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満点より合格点、自由より不自由

ブランドビジネスをする上で、
そのブランドの世界観を表現するのが
お店。

お客さまと直接接点を持てるのが
お店なので、
その位置づけは高い。


だから、
お店の外観や内装はもちろんのこと、
立地や建物、階層や面積にも
ラグジュアリーブランドは
とことんこだわる。


立地や建物、内装や什器(商品を載せる棚など)は
一度決めたらなかなか変えられない。

什器を移動させる場合であっても、
お店側の判断で変えられず、
ブランド本体のVMD責任者の
許可が必要だったりする。

お店は重要なのに
お店独自の判断で出来る範囲は
意外と少ない。

でも、だからこそ
どこへ行っても高級なイメージや
ブランド価値が保たれている。

意外と
限られた範囲内でできることをする、
というのは悪くないと思う。


「明日から、何しても構わないので、
 自由に好きなようにやってください。」

と言われたら、意外と困る方が多いのではないでしょうか。

「自由にって、どこまで自由?」

「全て自由です」

え、ほんとに?
ラッキー!

「じゃ、目標設定から何から全て自由にやらせてもらいます」
と喜んで言ってしまいそうなわたしは多分、少数派。


売上目標や利益目標、
定められた期限、制約があるから

それらを達成するために
試行錯誤する。

「基本ルールの中で
 これはやってはいけない、ということを避け
 裁量判断していい箇所を明確にして

 これを目指してください。」

と、言われたら
けっこう考えをまとめやすい。

例えば
店舗設備やウィンドウディスプレイは
本部の指示通りに行い、

店内VMDやディスプレイについては、
お店側で考える、とすると

入店きっかけをつかむため、
外から見える、お店に入ってすぐのVPテーブルは

限定アイテムの雑貨にしよう、とか
イメージビジュアルのモデルさんが持ってるアイテムにしよう、とか
パッと見のインパクトが強いアイテムにしよう、とか

正面から奥に向かって関連性があるような
アイテムの配置にしよう、とか。


制約があるからこそ、
具体的にできることが思いつく、ということもある。

お店でやってはいけないことは、イメージの毀損なので
それ以外であれば、さまざまな角度からの提案があっていい。


100点満点、なんて答えは存在しないのだから。

その時の在庫状況、環境、携わるメンバーやタイミングによって
成果が変わるのはよくある話。

だから、常に100点満点を目指すのではなく
80点以上が保たれればいい。


自由度が増すと感性の違いによって
おもしろいものが生み出されることがある。

それは新しい発見だったり、
お店でのワクワク体験につながったりする。


店舗管理だけでなく
組織運営やマネジメントでも
同じようなことが言え、

基本ルール、制約などを整理して
ネガティブリスト(やってはいけないこと)を
提示した方が、部下が迷うことが減り、

より良い成果につながるかもしれない。
少なくとも、能動的に考えるいい機会になるはず。


それが誰かのマネや焼き直しを提案してきたとしても
自分で聞いたり調べて考えを固めていく工程は
いい経験になる。

考えなくマネしてるだけと思ったら、
どうしてその考えに至ったか詰めてやればいい。

そして、
行動にも考えにも、他者に説明できる
根拠が必要が必要なんだぞ、と。

だから、
マネするにも、自分で語れる根拠を示すのだ、と。


専門家が店舗設計やVMDを見れば、
そこに明確な意図があるか、迷いがあるか
すぐにわかる。

上司は、部下自身がやるべきことを
明確に捉えられていないか、迷っていないか
見極められるようになると

適切なタイミングで
適切な助言ができるようになり、
マネジメントのプロへ
近づけるんじゃないかな、と思う。


プロといっても
完璧を目指すと疲れてしまうので、
先ずは
「目指せ!80点」で十分。



最後までお読み頂き、ありがとうございます。

マネジメントでお悩みの方、
管理職になって日が浅い方、
上司の考えに「?」と思っている方、
カッチカチに古い体制の会社に疑問を持たれている方、
などなど。

お仕事でそんなお悩みを持たれている方に向けて
発信していきたいと思います。

 きのした



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