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【鬼滅の刃】「当たり前」のやり方じゃない方があなたの能力は解き放たれる【脳の多様性に目を向けよう】

ニューロダイバーシティという言葉を聞いたことがありますでしょうか?
これは、ニューロ(脳神経)とダイバーシティ(多様性)という言葉を繋げた言葉で、1990年代後半に生まれた、比較的新しい概念です。

これは、人々の脳や神経はそれぞれ違うと、見えるもの、感じること、得意な事、不得意な事はそれぞれ違う。だから、その違いを多様性と捉えて、互いに尊重し、違いを社会の中で活かしていこう、という考え方を含んだ言葉です。

このニューロダイバーシティという概念は、私達の社会・生活・仕事における考え方を大きく変えるもので、皆さんの職場においても、活かせる概念です。
各自の多様性を認めて、特定のやり方を強制しない(されない)ことで、私達の能力はより向上する可能性があります。

今回の記事は、ニューロダイバーシティについて、鬼滅の刃の登場人物の協力ももらいながら紹介し、我々の職場においてどのように活かせるかを考察していきます。

【🌻ニューロダイバーシティとは?】

我々人間は、一人一人違う、ということは当たり前に思うでしょうか。
これが近年脳科学の発展により、本当に脳の組成や、能力が一人一人違うということが確かめられつつあるそうです。
脳の重要性を示す一例が、実は我々が目で見ていると思っているこの世界は、実は脳で創られたものであるというものです。
眼球にはその構造上、どうしても情報処理することができない盲点といわれる部分があります。なので、本当は我々が見えている視野にはどこかに黒い穴が空いていないとおかしい。
ですが、実際にはそんな穴はありませんよね。これは、脳が目には見えていない部分を補って映像を創っているからだそうです。

もう一点、視界に関しての紹介ですが、我々の目が実際に見ているものを脳が処理し直していることの証拠として、「鼻」の存在があります。
皆さんの目の位置からすると、視界のうち、一定部分を自分の鼻が占めています。片目をつぶってみると、鼻があることを認識できますよね。
でも、両目で見た時に、鼻は視界から消えませんか?これは脳が鼻を消すように、映像を処理しているからです。

もう一つだけ紹介しますと、脳は我々の触覚さえも、操っています。
「ラバーハンド」という実験なのですが、自分の本当の腕は、目から見えないようにして、視界にゴムで創った、偽の腕が見えるようにします。
そのゴムの腕と、本物の腕を同時に、同じ個所を触るということを繰り返します。本物の腕が触られているわけですから、触られた感覚が当然ありますよね。
そして、ここからが不思議なのですが、本物の腕を触ることをやめて、ゴムの上だけを触り続けると、腕を触られているという感覚が起こるそうです。

また、腕や脚を失った人が、無いはずの腕や脚がかゆい、痛い、という感覚を覚える、これを幻肢痛といいますが、これも脳が我々の感覚を創っている、ということの一つの証拠だそうです。

このように、目、耳、等々、色々な感覚は、その多くが脳が創り上げた、いわば仮想世界ともいえるものである、ということが分かります。

さて、ここでようやくニューロダイバーシティにまた入っていきますが、これだけ大きく脳が影響をしているということは、脳の多様性によって、我々の感覚、能力が大きく違ってくる、ということです。

そして、我々が日々を過ごす上で、認識すべき大事な事は、脳の違いを、優劣と認識しないこと、そして、自分のやり方を他者に強要しないこと(少なくとも、違うやり方があることを認めること)、です。


【🌻鬼滅の刃の登場人物で考えると?】

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引用) 吾峠呼世晴著 集英社 電子版『鬼滅の刃』 1巻 第1話 P14

鬼滅の刃の登場人物は個性的ですよね。色々な特性を持っています。

たとえば、炭治郎は鼻がすごくいいですね。善逸は耳がいい。伊之助は肌感覚が鋭い。
耀哉達、産屋敷一族は、勘が研ぎ澄まされており、未来をあたかも予測できる、という能力があります。

このようにそれぞれの特性があるわけです。
ですが、例えば炭治郎は鼻がいいことを当たり前として、善逸が匂いに気づかないことを批判しませんよね。
鬼を追う時に、「善逸!匂いを嗅げ!そうしたら鬼の方向が分かる!何で嗅がないんだ!?」
と言いませんよね。
自分の特性を当たり前として、他の人を非難しないわけです。

