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さらば、名も無き群青たち

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まとめました。2020年、夏  くへを。
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#秋

さらば、名も無き群青たち(3)

さらば、名も無き群青たち(3)

 まばらな人混みを縫う様にして歩けば、自分は良くも悪くも、世の流れに上手く乗っているのだという風に思う。或いは、ただ目に見える何かしらに乗せられているだけなのだろうか。
 近鉄奈良から商店街を抜け、三条通りを西に行けば、週に一度通っていた蕎麦屋がある。
駅の周辺は、奈良公園の秋めく草木や東大寺、興福寺、国立博物館への観光客がいる他、キャリーバッグを引く欧米人の団体が三条通りを更に南下すれば、荒池の

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さらば、名も無き群青たち(2)

さらば、名も無き群青たち(2)

 周囲が急に慌ただしくなり、下宿先の窓から迷い込んで来た蚊でさえも、自らの先々に待ち受ける事柄についてを悩んでいる様に見えた。
行く先も、帰る先も分からぬままに止まっては首を傾げ、飛んでは首を傾げ。それは世間が秋を迎える準備が整った事を、見て見ぬ振りした軟弱な精神に由来する行動だった。
つまり、我々は同類である。

 八月のカレンダーを捲る僕の寂しい背中を余所に、珍しく地に足を付け、夏を謳歌してい

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