染めの浴衣-4- しぼり「藤娘きぬたや」
染めの浴衣4回目は、「藤娘きぬたや」さんの<しぼり>の浴衣をご紹介します。
染めの浴衣1~3では、染めに関する職人さんの手仕事をご紹介してきました。今回ご紹介する「しぼりの浴衣」は、その手仕事が、パッと見て一番わかりやすい浴衣だと思います。
上の写真は、藍色が染まった部分、白が染まっていない部分です。ツンツンとがった部分をご覧ください。糸をほどいてもツンと飛び出すほどに、しっかりくくられていたのがわかります。先端の藍色から放射状に藍と白のボーダーのような柄があります。この白い部分は糸でくくられていて染まっていない部分です。下の写真が反物です。
しぼりは、糸でくくったり、縫ったり、板で挟んだりして、染まる部分と染まらない部分をつくり、模様を描く技法です。技法を組み合わせて描かれる模様は、最盛期は100種類以上もあったそうです。
技法によって職人さんが変わることが多く、複雑な模様ほど、多くの職人さんによってつくられています。
同じ模様が同じ大きさで同じ間隔で並んでいるものは、同じ力で同じピッチで糸をまいて作り上げられる模様です。
しぼりの浴衣や着物は、丁寧な手仕事、さらに集中力までも見て取れます。職人さんをとても近くに感じる贅沢な1枚です。
しぼりについては、もっともっと書きたいことがありすぎて収拾がつかなくなりそうですので、しぼりの浴衣に戻りたいと思います。
しぼりの浴衣はふんわりと柔らかく、しぼることで凸凹ができ、肌に触れる部分が少なくなります。サラっと気持ち良く着られます。
伝統的な優しい古典柄のイメージが強いと思いますが、このような柄もあります。
大胆でゆかしい<しぼり>の浴衣。
ぜひ、機会があったらお手にとっていただきたいです。
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