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ドイツ一人旅_離陸_01_01【海外旅行】
1999年冬 1日目 日本
「じゃ、行ってくる」
「おう、行ってらっしゃい」
親父に駅まで送ってもらった。会話はそれだけだった。別に仲が悪いわけではないが、特に話すべき内容もない。
電車に乗り、成田空港に向かった。既に胃が痛い。別に無理してまで行くことはないのだが、今更引き返すことはできない。
最近、飛行機に乗る夢をよく見ていた。しかし、いつも離陸直前で目が覚めた。飛行機に乗ったことがなかったから飛ぶイメージが夢でもできなかったのだろう。
今、飛行機の座席に実際に座っている。飛行機が滑走路に向かって動き出し、そして止まった。いよいよ離陸するみたいだ。
すると轟音が鳴り響き、背中が座席に押し込まれた。飛行機はスピードを増していく。窓の外を見ると地面が斜めになっていた。どうやら本当に飛び立ったらしい。
初めての海外旅行、しかも一人旅。無謀な旅が始まった。
次の話 (表示されない場合は次回更新までお待ちください)
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