kiiiiiko

kiiiiikoと書いてきぃこと申します。ほそぼそゆるゆると書いております。お時間あり…

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kiiiiikoと書いてきぃこと申します。ほそぼそゆるゆると書いております。お時間ありましたら、ぜひにお立ち寄りください。

マガジン

  • 時々気の向くままに詩を書いています。お気に召しましたら幸い。

  • 小説

    短編小説を書いています。お暇のおともにぜひどうぞ。

  • はじめの一歩

    50音から始まる詩を書きました。誰かさまの日常に少しの光がさすと信じて。

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【童話】おしゃべりきつねともぐらさん

あるところに、おしゃべり好きのきつねさんがいました。きつねさんは朝でも昼でも夜でもずっとおしゃべりをしていました。 きつねさんはいつでもだれとでもおしゃべりをしていたいのです。可愛い野うさぎさんとも、賢いふくろうさんとも、こいぬの兄弟たちとも、しゃべりたくてしゃべりたくて堪らないのです。 - 野うさぎさんが言いました。 「お庭でいちごが獲れたの」 するときつねさんが続けます。 「私のお庭にも美味しいいちごがあるわ。それに私のおうちには、綺麗なお花も咲いているし、クッキ

    • 【詞】グッドモーニングサタデー

      私は朝方人間で 22時を回ると途端に眠たくなるのです 私は朝方人間で 7時になると自然と目が覚めるのです それを人は羨ましいと言うけれど 私は知っている 23時に親友と食べるラーメンの美味しさを 私は知っている 夜中1時のラジオのとてつもない面白さを 私は知っている 深夜3時のおしゃべりにこそ 人生の本質が詰まっていることを 起きていることが苦でなければ 私もその集いに参加出来たのだと思うと 悔しいやら寂しいやらで おっとっと。 私は朝方人間で ただそれだけで

      • 【詩】解放宣言

        否が応でもストレスを受けるこの社会で 自分の機嫌は自分で取れ、と 誰かが高らかに宣誓する その声に縛りつけられる少しばかりの人間が まるでなってないとでも言いたげで そのたび私はきちんと落ち込み絶望するのだ 限りなく正論に近い、この世の中に。 幾多の言葉も刃も心の声も ただ滔々と受け入れてほしいだけなのに 過去に執着すべきでない、と 名もなき偉人から叱咤を受ける そのたび私は 決して忘れてなどやるものかと 一縷の望みに腹をくくるのだ 誰のことも恨まず、過去を受け入れ

        • 【歌詞】補助輪

          いつかきみが置いていった言葉 もうそれなしでも進めちゃうけど 気にしない自分が寂しくもあったりして なんだかな この気持ち ってね だからもう大丈夫だって ぼくのことは気にしないで きみは勝手に幸せになってほしい なんて 都合が良いことばかりを 繰り返すぼくに飽き飽きしたんだろ 背中を押して行ったくせに 不安で 踏み出せないのは なんで いつかぼくが繰り返した音楽 もうそれすらも覚えちゃいないだろう 思いださない、こともないなんてさ なんだかな この気持ち ってね

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        【童話】おしゃべりきつねともぐらさん

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        • 26本
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          12本
        • はじめの一歩
          46本

        記事

          【歌詞】はじまり

          ここがスタートライン そう思って生きてきたけど もしかしたらボクらはまだ生まれたてで 長い歴史だと思っていることも これからだって どこまでも続いていくのかもしれない 暗い夜に落ち込むのは 自分はもっと出来るはずだと たかを括っていたからで 面白いことはないかと 辺りを見回しては他責で転がり回る だけどまだプロローグで 誰かが踏み出したはじまりの一歩も 探して 鳴らして 生きてきたの 平凡な毎日を飽き足らずと笑うと この日々こそ正義とお偉いさんが高らかに歌う 平和

          【歌詞】はじまり

          【小説】それではまた、明日

          「僕、ずっと不思議だったんですよね。よくドラマとかであるじゃないですか。主人公の周りにいる、優しくて何でも出来て浮気もしなさそうな人が結局振られちゃって、ちょっとわがままで強引でツンデレの人が最後に主人公 掻っ攫っていくみたいな展開」 さっき自販機で買った缶コーヒーを飲みながら不服そうに久留米さんが言った。 「ああ、ありますね」と、丸く太った月を見ながらぼんやり答える。 「辛いんですよね、あれ。僕は優しい人が幸せになれる世界が見たい」 「優しい人が幸せになれる世界…」と、久

          【小説】それではまた、明日

          【小説】地平線の向こう

          佐久間陸は神童だった。その並々ならぬ知識と探究心は度を超えていて神童であった反面、変わり者と呼ばれたりもした。 この物語は陸が五歳の時、家にある掃除機の魅力に取り憑かれるところから始まった。 パワフルな音、くるくると回るモーター、スタイリッシュな見た目、コードレスなのもかっこよかった。あんなに楽しい物であるにも関わらず、さらに家を綺麗にすることも出来るなんて。こんなにエンターテイメントに溢れた家電が他にあるだろうか! いや、ない。陸はそう確信していた。 なんとかして掃

          【小説】地平線の向こう

          【小説】オドルサンパチマイク -side とめだ-

          「いや、お前 才能ないよ」 そう初めて言われたのは、高校生の時だった。 クラスメイトの高橋とコンビを組んで学園祭でコントを披露したときに、担任からそう言って茶化されたことを僕は今でも根に持っている。 たしかに世界観の強いコントだったとは思うけど、それなりに笑いも取っていたし、素人に才能がないとまで言われる筋合いはないと憤慨した。 この笑いが分からないなんて、なんて思慮の浅い人間なんだ、と。 自分もただの素人のくせに。 「辞める勇気も必要だと思う」 これはかなり、胸にグ

