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【その顔とその顔とその顔】④
備忘録 〜貴婦人編 その4〜
立てば芍薬座れば牡丹歩く姿は百合の花よりも彼女は石楠花そのものだった。ののちゃん
私は塾でバイトしていた。
個別塾だけど2人までの生徒を同じ時間に教える。
ある日薗坂さんから電話があって、娘を私に預けたいという。個別塾専用のテキストや教え方があるし、誰に教わっても同じなのだが、知っている人のところが安心だったのだろう。
私は快諾した。
娘はののちゃんと言って、
【その顔とその顔とその顔】①
備忘録 〜貴婦人編 その1〜
立てば芍薬座れば牡丹歩く姿は百合の花よりも、彼女は石楠花そのものだった。出会いの巻
初めて彼女を見たのは、地元の商店街だった。
田舎町の商店街で見かけたこともないような
一目でブランド物とわかるコートを着て
艶めく黒髪を綺麗に巻いてベビーカーを押して歩いていく姿は誰もが振り返った。
肌は陶器のように白く、目鼻立ちのはっきりした
それこそ百合の花のような華やかな雰