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売上を増やすことは難しいが、増やす確率を上げることは難しくない

単に「売上を上げろ!」と言われても確実に
増やす方法を考えると悩んでしまう。

でも、確率を上げることに焦点を当てると
打開策が見えてきそうになる。


要は、何をしたらいいかわからない状態では
絶対売上は増えないけれど、

増える可能性があることを考え、
実行する、ということに焦点を当てると
割と簡単にできそうな気がする。



売上は
入店数 x 購入率 x 平均購入額(客単価)
で表せる。

客単価という言葉はあまり好きではないので
あえて平均購入額とします。

例題の前提条件


例えば、身近なところでファッションビルに
テナント入居している物販のショップで
半年スパンで出来ることを考えてみる。


期間が半年となると、移転もできない、
内装工事もできない。
要は、今から短期間でできることに絞って
考えてみる。


行動段階を大雑把につかみ、それぞれの要素を掘り下げて考えてみる


先ずは、俯瞰してから、要素を分解して考える。
(これ、けっこう重要かも)


大雑把にお客さまの行動の段階を単純化し、4つに分けてみる。

①認知
 ↓
②入店
 ↓
③決断
 ↓
④再来店


これらの各段階、お客さまが
どういった状態になっているか
考えてみる。


「①認知」
この領域はかなり広い。
・知ってもらう
・憶えてもらう
・興味、好感を持ってもらう

 ⇒ 広告やメディアによるアプローチ


「②入店」
・入館促進
・入店しやすい環境準備
・見たいと思ってもらう

 ⇒ 販売促進戦略、VMD、店頭ディスプレイによるアプローチ


「③決断」
・購入欲求を高めてもらう
・決断を促す

 ⇒ 接客販売によるアプローチ


「④再来店」
・また来たい、機会があれば利用したい、と思ってもらう
・他者に良い評価を広めてもらう

 ⇒ 接客販売、顧客化戦略によるアプローチ



上記の各段階で、
お客さまにそれぞれの心理状態になってもらうため、
何をしたら良いか、

これを考えて、できるところから実行していくと
売上を増やす確率を上げることができる。

どうしたらお店に入ってもらえるか、入りたいと思ってもらえるか


例えば、②の入店確率を増やそうとすると、

先ずはファッションビルへの集客が上がる
販促施策に協力するなどして、

集客が上がるタイミングで館内広告や
店舗以外のスペースで商品ディスプレイをして
商品や店舗を知ってもらう。


そして、
店舗スペースの前を通りかかってくれたとしても
お店に入ってもらえなければ意味がないので、

入店してもらうために

足を止めて見入ってしまうディスプレイを施したり、
入店しやすいよう、動線を確保したり
スタッフが立つ配置を工夫したり、
興味をそそる声がけをしたり、

入りやすい環境を整え、入りたくなることをする。



これだけでも、売上が増える確率は上がる。

どうしたら買ってもらえるか、買いたいと思ってもらえるか


さらに店舗運営で大切な部分、
「③決断」してもらうには何をしたら良いか。


「決断」とは購入を決めて購入してもらうこと。
そこで、「購入の決断」と効果的に購入額を
増やしてもらう点について掘り下げる。


◎購入率を上げる施策
・魅力的な接客をする
・魅力のある商品を用意する
・需要の高まる商品を用意する
・魅力が伝わる見せ方をする


◎購入額を上げる施策
・単価の高い商品を用意する
・単価の低く、数量が多く出る商品を用意する
・高、中、低単価商品、商品テイストを最適バランスに調整する


ざっと上げるとこんな感じ。


作戦を立てたら、次は実行計画を検討する


上記の中で、時間軸と投資金額と投資労力と
それに対して見込める見返りを検討し、
どこから手を付けるか、優先順位を決めてみる。


つまり、最初に手を付けるのは
短時間で投資金額がかからず、労力がかからない
施策から実行していく。


こういった場合、接客販売に関することから
実行することが多い。


「買いたいという感情」をよく考えてみる


上記の中で、
「魅力的な接客をする」ってなんだ!?
という声にならないコメントに対して、
ひとつ、掘り下げてみる。


「魅力的な接客をする」とは、

・気になる商品を察する
・適切な距離感で接する
・購入目的を確認する(ご自分用かギフトか、など)
・商品以外の予備知識と併せて、適切な商品提案をする
・商品販売以外の話題に対応する雑談力を持って接する


