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【連載小説】私、悪役令嬢でしたの? 侯爵令嬢、冒険者になる ~何故か婚約破棄されてしまった令嬢は冒険者への道を選んだようです、目指すは世界最強!魔王討伐! スキルは回復と支援しかないけれど……~
18. 令嬢、荒ぶる ②
エマは首をブンブンと振って否定しながら興奮気味に言うのであった。
「いいえ、いいえ、これは最早名人、いいえ薬草採取の達人、頂点ですわ!
流石私のお師匠様でございます! ああ、私は愚かでした、
お師匠様達に比べれば、あまり得意でなかった私と、
あそこで調子に乗って自らクイーン等と僭称しているマリアに差は無いも同然、そう言う事だったのですわね!
分かりました、私はもう必要以上に自分を卑下する事は止めに致します……
そしてマリア! 貴女はもうクイーンでは無くってよ!
イ─サンとデビットもチャンプやキングでは無いのです!
薬草採取者界隈では只の新人、ノービスに過ぎない!
この事を確りと肝に銘じて置くのですわね! 」
「グスッ」
「は、はあ」
「……」
それぞれ微妙な態度であったが、エマは気にする事なく言葉を続ける。
「落ち込む事はありません、
これから四人で力を合わせて頑張って行けば良いのですから!
そしていつか目指した高みに至れば良いのです、一緒に頑張りましょう!
薬草採取の神、ゴッドと呼ばれるその日まで! 」
「お嬢様! 」
「仰せのままに」
「はいっ! 頑張りましょう! 」
「ええ、頼むわよ! みんな! 」
雨降って地固まる、こうして仲直りを果たしたノブレスオブリージュの一行は、薬草採取の神を目指す事になってしまったようである。
不機嫌から復活したエマはレッドとホワイトに笑顔で話し掛けた。
「お師匠様方、この徒弟エマにご教授くださいませ、
薬草採りの神髄、お二方に近付く為のコツ、
極意を伝授して頂けませんでしょうか? やはりダメですわよね? 」
「え、いいや別にいいよ、そうだなあ、
やっぱり場所だよね、群生地を見つけるのが一番早いよね」
「ああ、今俺達が採っている場所は教えられないけどさ、
前に取っていた毒消し草の群生地だったら後でこっそり教えてあげるよ」
エマは大仰に驚いた表情を浮かべながら言った。
「まあ、まあ、宜しいんですのぉ! 嬉しいですわぁ!
でも、毒消し草もギルドで買い取ってくれるのでしょうかぁ? 」
言いながら自分の方をチラチラ見ているエマに答えるアンナ。
「大丈夫ですよ、毒消し草も薬草と同じ、
五枚一束で銅貨三枚で買い取っていますよ、エマさん」
「んまあ! 素晴らしいですわぁ!
お師匠様方、私達ノブレスオブリージュは一生貴方様方の僕でございます」
「「「当然我々も僕です」」」
四人揃って丁寧な感謝の礼をするノブレスオブリージュメンバ─。
少し離れた場所からは若手冒険者のレッドとホワイト、それに出来立てほやほやの新人パーティーのやり取りを、ある者は微笑ましそうに、またある者は冷やかしたいのを必死に我慢しながら見つめている。
注目を集めている事に加えて、見目麗しい令嬢であるエマ、アメリア・バーミリオンにじっと見つめられ、困ったように顔を赤らめた森の中の村、いわゆる田舎出身者、純情な青年レッドは言うのであった。
「ま、まあ、ここでは他の人の目もあるから一旦出ようよ、
ほら確り報酬を受け取って! 行こうっ! 」
「ついて行きますわ、どこまでも!
お師匠様ぁ、お待ちくださいませぇ~! みんな遅れずに! 」
「「「はい! お嬢様」」」
時折振り返りつつ、ギルドを出て街の中を進んで行く二人、レッドとホワイトの背中を見失わない様に歩みを速めるエマ達四人であった。
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お読みいただきありがとうございます。
感謝! 感激! 感動! です(*'v'*)
まだまだ文章、構成力共に拙い作品ですが、
皆様のご意見、お力をお借りすることでいつか上手に書けるようになりたいと願っています。
これからもよろしくお願い致します。
拙作に目を通して頂き誠にありがとうございました。
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