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知らなかった世界を知ったわたし。

フリーランス15年。わたしの軌跡その③

ミシンを手に入れて、布と戯れる日々。とても楽しかった。元々手先が器用なタイプらしく、緻密な作業は好きな方なんだと思う。メキメキと腕を上げていくにつれて、色々なものを作ることが出来るようになっていった。

裁縫と同じくらい夢中になったネットの世界

「作ったものを見てもらう場所」を作るべく、最初に着手したのが「ホームページを作る事」。色々調べて「ホームページビルダー」と言う作成ソフトを購入。その説明書には「サーバ?」「FFFTP?」「HTML?」「コード?」「掲示板?」などなど「は?」としか言えない意味不明な事が沢山書いてある。思ったよりも複雑な作りなのね。と、言うことだけを理解したのち「まずはリサーチしよ」と思い立って、数日間は「世間にはどんなHPがあるのだろうか」をひたすら検索して見た。ひとつ「わ!すてき!」と思うサイトを見つけると、どうやらそこには「LINK」と言うページがあって、管理人のお気に入りのサイトが紹介してあるらしい。と、言う事が分かった。

そうなると、そこを辿れば「素敵な管理人のお気に入りである、素敵なサイト」に続々と続く事が分かって、夢中で徘徊。へえ!インテリアやお料理を紹介している主婦もいるんだなあ。あー!何この食器!オールドパイレックスって書いてあるじゃん!あ!この雑貨、さっきのサイトの人も持ってた。この界隈の流行りなんだなあ。みたいな、田舎の主婦には「知らなかった世界」が広がっていた。そこ数日で、すでに「素敵主婦」の虜である。


クソダサい掲示板と写真事情

太文字で下品なことを書いてごめんなさい。いや。でも、それくらいの衝撃だったことがある。「なんだこの素敵主婦達は!!!」と言う興奮が冷めてきた頃。ふと気がついた事があった。当時は、今で言う「コメント」を日記に書き込む事ができなかったから「掲示板」と言うものが設置してあったの。ただこの掲示板。どんなにおしゃれなサイトでも、掲示板だけがクソダサい。なぜなのか。それを解明しようと色々調べてみたら、この掲示板を自作するには、かなりの専門知識が必要らしく、みんな「レンタル」するらしい。あー。だから掲示板だけ統一感がないのか。なるほど。納得。そして、その次に気になったこと。

ももこ調べによって、どうやら「持っているものがおしゃれ」「写真がうまい」「どっちのセンスも良い」。おおまかに3パターンに分かれるっぽい。という事が分かってきた。写真がダサい(真っ直ぐなものを斜めに撮っていたりする)けど、持っているものやスタイリングが上手い人は「もの選びとスタイリングのセンス」のいずれかの強み(もしくは両方)で人を寄せている。で、「写真がうまい」人は、どんなものでも案外「おしゃれ」に見せている。なるほど。で!「どっちのセンスも良い」人。これが強い。大抵そういう人はサイトの色使いも上手だし、リンク用のバナーもおしゃれ。写真への文字入れのセンスも良くて、フォントを色々多用しない。なるほど。そこで気がつく。「あ!私写真は撮れるやん!」と。


制するものが決まる

実はわたし、19歳の時に花屋に勤めていたのですが。その時に「花を綺麗に撮れたらいいな」と思って、秋葉原で一眼レフを購入(当時はフィルムしかありません)。以来、写真が大好きになって子供達を毎日毎日写真に撮っていました。ただ、フィルムカメラで撮った写真をデジダルで使うとなるとスキャナーがいるなあ。と言うわけで、それは買ってもらえないだろうと踏んで、娘が生まれた時に夫が買ってくれた「初期サイバーショット」をやむなく使うことにしました。起動するのに30秒くらいかかる上に、シャッターを押しても「パッシャーーーーーーーー」って3秒くらいのタイムラグがある使えないカメラ。動く子供を取ろうと思うと、もれなくブレブレになるため、ほとんどお蔵入りしていたデジタルカメラ。動かない物撮りになら使えるだろう!と、引き出しの奥から引っ張り出して使うことに決定。これでお金をかけずに写真は撮れる!あとは、見栄えの良いサイトと、ダサくない掲示板。写真を加工するソフトさえあれば、私でもなんとかなる!と「私でも制する事ができるであろう事」と「制すべき壁」が決まり、子供たちが寝静まった後に、パソコンデスクに向かいゴリゴリとサイト作りを始めたのでした。最初の頃は、まったく思うように行かず「もう!」とキーボードを放り投げたい気分になったり、イライラ悶々しながら作業してたら朝だった!みたいな事も多々あり。

夜中に「パチパチ」と言うキーボードの音で夫が起きてきて「寝ろ!」と叱られたりしてたなあ。子供の寝かしつけで、うっかり一緒に寝ちゃって朝飛び起きて「ああ!私のバカ!!」と泣きたい朝も多々あり。パソコン作業に煮詰まって、唐突にミシンに向かったりして、階下の方から「夜中のミシンは勘弁して」と苦情を頂いたりした。「だめだ。フローリングの部屋では音が響きすぎる」「畳の部屋に、ミシン用の机を置こう」。そうやって野望に燃える日々でした。笑

余談だけど。この時期は「インテリアと雑貨とハンドメイドブーム」が到来する、ほんの少し前の時期。先駆けてネットで発信していた人たちは、のちに羨望の眼差しを受けて、憧れて後を追う女子や主婦が沢山いました。ちょっと前の「キラキラ起業女子ブーム」が巻き起こった時には「ああ。ブームは形を変えて時代を巡るのね」と、内心思っていた私です。

次回は、この頃の夫婦のことや育児のことを書いてみようとおもいます。





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