だいたい、こういったこと。


購入する側の視点に立つと、

単刀直入過ぎず、何となく自分の思っていることを察してくれ、
とは言え、察したからと言って確認なく進むのではなく、
要所を確認した上で話を進め、

好みや状況を理解した上で魅力的な商品を提案してくれ、
満足して購入する、

ことが達成できれば言うことナシ。


各段階でそういった部分を深掘りして、
ひとつひとつ今まで何となくやっていたことを明確化し、
目的を持って取り組むことで
売上を増やす確率を上げることができる。


答えはひとつじゃないからこそ、いろいろ試せばいい


一つを例に挙げてみたけれど、
結局、購入に至るまでの過程はかなり多く複雑なため、
最終的な購入理由を単純な要素にしぼりきれない。



つまり、多くの場合、購入という決断に至った理由を
特定のひとつに絞ることは難しい。


だからこそ、細かい部分で確率を上げ、
総合的に判断して、「購入する」という
決断をしてもらうために
いろいろなアプローチをすると
売上を増やす確率を上げることに繋げられる。



そして、

売上目標の向上を掲げるのであれば、
それに向けて何をどうするのか、

定性的なことを定量的な目標に
落とし込んで取り組むことができれば
達成する可能性も高められる。


感情は掛け算。プラスとマイナスでは成果に大きく影響する


さらに、
直接的に何をしたらいい、と指導すること以外で
もう少し俯瞰したところからアプローチすると、
お店の雰囲気を良くするために

・店長のご機嫌をとる
・スタッフのご機嫌をとる
・働きやすい環境を整える


こういった、後方支援のようなことをするだけでも
ひとり一人の行動が変わり、店舗を運営するスタッフが
能動的になって、チームとしてのまとまりが高まって
より売上を増やす確率を上げることができる。



忘れてはいけないことは、
「売らん哉」という気持ちにならないこと。

全ては、「お客さまに満足してもらう」ために
何をしたら良いか、という考えが
行動の基になっていることが大切。

※売らん哉【うらんかな】=モノが売れさえすればいい、ことだそうです。覚えた言葉は使ってみる笑


そして、お客さま以前に
店舗のスタッフに一定の満足感がないと、
お客さまの満足なんて満たせない。


殺伐とした悪い雰囲気の中では
買い物する気も失せてしまう。

スタッフ同士の連携が悪いと、
お客さまを待たせてしまったり
誤解を招く行動や発言をしてしまうことも増える。



だからこそ、具体性を持った指導と併せて
各スタッフが円滑に動ける雰囲気づくりも
マネージできれば、より、成功確率を上げることができる。


マネジメントとは、そのように導く力ではないかと思う。


チームスポーツにおいて
技術や能力の高い選手を選抜して
チームにしたとしても

連携が悪い、気分が乗らない状態では
チームとしても個人としても
最高のパフォーマンスは出せない、
ということと同じこと。

支持されるお店で共通していること


最後に、
手法もいくつか記してみたけれども、
忘れてはいけない点がある。

それは、手法を通して
「単にお客さまの満足度を上げる努力をしているだけ」
ということ。


手法だけでは小手先になる。
小手先のことは、マニュアル化できるので
覚えれば一定の成果は上がる。


ただ、小手先のマニュアルは覚えることが多いのと
全てのケースに対応している訳ではないので
応用力が必要になる。


そういったときに
行動の根幹に据えるものを理解しているかどうか、
が応用力の有無のカギとなる。


商品を通じて販売までのサービスに満足して
お金を支払ってもらう。


価格を超える満足度、付加価値を提供し続けられれば、
ずっと繁盛店のはず。



ただ、原理原則を理解して
正論をぶつけても人は動かないのが
難しいところ。


次の機会に「伝え方」についての実体験を
記したいと思います。



最後までお読み頂き、ありがとうございます。

マネジメントでお悩みの方、
管理職になって日が浅い方、
上司の考えに「?」と思っている方、
カッチカチに古い体制の会社に疑問を持たれている方、
などなど。

お仕事でそんなお悩みを持たれている方に向けて
発信していきたいと思います。

 きのした

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