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体温がちょっと上がるだけ
写真集を見て妄想した夢小説を幾つか書きました。
夢小説(二次創作)①黒アゲハと長い夜---(黒ベビードールの見開き)
「あの人はもう戻ってこない」
部屋の片隅で澱(よど)んだ空気が少しだけ震えた。誰の声かも分からない無気力な呟き。誰もいない薄暗い部屋に、私は溶け込んでしまったみたいだった。
細くなった手首に触れると、まだ乾いていない傷口から生暖かい液体がぬらりと手のひらにつく。小さ
写真集を見て妄想した夢小説を幾つか書きました。
夢小説(二次創作)①黒アゲハと長い夜---(黒ベビードールの見開き)
「あの人はもう戻ってこない」
部屋の片隅で澱(よど)んだ空気が少しだけ震えた。誰の声かも分からない無気力な呟き。誰もいない薄暗い部屋に、私は溶け込んでしまったみたいだった。
細くなった手首に触れると、まだ乾いていない傷口から生暖かい液体がぬらりと手のひらにつく。小さ