けろけろ道場

俳句ポスト365の兼題季語に対して、意味の説明、例句とその分析をします。俳句ポスト投句…

けろけろ道場

俳句ポスト365の兼題季語に対して、意味の説明、例句とその分析をします。俳句ポスト投句の際及び広く俳句の勉強にお役に立てたらと思います。Twitterアカウント「けろけろ道場」(https://twitter.com/kerokero_dojo)

最近の記事

季語研究 「蜜柑」 -俳人、蜜柑むきがち-

★★★けろけろ道場 季語研究★★★ No.32【蜜柑(みかん)】(三冬 / 植物) ● 概要  ミカン科の常緑低木の実。代表的なものは鹿児島県原産の温州蜜柑(うんしゅうみかん)で、暖地に広く栽培される。 ● 傍題 蜜柑山 ● 季語について  みなさん、こんにちは。今回の季語はみんな大好き「蜜柑」ということで、張り切って季語を学んでいきましょう。  蜜柑はおいしくて、日本人から愛され続けている果物であることは今更説明するまでもないでしょう。寒い冬に炬燵の中で蜜柑を食

    • 季語研究 「セーター」 -あなたの好みは-

      ★★★けろけろ道場 季語研究★★★ No.31【セーター】(三冬 / 生活) ● 概要  毛糸で編んだ上着。被って着るプルオーバー型を主にいう。 ● 傍題 ・カーディガン・・・前開きのもの ● 季語について  今回の季語は「セーター」です。  当然芭蕉の時代の例句はなく近代以後となりますが、どうも「セーター」を詠んだ句自体がさほど多くない印象です。  この季語に関しては例句を読みながら季語の持つイメージを探るというよりも、「セーター」に関するエピソードや素朴なイメ

      • 季語研究 「霜」 -霜の朝はどこかワクワク-

        ★★★けろけろ道場 季語研究★★★ No.30【霜(しも)】(三冬 / 天文) ● 概要  空気中の水蒸気が氷の結晶となり、屋外の建造物や地表に付着したもの ● 傍題 霜の花・・・霜を花と喩えた表現  霜の声・・・霜の降りた夜の、冷たくさえてしんしんと更けゆく様子。  青女(せいじょ)・・・霜・雪を降らす女神で、転じて霜の異名。  大霜・・・たくさんの霜  強霜・・・多く降りた霜  深霜 朝霜 夜霜 霜晴 霜雫 霜解  ● 例句研究  皆さんこんにちは。  今回の

        • 季語研究 「新酒」 -季節感が難しい-

          ★★★けろけろ道場 季語研究★★★ No.29【新酒(しんしゅ)】(晩秋 / 生活) ● 概要  新米で醸造した酒。かつては収穫後の米をすぐ醸造したため、新酒は秋の季語とされる。現在はほとんどが寒造りとなっていて翌年二月ごろに出荷される。 【傍題】今年酒(ことしざけ) 新走(あらばしり) 利酒(ききざけ) ● 季語について  現在では日本酒は寒造りが多いようですが、11月ころから出荷される新酒も出てくるそうなので、新酒の中でも初めの方のお酒をイメージするのがよいでしょう

        季語研究 「蜜柑」 -俳人、蜜柑むきがち-

          季語研究 「夜長」 -秋の夜長に-

          ★★★けろけろ道場 季語研究★★★ No.28【夜長(よなが)】(三秋 / 時候) ● 概要  秋の長い夜のことをいう。秋分を過ぎると、昼より夜の時間が長くなる。夜業や読書にも身が入る。 ● 季語について  「夜長」と聞いて私たちが真っ先に思い出すのは『むしのこえ』の歌詞ですね。一番を引用してみます。 あれまつむしが ないている チンチロチンチロ チンチロリン あれすずむしも なきだして リンリンリンリン リインリン あきのよながを なきとおす ああおもしろい むしのこ

          季語研究 「夜長」 -秋の夜長に-

          季語研究 「立冬」 -冬の始まり-

          ★★★けろけろ道場 季語研究★★★ No.27【立冬(りっとう)】(初冬 / 時候) ● 概要  二十四節気の一つ。冬の始まり。 ● 季語について  「立冬」は時候の季語なので物理的なモノは観念できず、イメージ・感覚を重視する必要があります。これを執筆している10月はまだ冬の予兆は薄いのですが、立冬である11月初冬はぐっと冷え込み、これから来る長い冬への覚悟をせきたてられるような時期ですね。言葉の持つ雰囲気は暗くはなく、これからの厳しい季節に向けて武者震いしているようなわ

