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光る君へ 第九回の感想~衝撃だった~

第九回、観ました。


道長の想い

盗賊行為が発覚し、捕らえられた直秀なおひで

道長みちながは、武者たちの手前、検非違使けびいしに引き渡します。

眠る父のそばで、自分の影を見つめる道長。

かつて、兄の道兼みちかねが言った言葉を思い出したようです。

俺たちの影は、皆、同じ方を向いている・・・一族の闇だ・・・。

道長は決心します。

父と同じように、権力を使って、友を解き放とうと考えたのです。

検非違使に心付こころづけを渡し、手荒な事はしないでくれと、頼む道長。


距離を置こうとしてるのに・・・

ヒロインは、道長と距離を置こうと努めていますが、やはり気になるみたいですね。

道長の屋敷に、盗賊が入ったという話題に、彼が心配なのか、獅子奮迅ししふんじんの働きが信じられないのか、呆然とするヒロイン。

同時に、源倫子みなもと・の・ともこ様も、呆然としてましたね。

倫子様も、倫子様で、気になってるんでしょうね。

そして、ヒロインは、散楽さんがく一座いちざを尋ねた事で、盗賊と間違われ、捕らわれてしまいます。

道長が、たまたま居たから助かりましたが、一歩間違えたら、どんな仕置しおきをされていた事か・・・。

道長から、事の次第を聞く、ヒロイン。

改めて「まひろを信じておる。」と言われ、心が動揺した様子でしたね。

直秀についても、信じていると語る道長。

一種の友情のようなものが生まれてますね。

海の見える国であれば良いが・・・と、道長が語ったあと、鳥の群れが飛び立ちます。

空の向こうへと飛んでいく鳥。

「鎌倉殿」から導入された、映像が映し出されるスクリーンの背景。

昔の大河ドラマでは出来なかった演出ですね。


いろいろ言われる

距離を置こうとしているヒロインに対し、三郎で良いと語る道長。

送っていこうと、道長が言えば、左大臣の土御門第つちみかどていに近いので、見られたら、いろいろ言われると、それを断るヒロイン。

道長を慕う、倫子様に伝わったら、左大臣家とのつながりも切れてしまうかもしれませんし、なにより、身分が違う現実を受け入れ、心の中だけに留めようと努力しているのです。

道長に送ってもらったりしたら、舞い上がる心が再燃しそうで怖いのかもしれませんね。

道長の方は、不満たっぷりでしたが・・・。


偽りの兼家

詮子あきこ様の悲鳴と共に、兼家かねいえが復活。

忯子よしこ様の怨霊おんりょうという設定で、みかどの退位を画策します。

「力の全てを懸けて、帝を玉座より引き降ろし奉る。」

名台詞になると思いましたね。

道兼の「したり顔」も良かったですね。

やはり自作自演だった虐待。

嬉しそうに傷を見せる道兼からは、狂気も感じられました。


常ならば?

捕まった直秀たち、散楽一座。

鞭打むちうち三十回が、つねならば?

盗みを働いたのですから、流罪が、常ならばだと思うんですが・・・。

当時の感覚ではなく、現代の感覚で書いたのかな・・・と思いました。

しかし、直秀たちの黒い着物が気になりましたね。

わざわざ黒く染めたものを着せるだなんて・・・。

同じ装束を用意するのも大変ですし、そこに染めの作業まで入ってくると・・・。

そんなところに、国家予算が、つぎ込まれるとは思えないんですが・・・。

せめて、何も染めてない、白で良かったんじゃないかな・・・と思った次第です。


鳥辺野

直秀たちの見送りに来たヒロインと道長ですが、向かった先は、鳥辺野とりべのだと聞かされます。

しかばねを捨てる地・・・。

急ぎ追い駆ける二人。

そこには、からすの群れがたかる、死体の山が・・・。

衝撃でしたね。

助かると思っていたんですが・・・。

遺体を見て、道長が言います。

「愚かな・・・。」

道長の心付けが、間違って解釈されてしまったのだと思います。

手荒な事はしないでくれ・・・が、手荒な事をしてでも消せ・・・になっていたのでしょう。

検非違使としては、正しい判断だったと思います。

鞭打ち三十回程度の盗賊に、右大臣家が賄賂を贈ってくるという事は、相当、お怒りになっているのだろうと考えたのでしょう。

相手の立場や心を読むすべを知らない、青二才の若僧が、父の真似事をしてしまったゆえの悲劇です。

ところで、気になったのは、斬られる直前まで、直秀たちが笑っていた事。

鳥辺野方面に向かっている事に、いぶかしく感じる者はいなかったのだろうか・・・。

まあ、助かると思っていたのに、斬られる無念を演出したかったのでしょう。

土を握りしめて亡くなっていた直秀が良かったですね。

無念の心境が伝わります。

それをおうぎに代える道長も良かったですね。

自分の所為せいで、友を死なせてしまった道長は、一心不乱に土を掘り始めます。

彼らを埋葬するためですが、それと同時に、自らの責任という重圧から逃れたい現れとも受け取れました。

だからこそ、埋葬が終わった時に、その重圧を感じざるを得なくなり、ここでようやく、道長は涙したのでしょう。

「すまない・・・。皆を殺したのは・・・・・・俺なんだ。余計な事をした・・・。すまなかった。」

ところで、枝に、布切れが掛かっていましたが、それで鳥辺野を表現していたのかもしれませんね。

亡くなった方をからすたぬきなどが食い荒らすので、衣服の切れ端が、風に流されて飛んできたそうなのです。

京都の衣笠きぬがさという地名は、衣が木の枝に掛かり、まるで笠のようだったから付いた地名とも言われています。

まあ、鳥辺野は、名前の如く、野原だったと思うので、あんなに木が生い茂ってはいなかったと思いますが・・・。

それに、そこらじゅうに死体が転がっていると思うんですけど、テレビで流すわけにはいきませんよね。

そこで、布切れを用いて表現したのでしょう。


優秀な弟

弟の惟規のぶのりが大学に入学しましたね。

書物を読んでいたら驚かれるくらい、出来損ないと見せかけて、実は、優秀だった事が判明しました。

大学に入るという事は、今で言うなら、東京大学に入るようなもの。

父親が式部丞しきぶ・のじょうであっても、コネクションは通用しません。

試験に合格しなければ入れないのです。

弟を見送りながら、ヒロインは、自分が男なら、内裏に入って、世を正すと言っていましたね。

直秀たちの死を通じて、生まれ出た感情に違いありません。

一方の道長は、直秀の死と、どう向き合っていくんでしょうかね?




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