どうでしょう、これを当たり前だと思うでしょうか。
ですが、この当たり前のことになかなか気づけないのが、私達人間でもあります。


【🌻私達の実社会において、潜んでいる押しつけ】


仕事において、「聞いたことはメモをとる」という「常識」、ありますよね。
働き始めた時によく言われる事かもしれません。

これを当たり前と思いますでしょうか?
もし、メモをとらない新人がいたら、「あいつは何度言ってもメモもとらない、怠け者だ」と思うでしょうか。

実はこれもニューロダイバーシティの観点からいえば、炭治郎が「善逸はこんな匂いもたどっていけないなんて、ダメだ」というようなものなんです。

実は「メモをとることで理解や記憶が促進される人」と、「メモを取ることで理解や記憶が難しくなる人」が存在します。

話を聞きながらメモを取るためには、いくつかの認知能力が必要とされるそうです。
まず、話をしている人と自分の手元に自分の注意のリソースを適切に配分する必要があります。また、耳から入ってきた聴覚情報を脳に送り、速やかに情報処理をできないと、メモが追いつかなくなってしまいます。また、言われていることを短期的に記憶しておく必要もあります。そして、書く作業をするためには、スムーズに指先を動かせる必要があります。特に、聴覚情報に呼応する形での手指の運動能力が必要となります。

話を聞いてメモを取る、というたった一つの行動には、上記のような複数の能力が必要とされるわけです。そして、そのうちの何か一つが不得意な場合、「話を聞いてメモをとる」という方法の効用は大きく減ります。

なお、不得意ということは、何かが劣っているわけではなく、単にそれがその人には合わない方法だという認識が重要です。
他の合ったやり方を探すだけ、と捉えるといいでしょう。

いかがでしょうか。
我々の日常生活や仕事において、当たり前と思われていることが、実は当たり前ではない、ということです。


また、もう一つ例をつけくわえると、「早寝早起きは、良いことだ」と思っていたりしませんか?
早寝早起きできる人は、自分に厳しい素晴らしい人。
それができない遅寝遅起きの人は、だらしない人、と思っていたりしませんか?

これも実は、脳によって、向き不向きがあることが分かっています。
実はその人に合った睡眠のリズムは、人により異なることが判明しています。
睡眠のリズムについては体内時計というメカニズムが存在しており、そのメカニズムには明確に個人差があるそうです。つまり、「早寝早起き」が合っている人と、「遅寝遅起き」が合っている人、が存在します。(この2パターンだけではないようですが)

とすると、現在、始業時間が明確に朝から夕方まで、と決まっていることは、もしかすると、たまたま「早寝早起き」タイプの人だけが、その能力を発揮しやすい(ずるい?)就業形態となっているのかもしれません。
とすれば、フレックスタイムでの働き方で、本来の能力を発揮できる人もいることでしょう。

これは、「多数派」の論理によって、実は知らず知らずのうちに、本来の能力発揮を阻害されている方が少なからずいる、ということを示しています。

脳は大変に複雑なものです。
全てにおいて「多数派」に当てはまる方はむしろ稀で、多くの方が、なんらかのエリアにおいては、「少数派」に属する可能性が高いです。

自分も含めて、「少数派」であるかもしれない、という認識のもと、「当たり前」とされるやり方を強要することなく、適切に疑い、最適なやり方を探索していく事は、私達一人一人がその力を発揮するためには重要ではないでしょうか。


【🌻まとめ】

ニューロダイバーシティとは、脳の多様性を認め合って、お互いの違いを尊重し合おうという概念。
これは、その方がいいよね、という理想論ではなく、我々一人一人の脳は違い、それによって、能力、得意不得意、あるいは見える世界すらも違うという現実を示したものです。

何か特定の「当たり前の」やり方を強制することなく、
人はそれぞれ違うという事を認識して、自分、あるいは周囲の方がその力を発揮していける最適のやり方を見つけていけるように、日々努めていきたいものです。


なお、この記事は、以下の本を参考に記載させていただきました。ニューロダイバーシティについて知るための本として、最適なものです。分かりやすく、新しい概念が解説されているため、もしご関心あれば、ぜひお読みになることをお勧めいたします。

参考) 村中直人著 ニューロダイバーシティの教科書: 多様性尊重社会へのキーワード

【🌻最後に】

最後まで読んでいただきありがとうございました😍
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