#親子
頼りの娘から「死んでもいいよ」と言われた日
岸田ひろ実と申します。
車いすに乗って暮らしています。
もしかしたら「あ、かわいそうだな」「大変そうだな」「何かしてあげないといけないかな」と、そんなふうに思われた人もいるかもしれません。
11年前まで、私は普通に歩いていました。
歩いていたときの私も、きっとそういうふうに思っていたと思います。
「かわいそうだな」とか、「不幸せそうだな」とか、マイナスのイメージがありました。
でも私は、
車いすの母とミャンマーに行ったら、異国の王様だと思われた
2016年11月。
土埃と魚醤の匂いがするミャンマーの市場で。
私は立ち尽くしていた。
車いすに乗る母の背後には、何人ものちびっ子托鉢僧たちが、連なっていた。
逃げようとすれば、ついてきて。
そしていつの間にか、増えていて。
君たちは、あれか。ピクミンか。
母・ひろ実は困り果てた顔で「どうしよう」と、私に助けを求めた。
私は、見て見ぬフリをした。
私という人間は、理解できない状況に遭遇した