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3週間出っ放しのLIVEツアー(むじんくんとの出会い)【とあるバンドマンの軌跡】第9話

どうもーキクですー。

第1話「プロローグ」

前回→第8話「はじめてのツアー編」


やっとパチンコできる日もやって参りましたね。

初日から-33kを叩き出しました。適度にやりたいと思います。では


【物語の年代時に聞いてた曲の紹介】

Tahiti 80

toe

Thee Michelle Gun Elephant

Vo Vo Tau  (公式のものがない為、ゆしんさんがカバーした曲)


【第9話】


前回。ツアーは決行されました。

そして、3週間出っぱなしのツアーが決行されます。


これはどういう事なのか。


例えば、東京に住んでたといたしましょう。


東京に住んでたら、関東地方でLIVEをしに行き、打ち上げに出ても、深夜3時までには東京の家に帰れるでしょう。

そしてツアーとは言っても、前回のLIVEから何日か空いてからのLIVEがあったりもします。



しかし、出っ放しの車でのツアーとなると



関東から始まり→中部地方→近畿地方→四国地方→中国地方→近畿地方→中部地方→東北地方→関東地方→家に戻る。


という、スケジュールです。3週間家には戻れません。オフの日はほぼないです。


LIVEをしたら移動。移動先で寝る。翌日LIVEという事が多かったです。


出費は↓

・車での交通費
・飲食代
・宿代
・打ち上げ代


私達はバンドで貯めた貯金。そしてメンバーの所持金4人×5万で20万。合わせても30万には満たなかったと思います。


ギャラなんてありません。

お客さんを呼べたノルマの人数を達成し、ノルマを超過した分だけギャラは出ますが、無名バンドに来るお客様はいませんでした。なので、私達はノーギャラです。


ただ、Tシャツだったりリストバンドなどのグッズは売り上げになり所持金になります。CDの売り上げは事務所に返さないといけません。

たまに交通費を出してくれる有難いライブハウスもありました。


出発


3週間出っ放しのツアーが始まります。

持ち物としては

・各パートの機材
・寝袋
・土鍋
・炊飯器
・私生活用品(髭剃りなど)
・ガスコンロ

車はカローラのバンです。


完全にキャンプです。


バイキングの西村さんが、キャンプ先でジャンベ叩くみたいな機材です。


皆さん。

スーパーの駐車場で炊飯器炊いた経験ありますか?

私はあります。


地方のスーパーの店長に

「すいません。バンドでツアーしてて電気をお借りしたいのですが、よろしいでしょうか?」

と、頭を下げ

朝方、20代前半の男4人がスーパーの駐車場で炊飯器炊いています。


異様な光景です。


出川哲郎さんの「充電させてもらえませんか?」よりも過酷なアポです。炊飯器の為に声かけるんですから。

スーパーに来る人に笑われながら、私達は炊飯器に米を入れ炊き、ふりかけでご飯を食べる日々


そして、LIVEをやり打ち上げをする。ある意味、打ち上げのご飯が主食でした。


ホテルなんて泊まれず車中泊。少し豪勢な日は24時間のスーパー銭湯で泊まります。


ツアーの日時が進む度にメンバーのイライラ度も増していきます。

私とベースは運転係でした。しかし、車の中では一切喋らず。


私が運転で曲をかけてリズムを取ろうとするものであれば

「キク。リズムとるのやめて」

と、ギスギスした車内です。私も「こっちは運転してんだけど」という気持ちにもなり、ギスギスです。



予想外の事が起こったりもします。


中国地方の北部あたりで雪が降り、タイヤのチェーンを買ったり。疲れすぎて、次の日オフだとホテル泊まったりなどなど。


こんな事をしていたら、ツアーの中盤でお金は尽きました。



そして高速に乗らないといけないのに、とうとうお金は0。


どうする?やばいよ。もう何処にも行けない。と、なります。


私達は「むじんくん」の前に立ちはだかります。


そうです。某金融機関で借金が出来るアレです。



私達は話し合いました。

Vo「誰かが一人。経歴に『借金した』という事実を残さないとならない。親にも伝わる。誰かがしないといけない」

と、ボーカルが言い放つも


誰一人声を発しませんでした。


そして口論が始まります。しかし、何一つ解決しません。

何時間経っても、次のツアー先へ行けず。


深夜に雪が舞うなか、私達はとある駐車場で寝泊りました。


翌日



友達やバンドの知り合い、親に各自連絡。なんとかお金をかき集め、次のツアー先に行けました。


そして3週間出っ放しの最後の日に先輩バンドが対バンで、打ち上げも盛大に行われました。


私達も安堵で涙するものや、打ち上げが盛り上がりすぎて、ここでは載せれないような事とか。

なんか、ひっちゃかめっちゃかでしたね。


そして無事に家に帰り、ツアー最終日へと向かいラストスパートをかけていきました。


3週間の出っ放しが終わり、ツアー最終日を控えます。

そこに待ち受けてるものとは。

次回。隙間なきスケジュール。


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