          【小説】オドルサンパチマイク -side とめだ-

          【小説】オドルサンパチマイク -side ひらり-

          「はい、どうも〜、トメクマティックです!」 「僕がとめだと言いまして、こっちがくるめと言いますんでね。ぜひ名前だけでも覚えて帰ってください」 「あの、いきなりだけどさ、俺、漫才師じゃなかったらなりたかった職業があってさ」 「うん、なになに?」 「バイキンマン」 「バイキンマン?めずらし。アンパンマンじゃなくて?」 「アンパンマンなんかお前、なりたいやついねえだろ!」 「いや、いるだろ!バイキンマンのがいねえわ!」 - 寒空の下、凍えそうなベランダで聞いたその声を、ひらりは

          【小説】オドルサンパチマイク -side ひらり-

          【詩】スパイス of カレー

          人生を彩るひかりが その絶望の先にあるとすれば 僕らを陥れるすべての悪意も 僕らに向けられるすべての嫉妬も カレーに入れるスパイスのようなもので 複雑に混ざり合うほど名家の味に 何層にも重なるほど深みのあるものに なる、と信じて生きている 愛を知らない者たちの 限りなく透明に近いその刃をも 受け流してみせよう 甘くてスパイスの効いたカレーのために。 それを並んで笑いながら食べるために。 そう信じてやまない僕たちが きっとこの世でいちばん強く、美しい

          【詩】スパイス of カレー

          【小説】70's groove -後篇-

          久しぶりに胸が高鳴っている。足が震えるのを必死で抑えながら、いや、これは武者震いだ。と自分に言い聞かせた。 「どした?緊張してる?」と、たけちゃんが私の顔を覗き込んで言った。このバンドのドラマーである。私たちのバンドメンバーの中で一番音楽の経験が長く、今でも自分が経営しているジャズ喫茶で時々演奏をしているらしい。 この男はドラムだけでなくギターもピアノも演奏出来る。天は二物を与えず、なんて信用してたまるものか。 私が「足が震えるよ」と苦い顔で言うと、「大丈夫、大丈夫、楽し

          【小説】70's groove -後篇-

          【小説】70's groove -前篇-

          平穏か、激動か、と言われれば、平穏な人生だと思う。幸福か、退屈か、と言われれば、少しだけ退屈が勝つ。 私の人生はまるで平凡の象徴のようだった。今までは。 この歳になって、これほどまでに何かに熱中するなんて、私自身 思ってもみなかったことだ。 - 私の毎日は規則正しい。朝6時45分に起きて、白米と卵焼きを食べる。それから自分が昼に食べる用の弁当を作って、と言っても、ほとんどが前の晩の残り物だが。とにかくそれを弁当箱に詰める。 駅は家から歩いて十分、電車に乗って4駅、毎

          【小説】70's groove -前篇-

          【詩】BOY

          朝が来た 雨が降っている しとしと ミルク多めのコーヒー ぷかぷか テレビはボリューム17で くすくす 世界が回っているような くるくる 足並み 新しい靴 雨 スキップ 屋根 ソーラーパネル にゃんにゃん わんわん ちゅんちゅん お昼ご飯はラーメンにしよう そうしよう メールの返信は早めに 忘れずに 仕事と映画とそれからイラスト どこにあるかが分からなくて 困ってしまって 泣いた 生きていくこと それだけ 日々の中で それだけ

          【詩】BOY

          【詩】しもやけ

          届かなくていい、なんて嘘かもな 知られなくていい、なんて嘘かもな 僕を見て と叫ぶことが みっともないことだとすり込まれて 本当は僕だけを見ていてほしいのに 僕を見て とは言えなくなった こんなに想っていても 愛されない理由を 教えてよ 割といい奴なんだねって笑うきみに 押しては引いてを繰り返したって そのたび むなしくて くやしくて 別に僕だって本気じゃないって笑ってみせて かっさらっていくのはいつだって 僕ではない誰か きみの幸せと健康だけを祈っているのに

          【詩】しもやけ

          【詩】かぶの魔法

          昔 きみが育てたかぶをさ みんなで収穫してお鍋にして食べたよね それがさ、なんだかとんでもなく美味しくて 忘れられなくて 同じようにひとりで作ってみたんだけど あのときと同じ味にはならなくて あのときと同じように 「美味しい!」とはならなくて なんでかなって試行錯誤してみたんだけど 最近 分かったんだ "好きなひとたちとお喋りしながら"っていう 調味料が、どこにも売っていないからだね ねえ、次は、いつ会おうか

          【詩】かぶの魔法

          【詩】3.2.1のルールブック

          例えば、私は関西人だけど お好み焼きにもたこ焼きにも塩をかけて 食べるのが好きだ 例えば、私の母は パクチーとチョコミントが好きだけど 私はパクチーもチョコミントも苦手だ 例えば、私は馬と犬が好きだけど 例えば、私は韓国が好きだけど 例えば、私はジブリとディズニーが好きだけど 例えば、私は文章を書くことが好きだけど コーヒーは水だしで、 ミルクを入れて甘めにして、 冬でもアイス派で オムライスはたまごふわふわで パンケーキよりホットケーキ派で 朝起きたらベッドメイキ

          【詩】3.2.1のルールブック