塩尻 つむぎ

前橋中央通りにあります呉服屋<小川屋>の塩尻つむぎです。着物好きが高じ、人生半分以上過…

塩尻 つむぎ

前橋中央通りにあります呉服屋<小川屋>の塩尻つむぎです。着物好きが高じ、人生半分以上過ぎているのに勢いだけで呉服屋へ飛び込み現在にいたります。 小川屋:https://kimono-ogawaya.co.jp/

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  • 小川屋~気軽に読める着物の話~

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    小川屋で働く中の人たちによる、着物のあれやこれ。いろいろな視点から着物の話を投稿します。暇つぶしやちょっとした時間にさらっと、ぜひ。

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ゆかたと花火大会

昨日今日と暑い日が続きますね。まだ5月なのに、体が感じる季節は夏。涼を感じる着物や着姿に目も心ももっていかれています。 さて、先日、3年ぶりに前橋の花火大会が開催されると発表がありました。今年は、夏の夜空に大きな花火が打ちあがると思うとワクワクします。“ドーン”という体のまん中に響くあの音は、身も心も浄化されるようでもあり、テンションをあげてくれるようでもあり、とても魅かれます。 以前は、全国各地で毎年開催されていた花火大会。楽しいこと、うれしいこと、悲しいこと、いろいろ

    • 新感覚の江戸小紋

      こんにちは。 暖かい日と寒い日が繰り返されはじめ、春のおとずれを感じますね。 今、小川屋では「春の特別ご招待会」を開催しています。 そこでご紹介したいのは「江戸小紋」です。 「江戸小紋」の良さの1つに、色味や紋入により慶弔時にも着れるという点があります。とてもありがたいことなのですが、それを考えて選ぶと慶弔時だけの出番になりがちです。「江戸小紋」は、細かい柄が作り出す単色では出せない繊細な色、そしてそれにより生み出される無地感が特徴の着物です。常々思っていましたが、とても

      • <お召と紬>この季節に着たい着物

        10月になり着物の暦では袷の季節になりましたね。しかし、まだまだ最高気温は30℃近く。単衣を選んでしまいます。普段よく着物を着ている方でも、この季節は悩まれることが多いようです。 小川屋では、10月5日(火)17時まで「大創業祭」を開催しています。 単衣にしようか袷にしようかと迷う季節にピッタリなお着物がありました。 お召「職楽 一條庵」 京都西陣で明治初めからお召を作りつづけておられる「職楽 一條庵」さん。しっかりと撚られた糸を使ったお召は、肌にまとわりつかずシワにもな

        • <加賀友禅>美術館に来たような感覚になります

          こんにちは。小川屋の塩尻です。 小川屋では、10月5日(火)まで「大創業祭」を開催しています。 通常の店内とは違い、たくさんの着物と帯が並んでいます。着物好きにとっては、とてもぜいたくな空間です。そんな中で、美術館に来たような感覚になった場所があります。 <加賀友禅>のコーナーです。 新しさを感じるデザインと受け継がれている古典柄、どちらも並んでいて、お互いの良さを引き立てています。また、繊細な絵柄なのですが重厚感もあるという、手描きならではの迫力があります。飾られた着

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          お店の周りがにぎやかになってきました

          群馬県前橋市にある呉服店「小川屋」の塩尻です。 気付けば、数か月ぶりの更新。 その間、お店の周りが少しずつにぎやかになってきました。 今回は、それらのお店をご紹介します。 小川屋の近くには、地元では評判のお店がたくさんあります。 昨今、テレビや雑誌で目にすることがある、和む菓子の「なか又」さんもそのひとつです。歩いて1分かからない近さです。時々、休憩時間に自分のおやつを買いに行きます。 また、アートをテーマに生まれ変わり、国内だけでなく海外からも注目されている「白井屋ホテル

          お店の周りがにぎやかになってきました

          お祭りが始まると<浴衣>がさらに気になります

          明日は7月7日。七夕ですね。 前橋市は、この時期は七夕まつりが開催されています。残念ながら、去年は中止、今年は七夕飾り公開とオンライン開催という新しい形になりました。オンラインは、下記サイトで開催されています。 小川屋や周りのお店では、願いごとを書く短冊を用意しています。子供たちのかわいいお願いを目にしてほっこりしています。 お祭りが始まると、いつもより更に更に、浴衣が気になってしまいます。そしてとうとう、着装しました。 着装とは、反物を仕立上がった着物のような形にして

          お祭りが始まると<浴衣>がさらに気になります

          染めの浴衣-5- 浴衣を着たい!

          6月も残すところあと1日。本格的な浴衣シーズンに突入しますね。 祭りや花火大会が少なくなり、浴衣を着る機会も減りそうと感じいましたが、最近、新しいタイプの浴衣を着る機会が生まれています。 小川屋がある前橋市では、【#浴衣でまえばし】という浴衣を着た写真を投稿しましょうというイベントが始まります。中村が下記サイトで詳しくご紹介しています。 このイベントを知り、「浴衣 イベント」や「浴衣 お出かけ」などで検索してみると、浴衣を着るいろいろな企画がありました。条件があったら参加

          染めの浴衣-5- 浴衣を着たい!

