きむし

音楽のこととか日々のこととか Twitter→ @brave_busters

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最近の記事

マスク1枚のもどかしさと空白の優しさ

BUMP OF CHICKENが2年8ヶ月ぶりに行った有観客ライブ『Silver Jubilee』 その2日目、本来なら結成記念日にあたる2/11に行われるはずだったライブで藤原基央はこんなことを語った。 「世界がこんなことになる前に君達が、君が歌ってくれていた曲の部分はそのまま空白にしてあります。」 「こいつにならなんでも話せるってくらい仲がいい友達がなにかの理由で学校に来れなくなったとして、その空席には誰かが座るわけでも、席が撤去されるわけでもない。ずっとそこにあっ

    • BUMP OF CHICKEN結成25周年に向けた雑記

      25年あれば何もかもが変わる、というより変わらないものを探すほうが難しいかもしれない。 25年前は買い物するのに現金がいらなくなるなんて思わなかっただろうし、出前で丼物や寿司どころかなんでもかんでも届くようになるなんて思わなかっただろうし、全国各地に散らばる友人知人とカメラ越しに酒を酌み交わすなんて思いもしなかっただろう。 25年前の赤ちゃんも今では自分の赤ちゃんを愛でているし、新築だった持ち家にもガタがきているだろうし、子供の頃思い描いた大人とはかけ離れた大人になってい

      • パン屋さんの話

        地元にわりと有名なパン屋さんがある。 個性的な惣菜パンがたくさんあって、食パンやバゲットもおいしい。近隣の街からも買いに来る人が多くて休日ともなると車を停めるのも一苦労する。 年一くらいで帰省をしたら帰る前に寄って大人買いするのがお決まりのパターンだ。 でも、昔は大繁盛という感じではなく、The 町のパン屋さんっていうこじんまりした佇まいだった。 高校生の時なんかは部活帰りにしょっちゅう立ち寄って買い食いしてたし、レジのおばちゃんによくオマケしてもらってた。 地元を離

        • BUMP OF CHICKENが彩るクリスマス

          メリークリスマス キリスト教徒でもなければクリスマスがなんの日かも知らないけどとりあえず一大イベントだぜウェイみたいな皆さんお元気ですか? クリスマスだからといってイベントに出かけるわけでもないしケーキやチキンを食べるわけでもないけど、それでもなんだかそわそわする すれ違う人の顔が綻んでいるとこれからデートなのかなとか子供にプレゼントをあげるのかなとか、なんとなく想像してみる キラキラしたクリスマスを一歩引いて見ているような、BUMP OF CHICKENのMerry

        マスク1枚のもどかしさと空白の優しさ

          音楽と主張

          音楽はシラフじゃ言えないような想いを歌詞に、あるいはメロディーにして他者に伝えるコミュニケーションメソッドだと思う。 もちろん不意に脳内に降りてきた形容しがたい何かをそのまま曲にすることもあるだろう。音楽をやっていない凡人からするとなんでそんな芸当ができるのは不思議で仕方ない。なかなか決まらなかった今日の献立をふっと思いつくような感覚なのかな?違うか。 まぁ誰かへの気持ちや日々の鬱憤、ふと目にした日常の一コマ。そんなきっかけから生まれた曲を我々リスナーは享受しているわけだ

          音楽と主張

          久しぶりにライブに行った話

          新型コロナウイルスが世界中で広まり始めてしばらく経つ。 そのうち収まるだろうし少しの辛抱だなって人混みを避けて生活をしてきたけど一向に収束の兆しもなく、なんなら今がピークみたいな雰囲気すらある。 国や自治体はお願いばかりで効果的な一手を打つことなくずるずるきてるし、市井の人々はもう緊急事態宣言なんて気にも留めていない。 気を付けて生活をする他に乗り切る手段はないし引き続き油断せずにいきたいと思う。 ************** そんな状況が落ち着いていた7月初旬、実に

          久しぶりにライブに行った話

          頭と”のう”

          学校のテスト、受験、卒論、就活、昇進試験…… より良い環境を得るためにはしんどいことを乗り越えなきゃいけない場面が多くある。 努力とは未来の自分への先行投資であり、ここで踏ん張るのか楽な方へ流されるのか、その選択によって今後の人生の難易度が変わってくる。 ただし、努力とは青天井であり、頑張れば頑張るだけ目の前の壁は高く険しくなっていく。ミスターSASUKEもびっくりの反り立つ壁が常に目の前に鎮座していて、終わりのないゴールにげんなりすることもある。 とはいえ、なんとか

          頭と”のう”

          新年の抱負ほど適当なものはない

          2021年になって1ヶ月が経とうとしている。 **** という一文を書き出した時点ではまだ年明けすぐだったんだけど、寝かせてるうちに花粉症の季節が到来してしまった。 だからお雑煮食ってるテンションで読んでもらえると嬉しい。 **** 年末年始は実家に帰るでもなくステイホームに努めていたこともあって、例年より人に会う機会が少なかった。 新年に人に会うと今年はこんなことをしたいだとかこうなりたいだとか、そんなたわいもない話になる。 でもその暮れにはどんな目標を立てたか

