見出し画像

小さな世界を変えるパソコン。

パソコンは長らくApple社のMac Book Proを使ってきた。学生時代からだから、13年前くらいに買ったやつだ。

バイト代で買ったやつだ。

当時の実家の近くにあった
ヤマダ電機で買ったやつだ。


このパソコンで世界を変えるんだ! とは思ってなかったけど、パソコンといえばApple社でしょう。iPhoneユーザーだし。

てなわけで、大学生のころの私は、Mac Book Proを手にして、画像編集やらプログラミングやら動画編集やら、思い浮かぶものを全部やってみた。

13年前だから、2010年ごろの話である。


世界を変える、とは言わないまでも、これで自分の中のなにかが大きく変わると思えた。大きな世界は変わらないけど、小さな世界は変えられる。


Appleだって言ってる。

「Think Different」

人と違う考え方をする奴が世界を変えるんだ、だから俺たちAppleはこれで世界を変えるんだぜ、なんてメッセージに感化された。

自分の中のなにかを表現するために、このMac Book Proこそが良き相棒になるのだと信じて疑わなかった。



使い始めて3ヶ月後。


Mac Book Proは、
DVD再生用の機械になっていた。

TSUTAYAで借りてきた海外ドラマをひたすら再生する。海外ドラマはおもしろいなぁ、なんて思いながら。

世界を変えるだなんて夢のまた夢。

ポテチとコーラと金麦を片手に、
ひたすらジャック・バウアーの活躍を応援する。

自分の中から湧き起こってくる表現欲?

そんなの皆無。


誰かが作った作品を、
ただただ再生するだけの毎日。

何年も何年も。

やがてMac Book Proを使う頻度は減っていった。



社会人になる。
一生懸命働く。
パソコンは会社から支給される。
Mac Bookは眠ったまま。


転職する。
また一生懸命働く。
パソコンは会社から支給される。
Mac Bookは眠ってる。


転職する。
生命保険外交員になる。
パソコンは会社から支給される。
Mac Bookは寝たまんま。


会社を作る。
副社長になる。
パソコンは?

支給されない。


Mac Book Proの出番である。
10年ぶりに日の目を浴びる。


起動する。使ってみる。
懐かしいなぁと思いながら。

そりゃもちろん、プライベートで使う機会もあった。誰かの結婚式のムービーをシャレオツに作ってあげたり、何かしらの画像編集をしたり。

けれども、

ガチで使うことはなかった。



仕事で13年前の
Mac Book Proを使っていて思ったのは、

起動おせーな。

であり、

読み込みに時間かかりすぎじゃね?

であり、

なんか壊れてね?


であった。


おいおい、
俺の速度についてこれてねーじゃん。


13年前のパソコンである。
使い続けて、ある日思った。



これでは世界を変えられないじゃん。



家電量販店へ向かった。
New Mac Bookを探しに。

店員さんたちに聞きまくった。

聞きまくった結果、Mac Book Airでいけるとの結論にいたった。中古でもいいかなぁ、と思ったけど、妻が「10年使うかもしれないんだから新品にしなよ」と言う。

価格はコミコミで約20万円だそうだ。

たけーな。

でも買った。



Mac Book Airのもろもろのセッティングもお店に依頼した。我が手に新品のMac Book Airが届くのは2日後らしい。




2日後。



電話がきた。やけに丁寧な女性店員さんから「設定が完了しましたのでご来店ください」と言われた。


嬉しすぎて電話口で言った。

「ありがとうございます! もう、めちゃんこ嬉しいです! 私がどれだけ嬉しいか早く伝えたいです! すぐに行きます!」

ぬひょー!


お店に行った。

「イトーで〜す」と話しかけると「あっ、イトー様ですね」と店員さんは真面目に言った。パソコンを受け取る。感謝の心で受け取る。


新しい製品を手に入れた男というのは、胸が高鳴っているものだ。なので、店員さんに言った。

「このパソコンを使って、手始めに北海道を変えます」

キョトンとして苦笑いだった。


関係ない。

どんな風に思われても関係ない。



新しいパソコンを起動し、使って思った。

めちゃんこ速い。

起動する前から
起動してたんじゃないかって思うくらい速い。

今までのパソコンが100メートルを30秒かけて走るなら、このパソコンは2秒で走るくらい速い。ボルトより速い。



で、思う。


こいつが相棒なのに、
もしも北海道を変えられなかったとしたら、



それは私が悪い。


よっしゃ、いけるとこまでいってみよう。

……どこ目指してんの?

<あとがき>
13年前のMac Book Proの最大の功績が何かといえば、私にnoteを始めさせてくれたことです。ありがとうProちゃん。君のおかげで、私は365日もnoteを書くハメになってしまいました。自宅の机の上に静かに眠らせておくこととします。最後までありがとうございました。

【告知】stand.fmでのLIVE配信は週末土曜日

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?