          染めの浴衣-4- しぼり「藤娘きぬたや」

          染めの浴衣4回目は、「藤娘きぬたや」さんの<しぼり>の浴衣をご紹介します。 染めの浴衣1~3では、染めに関する職人さんの手仕事をご紹介してきました。今回ご紹介する「しぼりの浴衣」は、その手仕事が、パッと見て一番わかりやすい浴衣だと思います。 上の写真は、藍色が染まった部分、白が染まっていない部分です。ツンツンとがった部分をご覧ください。糸をほどいてもツンと飛び出すほどに、しっかりくくられていたのがわかります。先端の藍色から放射状に藍と白のボーダーのような柄があります。この

          染めの浴衣-4- しぼり「藤娘きぬたや」

          染めの浴衣-3- 注染「源氏物語」

          染めの浴衣3回目は、「源氏物語」さんをご紹介します。 源氏物語さんも目にされた事がある方は多いと思います。 その魅力は何といっても、手染めでありながら、古典柄もクールでシックな柄も可憐な柄もあるという幅広さにあると感じています。素敵な浴衣がたくさんあります。 源氏物語さんの本染めは「注染」で染められています。職人さんによる手染めです。前回も少しふれましたが、昔ながらの日本の染色方法です。 今回は、「注染」という染色方法についてもう少し詳しく説明させていただきます。 生地の

          染めの浴衣-3- 注染「源氏物語」

          染めの浴衣-2- 老舗「竺仙」

          今回は「染めの浴衣」2回目です。 老舗の「竺仙」さんの浴衣をご紹介します。 着物好き、浴衣好きの方はご存知だと思います。この時期、着物雑誌の浴衣特集では必ずといっていいほど掲載されていますよね。 竺仙さんは、創業天保13年という老舗の浴衣・江戸小紋中心の呉服店さんです。竺仙さんの浴衣は、染めのによる表現が多彩で驚かされます。たくさんの種類がありますので、ここでは、夏着物としても楽しんでいただけるものに絞ってご紹介します。 最初にご紹介するのは、<長板中形(ながいたちゅうが

          染めの浴衣-2- 老舗「竺仙」

          染めの浴衣-1- 加賀染め「古代型夏衣」

          こんにちは。 前回はへこ帯について書いたので、今回はずっと書きたかった「染めの浴衣」について書きます。染めの浴衣の中でも、職人さんの優れた技がつくりだした手染めの浴衣をご紹介します。見る度に発見があり、何度も何度も見たくなる、心踊る浴衣です。 手染めの浴衣は反物で販売されていることが多いです。「反物はいろいろ広げたみたいけど遠慮してしまう」というお声を聞いたりしますので、今回は広げた写真多めでご紹介したいと思います。 最初は、加賀染めの「古代型夏衣」。 金沢でただ一人、

          染めの浴衣-1- 加賀染め「古代型夏衣」

          大人のゆかたに大人のへこ帯

          こんにちは。 群馬県前橋市は、昨日も今日も25℃を超え、一足早い夏気分をあじわっています。 こんなに暑いから、noteにゆかたの事を書きたいなと思い売り場へ行ったところ、先輩より、こんな一言が。 「へこ帯は?!」 確かに、よく見るとへこ帯が充実しています。 そこで、大人のへこ帯をご紹介します。 へこ帯とは、幼い子供さんが浴衣を着た時に結んでいるふわふわした帯というのが一番わかりやすいと思います。意外にも、最初は男性用の帯だったようです。最近は、大人の女性のゆかた帯として

          大人のゆかたに大人のへこ帯

          呉服屋こぼれ話「指先が肥える?!」

          呉服屋に就職し、少し仕事に慣れてきた頃のお話です。 久しぶりにショッピングセンターをぷらぷらしていました。 店頭のお洋服が新しい季節のものになっていたので、いろいろなお店を見て歩いていました。 「いいかも」 と思う服は広げてみるのですが、 「ん?」 という感覚になります。何か違うと感じます。 でも、何が違うのか、何に違和感を感じているのかサッパリわかりません。 どのお店でも違和感を感じて、何も買わずに家路につきました。 今まで違和感なんて感じたこともないので、家に着いて

          呉服屋こぼれ話「指先が肥える?!」

          着物の寸法 ポイントは2つのサイズ

          着物は自分に合った寸法(サイズ)のものを着ましょう これは、着物に携わる方であれば良く耳にする言葉です。 本当にその通りで、寸法が合っていない着物は、きれいに着ることも難しくなります。 着物をあつらえたことがある方は、自分の寸法をおわかりだと思います。 では、初めてあつらえる場合、自分の寸法に合う着物はどうやったらわかるのでしょうか。 洋服は、縫い上がった完成品が売られていますよね。S、M、Lのサイズ表示もあるし、店頭だったら試着すればわかります。ネットであれば以前購入

          着物の寸法 ポイントは2つのサイズ

          「加賀友禅(かがゆうぜん)」に感動しました

          こんにちは。 群馬県前橋市にある呉服店「小川屋」の塩尻です。 女性の晴れの日の着物の代表といえば<訪問着>。 訪問着についてお話していると、よく耳にするのが「加賀友禅(かがゆうぜん)」です。 みなさんも、一度は耳にされたことがあるのではないでしょうか。 加賀友禅という名前。<加賀>はもちろん加賀藩ですが、<友禅>は何でしょうか・・・。これは、絵柄を染める技法を確立させたといわれる「宮崎友禅斎」という人の名前です。人名とは意外で、始めて聞いた時は驚きました。 友禅は、のり

          「加賀友禅(かがゆうぜん)」に感動しました

          着物の仕立て直しをしてみませんか ~私の仕立直し体験~

          昨今の生活において、着物を着る機会は多くないと思います。しかしながら、お家の中やご実家に1枚くらいは着物があったりしますよね。譲り受けた着物だったりする場合も多いと思います。 譲り受けた着物は、サイズが合わなかったり古い感じがしたりして、なんとなく着ようという気にならない。 では、その着物を仕立て直してみませんか。 私も持っていました。着る勇気がなかった、譲り受けた着物。 祖母が叔母のためにあつらえた着物です。叔母は30代半ばで他界してしまい、一度も袖を通していませんでし

          着物の仕立て直しをしてみませんか ~私の仕立直し体験~