ドイツ一人旅_中央駅_01_07【海外旅行】
1999年冬 1日目 フランクフルト
「ソロソロ、イキマショウカ」
僕らは駅の中に戻った。ドイツの駅には改札がない。では、どうやって切符を調べるのかというと、乗車中に車掌さんがやってきて切符の内容を確認するのだ。
近郊列車では車掌さんが来る前に目的地に到着してしまうかもしれない。でもそこは性善説で成り立っている。たまに抜き打ちで切符の内容を確認して、不正や無銭乗車が判明すると厳しい罰金が待ち受けている。
駅の中には軽食屋、本屋、雑貨店、それにキオスクもあり、それらを横目に歩いていく。一軒一軒覗いてみたいが楽しみは明日以降にとっておこう。
ホームは行き止まりの櫛形になっており、何本ものレールが並んでいる。レールはドイツの各都市や外国につながっている。列車で違う国に行けてしまうとは島国の日本人にとっては不思議な感覚だ。
マールブルグに向かう列車は既に到着していた。
列車にはステップを登って乗車した。日本では段差をなくすためにホームと列車の扉の高さは同じであるが、ドイツではホームが低いことも多いみたいだ。
列車に乗るとGさんはボタンを押して扉を閉めた。近郊列車の場合、扉の開閉はボタンかハンドルで手動式になっている。冬は冷気が入ってこないように細目に閉めているようだった。
日本では車掌さんが扉の開閉を行うので、そんなところも新鮮に感じた。
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