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仕事が捗っていると錯覚できる音楽 5選

・音楽の役割

「音楽で苦しみを消すことはできない。
でも楽しい思い出なら作ることができる」

増子直純(怒髪天)タワレコポスターより

これが真理だ。
音楽を含む世の中のエンターテインメントは
娯楽にほかならない。
それに関わる職業に就いていないかぎり、
なくなったとしても生活に大きな支障はないものだ。

しかし人々は、あるときは自分を鼓舞するためや、心の平穏を保つため、またあるときはコミュニケーションツールとして、そして楽しむために音楽を必要としている。

私の場合、長らく自分が音楽を提供する側の
人間であったが今では、いちリスナーに過ぎない。
昔ほど生活に音楽は密接に関係するものではなくなったものの音楽が絶対に必要となるときがある。
それは仕事前と仕事中だ。

というわけで今回は仕事に向かう姿勢になるための、そして仕事が捗っていると錯覚できる実用的な音楽を紹介させていただきます。
ご参考となれば幸いです。
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1.Always Loved A Film / Underworld

まずはUKテクノの代表格である大物ユニット。
彼らといえば90年代にリリースされた
クラブカルチャーのアンセム的名曲である
「Born Slippy」を耳にしたことがある方も
多いだろう。たぶん聴けば誰でも知っている。

私が仕事中に愛聴しているのは
2010年にリリースされたアルバム「Barking」

中でも序曲のような一曲目が終わった直後に
収録されているこの曲は不穏に繰り返される
フレーズに四つ打ちのリズムが入ってくる
どイントロの緊張感、それがメジャーキーへ
展開されると、曇った空が徐々に晴れていくかの
ように張り詰めた空気が緩和される。

そしてAメロで曲調は再びミニマルに引き締まり、
「heaven, heaven, heaven」と繰り返されるサビは
緊張感の緩和を超えて開放感を覚えるほど
自由と希望が鳴り響き、思わずシングアロングして
しまう。

心地よいビートと抑揚のある展開は
仕事に集中する必要がある際、聴くにピッタリだ。


2.Charade / D'Angelo

十年に1枚、アルバムをリリースし
それが十年、聴き継がれる男・ディアンジェロ。
しかもレコーディングされた曲は
あくまでサンプルのようなもので、
ライブにて進化させたバージョンを披露する。

この曲もその例に漏れない進化させた
テレビ出演時のライブバージョンを推したい。

安定した演奏と落ち着いた曲調は
作業用BGMとしても機能すると思うが
徐々にエモーショナルに盛り上がっていく
構成は、ひと休み→仕事モードになる際に
最適で実用的な心地よさを感じさせてくれる。


3.ミュージック / サカナクション

テーマ的にどうしても四つ打ちで
クラブミュージック寄りの選曲と
なってしまうが、この曲は外せない。

定点から撮影された山口一郎 氏の姿は
まるでPCの前で考えあぐねる自分自身が
鏡に映っているような映像だ。
そして、クライマックスの大サビで山口氏が
何かをひらめいたかのように勢いよく
PCのキーボードを叩きはじめる。

このMVを一度でも見ておけば
この曲を再生したときに大サビで
スイッチが入るクセがつくはずだ。

またサカナクションの楽曲は
日本語の歌詞でありながら、
その言葉の響きさえも音楽の一部となるように
計算されたかのごとく、不思議と
ライティングの雑音にならない。
私にとって文章を書くときに聴くことができる
数少ない日本のアーティストである。


4.native dancer / D.A.N.

数年前、Suchmosの登場によって
日本のクラブミュージックが注目された時期、
気鋭の新世代バンドとして地味に盛り上がった
D.A.N.

こちらも日本語詞のアーティストだが
サカナクションとは違った意味で言葉が
作業の邪魔にならない。
何を歌っているか、よく聴き取れないからだ。

これはもう聴いていただくほかない。
どアタマのドラムスのビートだけで
クリエイティブ脳は活性化され、
微かに揺蕩うノイズとバスドラに音を当てるという
セオリーに則った素晴らしいベースのフレーズが
「何か始まる……?」と予感させる。

そしてボーカルが入ると同時にフワっと
トリップした感覚が脳内に広がる。

この曲も緊張と緩和が見事だ。
楽曲としてのクオリティが高いのはもちろん、
音楽が生活の一部に役立つことがある、
というお手本のような名曲。

5.Asian X.T.C / 久石譲

今回、紹介する中で唯一のアルバム。
久石譲 氏と言えばジブリや北野武作品などの
映画音楽を手掛ける「職業作曲家」のイメージだが
このアルバムは氏が純粋に「自身の作品」として
リリースしたものだ。

曲単位でなくアルバムを通して一貫した
コンセプトと統一された世界観は、
さすが日本が世界に誇る才能、としか
言いようがない。

当然、全編インストゥルメンタルであり、
仕事中や作業中はもちろん睡眠中すら
24時間、流していられる名盤中の名盤。


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