見出し画像

上野天神祭特集②

 さて今回は、鬼行列の最後を飾る鎮西八郎為朝列(ちんぜいはちろうためともれつ)のご紹介です。この列は上野徳居町に代々受け継がれているもので、為朝の子孫で伊予の国から伊賀に入った長曽我部家臣 安並氏が、上野徳居町の住人から祭りの出し物の相談を受けたことが起源とされています。

 みなさん鎮西八郎為朝をご存知でしょうか?またの名を源為朝と言います。彼は1139年(保延6年)に生まれた武将で、あの鎌倉幕府を開いた源頼朝、武蔵坊弁慶を家臣に持った源義経の叔父にあたるのだそうです。身長は3尺を超えと言うので、メートルに直すと2メートルを超える大男、そして弓矢の使い手としての有名人でした。一つ伝説がありまして、為朝が伊豆大島に流されたとき、鬼の子孫と言われた大男たちがいて太刀を腰に差して現れました。普通なら震え上がるところですが、為朝は強弓(ごうきゅう)をちらつかせて大男を追い払ったのだとか。保元物語にその逸話が載っています。

 安並氏からアイデアを受けた上野徳居町の住人が、為朝が鬼を退治して、鬼を従えて凱旋したその姿をモチーフにしてこの仮装行列を考案。寛政年間(1789年〜)から始まったとされています。

 次回からはいよいよ楼車(だんじり)に移っていきたいと思います。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?