに、「多田にはメインをやらせたくなる」と言われたことがあります。 これをわたしは褒め言葉