季語研究 「セーター」 -あなたの好みは-

★★★けろけろ道場 季語研究★★★
No.31【セーター】(三冬 / 生活)

● 概要
 毛糸で編んだ上着。被って着るプルオーバー型を主にいう。

●    傍題
・カーディガン・・・前開きのもの

● 季語について
 今回の季語は「セーター」です。
 当然芭蕉の時代の例句はなく近代以後となりますが、どうも「セーター」を詠んだ句自体がさほど多くない印象です。
 この季語に関しては例句を読みながら季語の持つイメージを探るというよりも、「セーター」に関するエピソードや素朴なイメージを素直に詠んだ方がいいという気はします。
 なお、けろけろ道場Xアカウントでセーターの好きなネックについてアンケートを取ったところ、以下のような結果となりました。

クルーネック :(7票)(29%)
Vネック   :(7票)(29%)
タートルネック:(7票)(29%)
ハイネック  :(3票)(13%) 
(総数:24票)

 ちなみに、私が一番好きなのはタートルネックです。
 色は赤が好きです。

● 例句研究

老いぬれば夫婦別なきスエタかな
-松尾いはほ-

セーターにもぐり出られぬかもしれぬ
-池田澄子-

セーターの中の迷子やちひさな手
-高田正子-

としよりやとつくりセーターまへうしろ
-草間時彦-

「とっくりセーター」とは今でいうタートルネックに近い形状のセーターのことを言い、徳利に形が似ていることからこう呼ばれていたそうです。今では死語ですが、昔はよく使われた言葉のようですね。

◆ 主要参考文献
『合本 俳句歳時記 第四版』(角川学芸出版)
ウェブサイト『きごさい歳時記』

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