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曲水

曲水の詩や盃(さかずき)に遅れたる
                正岡子規

「曲水の宴」は、庭園を緩やかに曲折して流れる小川に、御神酒を注いだ盃を浮かべ、自分の前を流れ過ぎるまでに詩歌を詠んだとされる宮中行事である。流し雛や、ひいては雛祭りの起源と言われているそうだ。

様々な時代の潮流を経て、現世に流れ着いた概念。
私自身も、その一つなのだろうな。

食卓の盃を手に取り、ほんの少し口をつける。

座敷には、今年も雛壇が飾り付けられていた。
豪華なディナーを終えた上機嫌な姪が
ひなあられの如く、ころころと笑っている。

どうかこのまま健やかに。

曲水(きょくすい)

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