          季語研究 「立冬」 -冬の始まり-

          季語研究 「鰯雲」 -青空か夕焼け空か-

          ★★★けろけろ道場 季語研究★★★ No.26【鰯雲(いわしぐも)】(三秋 / 天文) ● 概要  小さな雲片の集まりが集まり、空一面に広がる雲。鰯の群れのように見えることから「鰯雲」という。この雲が見られると鰯の大漁になるともいう。 【傍題】鱗雲(うろこぐも) 鯖雲(さばぐも) ● 季語について  皆さん。こんにちは。けろけろ道場執筆者の成瀬源三です。  今回取り上げる季語は「鰯雲(いわしぐも)」という筆者の偏愛する季語で、記事執筆に奮い立っていたのですが、その途上で

          季語研究 「鰯雲」 -青空か夕焼け空か-

          季語研究 「芒」 -はらりとおもき-

          ★★★けろけろ道場 季語研究★★★ No.25【芒(すすき)】(三秋 / 植物) ● 概要  芒はイネ科の多年草。秋に多数の枝を広げ、一五から四〇センチの黄褐色から紫褐色の花穂を出す。花穂が開くと白い獣の尾のような形となり、尾花と呼ばれる。芒の穂が一斉に風になびくさまは美しい。  秋の七草のひとつ。  月見のおそなえとしてもよく用いられる。 【傍題】 薄(すすき) 尾花 花芒 鬼芒 糸薄 十寸穂の芒(ますほのすすき) 真赭の芒(まそほのすすき) 縞芒 鷹の羽芒 芒野 芒原

          季語研究 「芒」 -はらりとおもき-

          季語研究 「夏の海」 -リア充に負けずに-

          ★★★けろけろ道場 季語研究★★★ No.24【夏の海(なつのうみ)】(三夏 / 地理) ● 概要  夏の海。鮮やかで、力強い。浜には海水浴客、海にはヨット、空には入道雲が浮かぶ。 [傍題]夏の波 夏怒涛 夏の浜 夏の岬 青岬 ● 季語について  けろけろ道場も開設より二年近く経ちますが、最近では「初心者なので季語から句作するやり方が分からず、勉強になりました」といった嬉しい言葉を受け取ることが多く、記事を執筆してきて良かったとしみじみ感じます。読者の皆様、いつも拙文を

          季語研究 「夏の海」 -リア充に負けずに-

          季語研究 「蝸牛」-のんびり楽しく-

          ★★★けろけろ道場 季語研究★★★ No.23【蝸牛(かたつむり)】(三夏 / 動物) ● 概要  マイマイ科の有肺類で、陸生の巻貝。螺旋形の殻を負う。頭に屈伸する二対の触覚を持ち、長い方の先端にある目で、明暗を識別する。 【傍題】蝸牛(くわぎう) ででむし でんでんむし まいまい ● 季語について  今回の季語は「蝸牛(かたつむり)」ということで、楽しく季語分析をしていきたいと思います。  ある程度の期間俳句に触れてきた方は「蝸牛」と聞いて、「うっ、豊作貧乏」と思ってい

          季語研究 「蝸牛」-のんびり楽しく-

          季語研究 「百千鳥」 -意外に狙い目季語!?-

          ★★★けろけろ道場 季語研究★★★ No.22【百千鳥(ももちどり)】(三春 / 動物) ● 概要  春に多くの鳥たちが一斉に鳴く様子をいう。 ● 季語について  皆さん、こんにちは。まだまだ寒い日が続きますが、お元気にお過ごしでしょうか。  私は実力も句歴も乏しい一介の素人俳人でして、恥ずかしながら「百千鳥(ももちどり)」を知らず、「百舌鳥(もず)の仲間かな」などと思ってしまいました。無知な私をどうか叱ってください。そんな私ですが、不遜な一言から今回の記事を始めたいと思

