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【鉄棒が楽しくなる!】だるま回りのコツを分かりやすく解説!

今回は、「だるま回り」(正式名はかかえこみ回り)についてお話したいと思います。

だるま回りとは、

学習指導要領体育編によると、
腹を鉄棒に掛けて前に回る支持系の基本的な前転グループ技の1つとして例示されており、中学年で指導することになっています。

また、
「支持の姿勢から腰を曲げながら上体を前方に倒し、手で足を抱え込んで回転すること」
とあります。

とはいえ、いきなりこの技はできません。
この技の習得のためには、2年生までに習得しておかなければならない技がいくつかあります。

①ツバメ(体を伸ばし手で支えバランスをとって止まること)
②ふとん干し(腹で支持してぶら下がったり、揺れたりすること)
③簡単な前回り下り(支持の姿勢から体を丸めて前に回って下りること)
④だるま振り(ふとん干しの状態から手で足を抱え込んだまま、足の曲げ伸ばしによって揺れること)
⑤ねこちゃん体操(体幹づくりの体操のこと)

ねこちゃん体操に興味をもった方は、↓の本がおススメです。



3年生以上の担任になった際には、まずこの①~④までができているかの確認が必要です。
⑤のねこちゃん体操は知らないと指導できないので、やっていなくても指導はできますのでご安心ください。

できていなければ、確実に習得できるよう計画を立てる必要があります。

自分の経験ではありますが、高学年でもふとん干しが正しくできない子が半数近くいたこともありました。
算数で例えていうなら、九九をまだ完璧に暗唱できない子が半数近くいるといいかえてもいいかもしれません。

九九を暗唱できない子がクラスに半数近くいたら大問題になりますが、残念ながら、ふとん干しが正しくできない子が半数近くいても問題視されません。

もちろん、このような状態であっても指導すれば、大半はすぐに正しくできるようになりますのでご安心ください。

体育は、算数同様に、系統性が高い教科であるにもかかわらず、教科書がないので(副読本はありますが…)、先生方の多くは、自己流の指導法をとっています。
副読本から教科書に昇格することを願っています。そうすれば、全国どこでも最低限の体育の学力は保障されます。

それでもしっかり指導しているならいいですが、指導計画など無視して、体育を遊びの延長線上に位置づけ、鬼ごっこやドッジボールやサッカーなど子ども達が、喜びそうなものだけを取り上げる先生すらいるのも事実です。令和になっても、こうした先生は、一定数存在します。
当然ですが、学年が上がり、この後に受け持つ先生は苦労します。

話がちょっとそれましたが、
では次に、だるま回りという技の動きを細分化してみたいと思います。
①ツバメの姿勢から勢いよく前回りするつもりで回る
②さかさまになる時に手を離し、手で抱え込む。
③肘で鉄棒を支持し、起き上がり、回転を続ける。

このようにツバメの姿勢からやる方法もあるのですが、意外とこれが難しいのです。
どこが難しいのかというと、勢いがついた状態で手を鉄棒から離して、抱え込むところです。怖いといって手を離せない子が結構います。

そこで、そういう子のために、だるま振りからのだるま回りを指導します。こっちの方が簡単に取り組めるのでお勧めです。

だるま振りのコツについて考えていきます。コツは大きく2つあります。

①脇をしめ、肘が鉄棒についた状態を保ちながら振ること
②足を曲げたり伸ばしたりしながら推進力をつけること
③足の振りと連動して背中を丸めたり、伸ばしたりすること

①について
いきなり鉄棒で指導してもなかなか理解が難しいので、地面で指導します。体育座り(地域によって呼び方が違うかも…)の状態から手のひらを膝裏近くのもも裏にあてて抱え込む。その時、脇にすきまがでないようにします。
高跳びのバーを活用すれば、そのバーを鉄棒に見立てて、自然で座りながら5~6人は一度に姿勢の指導ができます。

②について
(膝から下の)足を曲げるとき体を丸め、顎を引きます。足を伸ばす時には、体を伸ばし、顎を突き出します。これをリズムよく続けて推進力をつけます。理解が難しい場合には、ブランコに乗せて指導するといいです。

 ブランコの振りを大きくするには、やはりひざ下の足の曲げて伸ばします。後ろに行くときに足をまげ、前に行くときに足をのばします。ブランコだと足を伸ばしたときに勢いがつくような感覚が得られます。しかし、だるま振りについては、この逆で、足を曲げたときに回転の勢いがつきます。
そして、このだるま振りができるようになったら、最後は回転です。

③について
足を曲げたときに勢いがつくのは間違いがないのですが、タイミングを考えずにただ足を曲げただけでは推進力は得られません。進行方向に体が動きはじめるときに背中を丸め、あごをひきながら、足を曲げるのです。足を曲げ切った時に反対方向に大きく振れたら成功です。
これができたら、進行方向とは逆方向に体が動き始めるときに、今度は背筋を伸ばし、あごをあげながら、足を伸ばすのです。
ねこちゃん体操の「フッ、ハッ」の動きを知っていると指導がしやすいです。
「フッ」のときには、背中を丸めます。
「ハッ」のときには、背筋を伸ばします。

もちろん、知らなくても指導はできます。

あとちょっとのところまで振れているのに、回れない子がでてきます。その時は、先生が背中をちょっとだけ押してあげます。そうすれば回転します。
その時かならず、肘をつかって起き上がることを指導します。
回転するイメージがわいた子は恐怖心もとれ、勢いをつけて回ることができるようになります。

あとは、やればやるほどたくさん回れるようになります。
以上、だるま回りのコツでした。



何か少しでも参考になることがあれば幸いです。




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