          新年の抱負ほど適当なものはない

          憧れ

          小学校のころ、地元の少年野球団に入っていた。 遠い記憶の中では、たしか最初はサッカーチームの見学に連れて行かれたんだけど、体験でボールを触らせてもらった時点でサッカーボールと友達になれる気がしなかった。思えばこの時から僕のサッカー嫌いは始まったんだと思う。 どういう経緯で野球チームに入ったのかはいまいち覚えてはいない。 仲が良かった友達が入っていたわけでもないし。それでも小学4年生の頃に野球を始めた。 特別センスがあったわけでもないが、人数が多かったわけでもないので5年

          居住空間はQOLに直結するという話

          投稿が少しご無沙汰になってしまった。 その言い訳をすると、先月引っ越しをしたことが原因なのである。 4年間住んできた1Kの部屋は住むには不自由がないのだが、物も増えてきたし人を招くにはちょっと狭かった。 それでもなんとなく暮らしてきたのだけど、このコロナ禍で家にいる時間が増えたことでいろいろと考え方が変わった。 居住空間には余裕があるべきだ。 もちろん一般的には広い部屋に住もうとすると家賃があがる。 でも、それを補って余りあるくらい精神衛生的にはメリットが多い気が

          居住空間はQOLに直結するという話

          誘われないのに断るセリフを覚えて:the pillowsが諭してくれたこと

          どんな人間にだって嫌なところがある。 嫌なところを抱えながら生きている。 時に自分のダメさ、醜さに押しつぶされそうになる夜もあるけどなんとかそれに耐えながら日々を過ごしている。 the pillowsはそんな僕に”ぶっきらぼうに”寄り添ってくれるバンドだ。 ピロウズは「永遠のブレイク寸前」と言われることが多い。 30年という長いキャリアのなか、何度も売れる兆しがあったが人気が爆発することなくここまできた。 ライブに行けば分かるが良くも悪くもにわかファンが付きづらい

          誘われないのに断るセリフを覚えて:the pillowsが諭してくれたこと

          夏と麦茶

          今年の梅雨は長かった。 いや、これを書いている現時点ではまだ梅雨明けしていないし、日数的には平年並みらしいけど、ここ数年はわりと空梅雨のような感じだったからここまで梅雨らしいのは久々な気がする。 数日前、朝目覚めて窓を開けるとセミの声が聞こえた。 その声は日を追うごとに大きくなっていて、もはや風情もへったくれもなくて騒音にすらなりつつある。 夏が来たなぁとぼんやり思った。 夏になると無意識に麦茶を手に取ることが多くなる。 夏といえば海?花火? いやいや、夏といえ

          夏と麦茶

          LOCAL SOUND STYLEが再びステージに上がった日

          2020年2月24日 僕は人生2度目の青森県を訪れた。 9年前、大学院生として学会に参加するために訪れて以来だ。 その時も目的地は青森県弘前市。 なつかしいなーと思いながら弘前に降り立ったのだけど、笑えるくらいに駅前の光景に見覚えがない。 唯一覚えていたのはポストの上に鎮座するリンゴのオブジェだけだった。たしか他大学の人達と酔った勢いで写真を撮った気がする。 思い出を掘り起こすのも諦めてホテルに荷物を置き、20分ほど歩く。 幹線道路沿いには除雪車で積み上げられたのだろ

          LOCAL SOUND STYLEが再びステージに上がった日

          吉田拓郎が歌う「ガンバラナイけどいいでしょう」

          演歌は日本の心だという風潮があるが、僕はフォークソングこそが日本の心だと思う。 フォークソングは民族音楽がルーツと言われていて、その起源はどうやら諸説あるらしい。が、日本のフォークソングはアメリカ由来のものだそうだ。 この時点で僕の「フォークソング=日本の心」理論はあっけなく崩壊するのだけど、日本のフォークは独自の進化を遂げ、まったくの別物になっている。いわばカレーやラーメンみたいなもんだと思う。 一口にフォークソングといってもアコースティックギターと歌だけの純然たるフ

          吉田拓郎が歌う「ガンバラナイけどいいでしょう」

          おとなになること

          小さい頃は「大人」に憧れた。 お金をたくさん持っていて、いくらでもゲームを買えて、車を運転できて、美味しいものをたくさん食べられて、夜遅くまで起きていられて、ちょっとえっちなものが見られる。 子供ができないことも大人ならなんでもできる。 だからはやく大人になりたい。 きっとそう思っていた人は多いはず。 でも大人になった今、思うことがある。 大人ってなんだ? 夢や希望を語れば「現実を見ろ」と言われ、思い通りにいかないことに不満を述べれば「子供じゃないんだから」と窘め

          おとなになること

          音楽のききかた

          CDが売れなくなったと言われてしばらく経つ。 その間、YouTubeでMVが気軽に観れて、某違法アプリのおかげでタダで聴けるのになんで数千円払ってCDを買わないといけないんだ、ってカミュも真っ青になるニュータイプが大挙して押し寄せてきたせいだなんて声も聞こえてきた。 まぁそれもあるけどそれだけじゃないとは思う。 ただ、CDがコレクターズアイテムになりつつあるのはきっと間違いない。 サブスクリプションサービス。 月額定額でいくらか払えば、そのサービスが無制限に使える

          音楽のききかた