ドイツ一人旅_後悔_10_02【海外旅行】
前の話 プロローグ 10日目01
1999年冬 10日目 ミュンヘン~ハイデルベルク
9番線らしきホームに列車が停車しているのが見えた。
「あれだ!」
僕がその列車の最後尾までたどり着いたと同時に、列車は静かに走り出した。ドイツの駅では発車のベルは鳴らず、時間になれば勝手に動き出すのだ。
僕は両手をヒザについて、顔だけは列車の方に向けていた。
「間に合わなかった…」
無情にも列車はみるみる小さくなっていく。いや無情なのは列車ではなく僕ほうだ。約束もちゃんと守