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他人の家の水まわりで土を見る。

4月の真ん中にびったしの記事を書きたい。

そろそろ疲れてるんじゃない?


お仕事をしていると、年中たくさんの人に出会う。相性がぴったりの人もいるし、その逆の人もいる。

自分とぴたりと合う人とは、そのまま仲良くなればいい。が、問題は逆の人だ。仕事をしていて「あ、この人とはもしかすると合わないかも」と思ってしまう相手というのが、誰にでもいる。


それは同僚かもしれないし、先輩・後輩、はたまたお取引先のどなたかかもしれない。



札幌市内のとある企業。私より年上で、論理的な物事の考え方をする、優れたお取引先の方がいた。きちんとシルバーの眼鏡を装着して。


彼の商談スタイルは、重箱の隅を突いてくるような、こう言っちゃなんだが、決して朗らかとはいえないタイプの男性。彼と一緒に商談をしていたわけ。

いわゆる合わないタイプの方との商談である。


私は「柔よく剛を制す」ような人間でいたいと思うバリカタ弱腰タイプでありつつも、負けず嫌いの外道だから、その方からの質問という名の火の玉ストレートを、要領よくスタンドに打ち返す。

どんな球がきても、流麗なスイングで美しい放物線を描く打者でありたいと思うのは、保険外交員の私のゴーマンである気がする。往年の名選手、バリー・ボンズのような人間でありたいのだ。


商談中、シルバーの眼鏡をかけたお相手が、あまりにも粘り強く確認をしてくるもので「なるほど慎重で実直な仕事ぶりだ」と思いつつ苦手意識を感じていたのだが、ふとその方を目の前に思うことがあった。




「こ、この人の家の水まわり、汚かったりして」

はて


仕事上の付き合いで機械的に話している我々だが、企業型サイボーグである前にどちらも人間である。


それぞれにはリアルな生活がある。

そこに思いをはせると、真面目に仕事をしている自分が途端に滑稽に思えてくる。

火の玉ストレートを続けて浴びせてくる目の前の男性を、ただ真っ直ぐ見つめる。


「いや、イトーさん、それでね、
 もう一つ質問ですが……(スッ)」


(……ほわんほわんほわ〜ん)

(こ、この人……)

……

..

スマホのアラームは5分おきなのかなぁ。

食器に油汚れ残ってても気にしなかったりして。

洗濯物はどうたたむ人なのだろう?

パートナーと毎日LINEしてるのかなぁ。

あ~あ、月曜日だ、だる、とか思うのかなぁ?

毎週欠かさずドラえもん見てたりして。


仕事とは全く関係のないその人の日常の光景が、風船のようにぷくぷくと膨らんでくる。火の玉ストレートを浴びせてくる商談相手を目の前に、私は思うわけ。



「そうだ、この方も私と同じ1人の人間だ。仕事のやり方、行動には背景と理由がある。木を見て森も見て、ついでに土も見てみようか



こう思うと、ふふっと笑えてくる不思議。




春は新たな環境に身を置かざるを得ない季節である。商談先で疲れたら、ぜひその方の生活ぶりを想像してみてほしい。

すべてが滑稽に思えて気楽になるから。


オススメやで〜!


<あとがき>
新入社員の方、部署異動になった方がこれを読んでいるとしたら、少しでも気楽になればうれしいものです。この人、どんな恋愛をするんだろうなぁ、とかもおススメですよ。新たな環境を軽やかに歩くためのライフハックになれば幸いです。ふふふ。最後までありがとうございました。

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