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「コロナ肺炎後の拡散障害残存とフェリチン高値が関連」

TONOZUKAです。


コロナ肺炎後の拡散障害残存とフェリチン高値が関連

以下引用

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)肺炎発症後の拡散障害の残存には、フェリチンが最も関連のある因子であることが示された。第62回日本呼吸器学会学術講演会(会期:4月22~24日、京都市左京区の会場とウェブのハイブリッド開催)で東京慈恵会医科大学附属第三病院呼吸器内科の新福響太氏が発表した。

 COVID-19肺炎では、治療後に拡散障害が高頻度に発症し、長期にわたり残存することが知られている。拡散障害の残存に関連する因子としてはCOVID-19の重症度やHRCTで残存する陰影の広がり、Dダイマー上昇が報告されているが、これらの因子に関する十分な検討はなされていない。そこで新福氏らは、COVID-19肺炎発症後3カ月の拡散障害残存に関わる臨床因子を明らかにすべく、後ろ向き研究を実施した。

 対象は、2020年4月1日から2021年8月31日に東京慈恵会医科大学附属第三病院に入院し、退院後に外来にて経過観察と検査の実施を希望した54人。

 肺拡散能力(DLCO)と単位ガス交換面積当たりの肺拡散能力(DLCO/VA)のいずれも予測値の80%未満となった群を「拡散障害あり群」と定義した。拡散障害と関連する臨床因子を検討したところ、血液検査所見ではAST、LD(LDH)、フェリチンが拡散障害あり群で有意に高く、画像所見では入院時と2カ月後のHRCT画像所見における異常陰影の広がり、画像所見での「線維化あり」が拡散障害あり群で有意に高かった。

 これらの因子についてROC曲線を描き曲線下面積(AUC)とカットオフ値を検討したところ、フェリチンのAUCが0.78と比較項目の中で最も高く、カットオフ値は686.5ng/mLとなり、感度84%、特異度75%だった。ロジスティック回帰による多変量解析の結果、入院期間の検査所見のうちフェリチンのみが残り(オッズ比11.08[95%信頼区間:1.84-66.59]、P=0.009)、3カ月後の拡散障害の残存に最も関連する因子であることが示された。

 これらの検討から新福氏は「フェリチンはサイントカインストームを間接的に反映していると考えられる。既報ではCOVID-19患者へのリハビリ介入で拡散能改善が示されており、フェリチン上昇を指標としてリハビリ介入を行うことで、拡散障害の残存を減らすことができる可能性がある」と結論した。

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