          季語研究 「百千鳥」 -意外に狙い目季語!?-

          言の葉千本ノック ⑥ -心情に関する言葉・価値判断を含む言葉-

          ● 第十一章 心情に関する言葉 1. 心情表現 (1)心情を表す表現 〈2文字〉 悔い 〈3文字〉 心 気持ち 機嫌 笑い 歓喜 悲哀 憂い 愁い 怒り 憤怒 義憤 嫌悪 苦渋 恐怖 妬み 嫉妬 〈4文字〉 喜び 愛情 愛憐 快楽 憧憬 恍惚 郷愁 悲しみ 哀しみ 憐れみ 憐憫 悔恨 〈5文字〉 恋心 憤り  〈8文字〉 断腸の思い (2)心情そのものではないが、心情を推知させる言葉 〈3文字〉 笑顔 涙 〈5文字〉 笑い声 照れ笑い 啜り泣き(すすりなき) しかめ面 (

          言の葉千本ノック ⑥ -心情に関する言葉・価値判断を含む言葉-

          言の葉千本ノック ⑤ -聴覚・嗅覚・触覚・時間に関する言葉-

          ● 第七章 聴覚に関する言葉 1. 音 (1)音に関する基本的な言葉 〈1文字〉 音(ね)  〈2文字〉 音(おと) 黙(もだ)  〈3文字〉 響き 余韻 微音 谺(こだま) エコー 無音 無言 しじま  〈4文字〉 弱音 残響 騒音 轟音 聴覚 静寂 静謐(せいひつ)  (2)色々な音 〈3文字〉 汽笛 羽音(はおと) 寝息 〈4文字〉 雨音 水音 せせらぎ 風音 爆音 踏切 警笛 耳鳴り アラーム サイレン 銃声 鼻息 舌打ち 〈5文字〉 破裂音 クラクション  〈6文

          言の葉千本ノック ⑤ -聴覚・嗅覚・触覚・時間に関する言葉-

          言の葉千本ノック ④ -視覚的表現(動詞・形容詞・形容動詞)-

          ● 第六章 視覚的表現(動詞・形容詞・形容動詞)  形容詞については終止形で掲載しました。現代語形容詞(「い」で終わる形容詞)も古語形容詞(「し」で終わる形容詞)も混合した形になっています。  形容動詞については語幹のみで掲載しました。 1. 物が主語になる、写実的な動詞  本節では「1」で物が主語になる動詞、「2」で人が主語になる動詞という分け方をしました。物も人も主語になる動詞は、原則として「1」に分類しています。 (1)状態に主眼がある 〈2文字〉 在る 付く 指す 向

          言の葉千本ノック ④ -視覚的表現(動詞・形容詞・形容動詞)-

          言の葉千本ノック ③ -視覚的表現(アイテム)-

          ● 第五章 視覚的表現(アイテム) 1. 日常で使うアイテム (1)家具 〈2文字〉 棚 椅子 台 〈3文字〉 机 襖(ふすま) 畳 戸棚 箪笥 ソファー 梯子(はしご) テレビ ラジオ ベッド 枕 布団 マット  〈4文字〉 テーブル 食卓 ちゃぶ台 本棚 絨毯 電灯 パソコン カーテン クーラー エアコン 仏壇 〈5文字〉 洗濯機 冷蔵庫 掛け布団 敷布団 扇風機 ストーブ 縄梯子(なわばしご)  (2)小物 〈1文字〉 絵 〈2文字〉 棒 鍵 錠 本 籠 箱 傘 旗 

          言の葉千本ノック ③ -視覚的表現(アイテム)-

          言の葉千本ノック ② -視覚的表現(風景描写)-

          ● 第三章 自然物 1. 陸地 (1)山・谷 〈2文字〉 山 谷 嶺 峰 尾根 洞 〈3文字〉 峠 岬 麓(ふもと)  〈4文字〉 山脈 連山 高峰 連峰 山麓(さんろく) 山裾(やますそ) 山腹(さんぷく) 中腹(ちゅうふく) 山の端 稜線 水平  (2)森・田 〈1文字〉 木 田 〈2文字〉 森 藪(やぶ) 〈3文字〉 林 畑 野原 棚田 〈4文字〉 森林 山奥 叢(くさむら) 草藪 原っぱ 密林 ジャングル  〈5文字〉 雑木林  〈7文字〉 段々畑 (3)石 〈2

          言の葉千本ノック ② -視覚的表現(風景描写)-