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死を思うこと

最初の投稿がこんな内容であることはいかがなものかと思うが、やはりわたしは「死」についてずっと考えていたことを今、記したい。

「君たちの中の数人は俺より先に死にます。」

と、仮にもめでたい卒業式の場で言い放った先生がいた。彼の口癖は「Memento mori」すなわち、ラテン語で「死を思え」。死ぬということは忘れてはならない、人は必ず死ぬということである。当時、わたしは哲学科の学生であった。

中学生あたりから、わたしは世の中のドラマやお話が、なぜハッピーエンドに終わるのかとても疑問だった。なぜなら、当時のわたしが感じていた人生とは、辛く悲しいものであったからだ。親ともうまくいかず、友達と呼べる人はほんの少しだった。

高校生になり、自分で映画や音楽をレンタルするようになった。そこでわたしが度肝を抜かれたのが『ダンサーインザダーク』である。

辛さと悲しみしかない世界、最後まで救いがない。唯一ビョークが演じる主人公が妄想する中での歌だけが救いなのだ。悲しすぎてちゃんとしたストーリーも覚えてない。

わたしが求めていたのはまさにコレ!

#中二病 #変態

そこからは死や負の感情をモチーフにしているヴィジュアル系にもどっぷりハマり、めでたく哲学科に入ったのである。

今から思えば「みんないつかは死ぬんだよ!」って言いたかったのに、言ってはいけないという呪縛から少しでも解放されたかったのかもしれない。タブーなことを思ってるわたしは罪深く、誰にもわかってもらえないと思っていた。

ただ、ヴィジュアル系や哲学科の中では声を大に言っていいことろだった。そのコミュニティの中では、わかってもらえる気がしていた。

今の現状をMemento moriの先生だったらなんと言うんだろうか。毎日たくさんの人が「死にたくない」と思っている。少し前まで死ぬことなんて忘れていたのに。

どれだけ医学や科学や産業が発展しても、未知なるウイルスに対しては、接触しない、マスクをする、出歩かない、という物理的な予防しかできないのだ。誰だったか、「人はこれだけ発展しているのに、雨に対して傘をさして防ぐことしかできない」と言っていた。

実はこんな非力な人間が、ここまで発展させてきた社会。なんともいとおしい。

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