見出し画像

詩:クマゼミ

蝉の声が投げつけるように降り注ぐ

そのまま暑いアスファルトに
叩きつけられてしまうようだ

例えるなら
石が蝉だとして
輪切りのレンコンを一枚敷いて
上に薄い布を被せ
うっすら覗く穴を目掛けて
石を投げ込んだ時の
布の気分なのだ

大きなクマゼミが
そこかしこにいた
東のセミしか知らなかったので
こんなにも
音に打ち付けられるとは
思いもしなかった


Fin


▼他のおはなし▼

▼良かったらこちらもどうぞ


この記事が参加している募集

#夏の思い出

26,566件

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?