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"森林浴"ってなにを浴びるの?

8月11日(木・祝)は『山の日』
最近では山ガールが流行っていたり(もうちょっと古いか)、
「日本百名山に登ってます」
「いつか富士山に登りたい」
という声をきいたりなどなど、山に行く機会をつくる方が増えてきているのは間違いないかと思います。

自分としては、仕事が林業であることもあって
『山に行く・登る』機会は多いほうだと思います。
一方で、自分の楽しみのために山に登る機会は減ってしまったので、
その価値を再認識して、「だれかを連れていけるぐらいになりたいな~」とふと思いました。

そんな中、疑問に思ったのが今回のテーマ
「"森林浴"ってなにを浴びるのだろうか?」

なんとなくニュアンスはわかっているような気がするので深く考えていませんでしたが、
これをきっかけにまとめてみたいと思います。


そもそも"浴びる"とはなにか

まずは「浴びる」の意味と用語、用例を整理してみます。

「浴びる あ・びる」の意味
① 湯、水などを体にかぶる。
② 湯をかぶる。転じて、風呂に入る。
③ 光、ほこりなどを全身に受ける。
 また、非難、称賛などをまともに受ける。
④ 刀、弾丸などで、全身に攻撃を受ける。
 比喩的に激しく攻撃を受ける場合にもいう。
⑤ 大いに飲む。鯨飲する。

"浴"が使われる用語 → それで浴びるもの
①海水浴 → 海水をあびる = 海に入って遊ぶこと
②半身浴・全身浴(入浴) → どこまでお湯につかるかを示す = お風呂に入る、入り方
③日光浴 → 日光をあびる = 体を日光にさらす
④連続ホームランを浴びる → ホームランという攻撃を受ける様子
⑤酒を浴びるように飲む → 大いにお酒を飲む様子

一部引用:コトバンク

こうやって整理すると、
イメージされる『森林浴』としては、
 ③ 光、ほこりなどを全身に受ける
が近いように思います。

では、森林でなにを全身にうけるのでしょうか。


森林浴で"浴びる"もの

改めて調べてみたこと、また、森林に入ったときに特に感じたことから1つずつ
私が思う『森林で浴びる』ものを整理してみました。

①『フィトンチッド』を浴びる

植物は動物と違って、その場から逃げて外敵から距離をとることができません。
そのため、外敵を近づけさせないためや病原菌から身を守るために、殺菌作用のある物質を樹木の幹や葉っぱから出しているそうです。
これが『フィトンチッド』です。
サクラなどの樹木の下に草が生えにくいのは、この成分によるものだそうです。

この効果は生活の中でも利用されています。

  • お寿司屋さんでネタを新鮮に保つためにケースに入れるサワラの葉

  • お寿司自体を巻くために使われるササやカキの葉

  • 桜餅や柏餅にまいてあるサクラやカシワの葉

これらは飾りという意味だけではなく、植物の殺菌・防腐作用を利用して鮮度を保つ意味もあります。

樹木がたくさんある中を歩くことは、樹木が発するフィトンチッドを浴びることだったのです。
人体への具体的な効果として、疲労回復やストレス発散、アレルギー性疾患の予防や回復などがあるようです。

森林に入ると
「なんとなく気持ちいい」「癒されるな~」と感じることには、しっかりと科学的な根拠があるというのは大変興味深いですね。


②『音』を浴びる

私が特に感じるのは「音」です。
森林に入ると実に様々な音に触れることができます。

 揺れる葉っぱの音や落ち葉を踏みしめる音
 虫や鳥などの生き物の鳴き声の音
 川の近くでは 水の流れる音
 天気によっては 雨の音や風の音

普段の生活では意識しない音を、意識して感じることは、"音を浴びる"と表現できるのではないでしょうか。

もちろん、蚊やアブの羽音といった不快な音も聞こえてきますが、
それは危険で身を守る必要があるから不快に感じるのだと思います。
普段の生活では使用しない防衛本能を
感覚を研ぎ澄ませることで高めるという意味ではとても大切な経験だと思います。


私が好きな山での過ごし方

少し今回のテーマと、上で述べたような「具体的な効果を得る」ものではありませんが、
私が、森林の中・山の中でよくする『私が好きなこと』について紹介させていただきます。

「山に登って何が楽しいの?」「坂道ばかりでしんどいだけじゃない?」
という意見も多く聞くので、楽しんでいただける方法の1つとして少し書かせていただきます。


"素敵"を発見すること

山や森林の中は"素敵"であふれています。
普通に歩いていても奇麗に咲いた花や季節を感じる紅葉など、さまざまな素敵なものは感じることができます。
しかし、私のオススメは「目線を変えること」で気づくことができる素敵なことです。

  • 足元まで目線を下げる

  • 真上を見上げる

  • グググーと近くに寄って見る

目線を少し変えるだけで、気づかなかった新しい発見にあふれています。
そこで出会ったことを写真におさめることがおもしろくて好きなのでよくやっています。

こんなところにカエルさん
もふもふの中にちっちゃなキノコたち
色も形も全然違う葉っぱなのに、同じ樹木の芽!?
木々の隙間から感じる生存競争と空

写真を撮る技術や知識がなくても
植物に関する知識がなくても

気合を入れて遠出をしなくても
家の周りをお散歩するときでも
庭のお手入れをするときでも

自然の素敵さを感じることはできます!


普段いかない山や森林の自然
河川敷やお庭や公園などの身近な自然
いろいろな自然を楽しんでみるのは
いかがでしょうか?


最後まで読んでくださり
ありがとうございました!
「山の日」や今回の記事をきっかけに
山や森林、自然に興味を持ってくださる方が増えると嬉しいです。

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