久しぶりにライブに行った話
新型コロナウイルスが世界中で広まり始めてしばらく経つ。
そのうち収まるだろうし少しの辛抱だなって人混みを避けて生活をしてきたけど一向に収束の兆しもなく、なんなら今がピークみたいな雰囲気すらある。
国や自治体はお願いばかりで効果的な一手を打つことなくずるずるきてるし、市井の人々はもう緊急事態宣言なんて気にも留めていない。
気を付けて生活をする他に乗り切る手段はないし引き続き油断せずにいきたいと思う。
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そんな状況が落ち着いていた7月初旬、実に1年5ヶ月ぶりにライブというものに行ってきた。
イベント、エンタメはコロナの影響を大きく受けている業界の一つだ。
通い慣れているからこそ言うけど、たしかに三密上等みたいな環境だし、声は出しまくるし、酒飲んでなんぼみたいなところはある(個人差あり)。
そんな場所に行くことへの懸念はもちろんあったが、なにより制限された環境というのがどうにも気に入らなかった。
声は出しちゃダメ、その場から動いちゃダメ、お酒も飲んじゃダメ…
なんだそれクレヨンしんちゃんのオープニングかよ
もちろんそうしないと開催できないことも、好きでそんな制限をかけているわけじゃないことも分かっているけど、それは僕の好きな場所ではない。
そんなことを考えているうちにライブへの熱が引いていくのを感じて、今までみたいに見境なくライブに行くという姿勢をあらためる良い機会になった。と、今は思う。
そんな中でthe pillowsが発表した「RETURN TO THIRD MOVEMENT! Vol.3」
少し前から不定期開催している過去作の再現ツアーだ。
今回は『Smile』と『Thank you, my twilight』のセット、いや、行かない理由がない。
観客に自由がないから行かない?何甘ったれたこと言ってんだバカタレ!!
ピロウズのようにキャリアが長いバンドになると、どうしても昔のアルバム曲は埋もれてしまって新作ツアーや単発ライブじゃ披露されることは無くなってしまう。
こんな機会を逃すと二度と聴くことが叶わなくなる。これは誇張ではなくて大マジ。
というわけで久しぶりに先行抽選というものにエントリーして、無事に開催されることを願いながらその日を迎えた。
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当日は奇跡的に知り合ったバスターズ仲間とともになんばHatchへ。
会場に着いてまず、厳重な体制で進む物販やドリンクコインの事前販売機なるものの存在に驚いた。
当然のことながらみんなマスクをして必要以上に距離を詰めないようにしていて、とてもこれからライブを観るとは思えない様相。
そして会場内はオールスタンディング、ではなくて全席指定でパイプ椅子が並べられていた。
そして今回は前から2列目の席、オールスタンディングでもこんなに前に行くことはないからあまりの近さにそわそわする。
開演。
『Smile』のオープニングナンバー、Good Morning Good Newsからスタート。
君は気づいてるの?
絶望に揺れる船が
少しずつ滑り出して
起死回生の海へ
音デカっ!!!うっせえ!!!
申し訳ないけど、それが久しぶりのライブで生音を浴びた感想。笑
久しぶりのライブハウスに感動しちゃったー😭😭😭😭とかじゃないの、うるさいの。
まぁ長い間大きな音が鳴る場所から離れていたことの証左だよ、うん。
Twitterとかでさ、「これだけたくさんの人がいるのに誰も大声出してなかったーすごい😭」「みんなマナー徹底してる!音楽好きな人達はすごい!」って自画自賛なコメントを目にしたけど、確かに通常時よりは大人しかった。
ただ、完璧に守られてるかというと決してそうではない。マスクをしてるとはいえそこらじゅうから声はあがってるし。
この日がたまたまそうだったのかなんだったのかはわからんけどね。うーんって気分。
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ピロウズのフロントマン、山中さわおはいわゆる反マスク派、コロナはただの風邪という派閥だ。
別にそれはいいと思う。全く共感はできないけど。
MCやブログの中でもそれを主張し続けているし、ある意味では筋が通っているからまぁそれはそれで。何でもかんでも政治ガーとか言っちゃうどっかの誰かとは違ってね。
話が逸れたけど、the pillowsは相変わらず、おじさん達が仲良さそうに音を奏でていて、緩いのに無敵感さえも漂っている。
『Thank you, my twilight』というアルバムは僕がピロウズにのめり込む決定打になったアルバムだ。
アルバムとして隙がない。ポップでありオルタナでもある。それでいてエレクトロ的な要素も取り入れようとしている。
ウィノナ、好きなんだよなー
歪んでいるようでストレートなラブソング。情景が浮かぶような切ないギターソロ。
キミをいつの日か
独り占めにしたいけど
きっと無理だって知ってんだ
悲しいな
今回のMCで印象的だったのは、体と心のバランスの話。体という入れ物を大事にしすぎると心が壊れてしまう。心が壊れてしまうと体も壊れてしまう。直接的なことは言わなかったけど、きっとそういうことなんだろう。
あとは、ピロウズの曲は昔から何も変わらないってこと。
サウンドこそ時代によって変化しているけど、歌詞に関しては登場人物もキミとボクの関係も何も変わらない。
何も変わらないからこそ、リスナーもすんなりとピロウズの曲として受け入れることができるんだろう。急に反体制とか言い出したらビビるし。
変わらないこと、曲がらないことは簡単に思えて難しい。
でもそれを貫いているおじさん達がいる。
そのままロック・スターであり続けてほしい。
そして、『MY FOOT』と『Wake up! Wake up! Wake up!』の再現ツアーまでちゃんとやり遂げてくれ。
今の僕を作った2枚のアルバムの再現。それを見届けないと成仏できそうにないから。
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