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着物の仕立て直しをしてみませんか ~私の仕立直し体験~

昨今の生活において、着物を着る機会は多くないと思います。しかしながら、お家の中やご実家に1枚くらいは着物があったりしますよね。譲り受けた着物だったりする場合も多いと思います。
譲り受けた着物は、サイズが合わなかったり古い感じがしたりして、なんとなく着ようという気にならない。

では、その着物を仕立て直してみませんか

私も持っていました。着る勇気がなかった、譲り受けた着物。
祖母が叔母のためにあつらえた着物です。叔母は30代半ばで他界してしまい、一度も袖を通していませんでした。
祖母と叔母も一緒に暮らしていて、幼い頃は、忙しい母に代わりいろんな事をやってくれました。この着物を着る事は、2人の供養にもなると思えて着たいと思いつつも、とても勇気が必要でした。
それは、八掛が赤だったからです。

八掛(はっかけ)とは、ちらりと見える裾と袖の裏地です。袷の着物(寒い時期に着る着物)に付いています。

私が譲り受けた着物は、おそらく昭和50年前後くらいにつくられています。その頃は、八掛はやや暗めの赤や山吹色にするのが主流でした。目立たせるおしゃれだったんですね。
最近は八掛は着物の地色に近い色にするのが主流です。あえて目立たせないおしゃれ。
赤のままでもかわいいのですが、鮮やかな色が似あわないタイプであり、かつ50歳すぎには勇気が必要でした。
そこで、仕立直しすることにしました。

小川屋に来ていただいている職人さんに相談し、下記の工程で仕立て直すことになりました。

【洗い張り】
着物をほどいて反物の状態にし、洗い、張ることで、もとの風合いを取り戻す作業です。
私の着物は、数十年たんすに眠っていたためハリやツヤがなくなっていました。また、恥ずかしながら、胴裏(からだの部分の裏地)に数ヶ所カビがありました。そのため、この工程を行うことになりました。

【八掛染めかえ】
八掛の生地が傷んでおらず、染めかえが可能でした。地色に近い暗い紺色に染めてもらうことに。ただ、もとの赤は新しい色の奥の方に残るとことでした。
※八掛の生地が傷んでいた場合は、望む色の新しい八掛にとりかえます。

【仕立て】
譲り受けた着物に多いのが、裄丈と着丈が短いこと。今の裄丈は手首が隠 れるくらいの長さですが、日常に着物を着ていた時代はその長さがあると生活の邪魔になります。また、現代人の身長も伸び、着丈が短いことが多いです。着丈が短いとおはしょりがきれいに出なくなります。自分で着物を着る初心者ほど、着ることが難しくなります。
そんなこともあり、着物をほどいたので、私にピッタリなサイズで仕立ててもらうことにしました。更に着やすくなります。


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これが仕立直した着物です。
色数が多い大島紬です。色数が多いので、なおさら地色に近い八掛に変えたかったのです。
今回は、叔母が一度も着ていないことが幸いし、上記の工程をへて私好みに仕立直すことが可能でした。何度も着られた着物やより長い年月がたった着物などは、傷み等がありお直しできない場合もあります。

早速着てみました。
染めかえる前に写真を撮っていれば良かったのですが、撮っていなかったので<染かえ前の写真はイメージ>です。

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染めかえの前と後ではイメージが変わりますよね。
染めかえ前は、柄の赤い部分がより赤くみえます。
染めかえ後は、全体的に落ち着いた印象になりました。
希望通りに仕上げていただきました。

この着物を着たことで、祖母が叔母のことを思ってあつらえた気持ちを受け取り、叔母の着れなかった心残りを取っ払えた気がしました。着て良かったです。

「次の代へ引き継ぐ」
着物の良さのひとつです。

着物を着たいけど・・・と迷っている方がいらしたら、譲り受けた着物を着てみることから始めてもいいと思います。サイズが自分に合っているのかも着てみなければわかりませんし、一度お袖を通してみてはいかがでしょうか。そして、着付けを習ったりなど次に進んでみようと思われたら、職人さんに相談し、ぜひ、仕立直しを体験してください。


小川屋では、年に数回、職人さんに来店していただき相談会を開催しています。次回は下記日程です。

『きもの何でもご相談会』
2021年4月23日(金)~25日(日)の3日間

こうしたい!をかなえてもらえる絶好の機会です。
・色あせた着物を新しい色柄に染めかえたい
・柄の赤みを抑えたい
・金箔をきれいにしたい
・譲り受けた帯をしめられるようにしたい
・着物を羽織やコートにしたい

きもの生地をバッグや小物にリメイクも可能です。
また、ご相談会場へお持ちいただいたお着物は、きものクリーニング半額です。
ご相談会は「春の大感謝祭」の期間中に行われます。
大感謝祭については、中村が詳しく書いております。

また、小川屋では着付け教室も行っております。
詳しくは下記サイトをご覧ください。


晴れの日きもの専門店 小川屋
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