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上野町

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みなさんに上野町(伊賀市)をご紹介いたしたく開設しました。どうぞよろしくお願いします🏯
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2020年4月の記事一覧

旧小田小学校本館

旧小田小学校本館

 再び、伊賀市の魅力をご紹介していきたいと思います。今回は、伊賀市小田町にある「旧小田小学校本館」です。こちらは明治14年(1881年)に建てられた、現存する小学校としては三重県内では最古のものです。昭和50年(1975年)に三重県の有形文化財の指定されました。

 この学校は当時「啓迪学校(けいてきがっこう)」と呼ばれておりまして、啓迪とは教え導くという意味で、中国の書物「書経」から取ったものだ

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上野天神祭特集②

上野天神祭特集②

 楼車(だんじり)の最後として、だんじりの露払いを務める「しるし」に焦点を当てたいと思います。写真は、先にご紹介した上野中町のたんじり:其神山・葵鉾で、そして、そのしるしとして先陣を切るのが、「菊慈童(きくじどう)」です。「菊慈童」は享和2年(1802年)菅公9百年として作られたと伝えられ、見送幕は、中国明の時代(1368年〜1644年)の官服(群青、赤、黄、紫等々の龍の蝦夷綿)が出来たものとされ

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上野天神祭特集②

上野天神祭特集②

 前回に引き続いて本祭りの供奉行列の様子、楼車(だんじり)の紹介です。どうしても写真の枠の関係でだんじりの全体が納まらないのが残念なのですが、ちなみに後方に写るだんじりが前回ご紹介した上野中町の其神山・葵鉾です。

 さて、今回ご紹介するのは上野小玉町(小蓑山:こみのやま)です。名の由来は、俳聖松尾芭蕉翁の俳句「初しぐれ 猿も小蓑を ほしげ也」。製造年代はよくわからないのですが、上野小玉町には「し

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上野天神祭特集②

上野天神祭特集②

 前回からお送りしております楼車(だんじり)編。すべてではありませんが、各だんじり町の楼車をご紹介していきたいと思います。今後のお出かけの際のご参考にしていただければ幸いです。

 写真のだんじりは上野中町(其神山・葵鉾:きしんざん・あおいぼこ)です。上野中町は本町通りと中之立町通りを中心とした町。このだんじりは宝暦9年(1759年)に作られたもので、其神山は上賀茂神社の枕詞です。上野中町のだんじ

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上野天神祭特集②

上野天神祭特集②

 いよいよ終盤、上野天神祭本祭りの供奉行列の最後を飾る楼車(だんじり)のご紹介です。写真は、ふと通りがかった銀行の垂れ幕にあっただんじり。いいところで見つけました。

 だんじりは、9町が運営します。ご紹介しますと(順不同)上野小玉町、上野中町、上野新町、上野福居町、上野東町、上野向島町、上野鍛冶町、上野西町、そして上野魚町の9基です。それぞれだんじりの製造年代は多岐に及び寛延、宝暦、天明、文政、

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上野天神祭特集②

上野天神祭特集②

 さて今回は、鬼行列の最後を飾る鎮西八郎為朝列(ちんぜいはちろうためともれつ)のご紹介です。この列は上野徳居町に代々受け継がれているもので、為朝の子孫で伊予の国から伊賀に入った長曽我部家臣 安並氏が、上野徳居町の住人から祭りの出し物の相談を受けたことが起源とされています。

 みなさん鎮西八郎為朝をご存知でしょうか?またの名を源為朝と言います。彼は1139年(保延6年)に生まれた武将で、あの鎌倉幕

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上野天神祭特集②

上野天神祭特集②

 前回に引き続き役行者列のご紹介です。役行者列の最後を飾るひょろつき鬼(写真はまたまた古いものではありますが、ちょっと迫力がありましたので・・・)、ご覧の鬼は笈持(おいもち)で、山伏が入峰の折に法具などを入れる笈を背負っています。他にも釣鐘、斧(おの)山伏が2人いて、4人の山伏が右往左往とひょろつきます。

 どうしてひょろつくのか?この鬼たちは強力で知られ、笈や鐘、斧を背負っています。とても重い

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上野天神祭特集②

上野天神祭特集②

 先に紹介した役行者列(えんのぎょうじゃれつ)、今日はその主役たる役行者を少し詳しくご紹介したいと思います。文献によると7世紀末に大和の葛城山で修行をしていた呪術者だそうで、鬼神を使って家事を手伝わせていたという強者。吉野の金峰山(きんぶせん)、大峰山などに霊場を開いたといいます。また、伊賀流忍者の元祖とも言われているそうです。

 役行者列では、この役行者を主役として様々な鬼が登場します。まず悪

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上野天神祭特集②

上野天神祭特集②

 さて、今回からは鬼行列をご紹介します。写真は鬼行列の先頭を飾る大御幣(おおごへい)、高さ6.3メートル、重さ120キロクグラムを超える日本最大級の、この役行者列(えんのぎょうじゃれつ)の「しるし」にあたります。大御幣は中央の心柱を4本の柱で支えており、男性5人集で電線に気をつけながら、倒れないように操っていきます。この大御幣は密教哲学に基づき、心柱に白、四方東方に青、南方に赤、西方に黄、北方に黒

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上野天神祭特集②

上野天神祭特集②

 またまた古い写真ですいません。前回に引き続き本祭り供奉行列(お渡り)の様子。こちらは、先陣を切った上野車坂町の神輿に続いてやってくる上野天神宮の神輿です。後方にもありますが、天満宮と九社宮の2つの神輿があります。昔はこれを担いでいたとのことですが、今は車輪とブレーキが取り付けられ、選ばれた子どもたちが引いていきます(筆者も一度選ばれましたよ)。これを担いでいた時代、見るからに鉄の塊みたいなもので

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上野天神祭特集②

上野天神祭特集②

 では、今回から上野天神祭最大の見ものである本祭りの様子をご紹介したいと思います。本祭りは、前回(上野天神祭特集①)でご紹介した東の御旅所を出発点に神輿・鬼・楼車(だんじり)の供奉行列(お渡り)が催され、上野天神宮に奉納されます。写真はその先陣を切る神輿(上野車坂町)です。あえて古い写真を載せておりますが、おそらく30年以上前のものと思われます。上野車坂町の神輿は樽神輿で、筆者も小学生の頃に担いで

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