カエルの学校は川の中?
ファミレスにいると、女性が「あひゃあひゃ」と笑う声が聞こえてきた。特徴的な笑い声だ。すんごく楽しそうに笑ってる。ずいぶんと楽しそうに笑ってる。
だから、そ〜っと視線を向けてみた。すると、女子大生と思しき女性2人が、なにやら楽しそうに会話をしていた。
「友だちと喋って楽しそうなのはいいなぁ」と私は思いながら、「申し訳ない」と心で謝罪して、その会話の続きに耳をそば立ててみた。だって、ファミレスでヒマだったから。
「ねぇねぇ、『カ〜エ〜ル〜の学校は〜♪』の歌の続きってなんだっけ?」
「えーとね『カ〜エ〜ル〜の学校は〜か〜わ〜の〜中〜♪』じゃない?」
「待って!違う違う!カエルじゃないじゃん!メダカだ!」
「あひゃあひゃあひゃ!!!」
「メ〜ダ〜カ〜の学校は〜か〜わ〜の〜中〜♪だよ!!!!」
「あひゃあひゃあひゃあひゃ!!!」
もう、めっちゃ楽しそう。私まで楽しいもの。
多分だけど、これを読んでくれてる読者まで楽しいんじゃないか、と確信できる。
聞いてて私は「カエルの学校じゃないよ、メダカだよ」と教えてあげたかった。するとその2人は、
「待って待って!カエルの学校って川の中にあるの?」
「え、カエルって、川の中にいるの?いや、カエルは川にいないでしょ!」
「あひゃあひゃあひゃあひゃ!!!!」
カエルはね、田んぼにいるよ笑。
私は知っている。カエルは田んぼにめちゃくちゃいる。小さい頃は田舎で育ったから。家が田んぼに囲まれていて、夜はカエルの大合唱だったから。家の中までカエルが入ってきて「わぁ!カエルだ!捕まえろ!」って騒いでいたあの頃を思い出す。
本家『メダカの学校』の歌詞はこう続く。
『そ〜っと覗いてみてごらん、そ〜っと覗いてみてごらん、みんなでお遊戯しているよ♪』
天才だ。誰だ作詞家。
書けないよこんなの。
この作詞家が、川のメダカを覗いて「微笑ましさ」を感じたように、私も楽しそうに笑う女子大生を微笑ましいと思いながら、ファミレスを後にした。
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