βlue(ブルー) 第3話
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そこにケンタが憧れ続けた、高校三年のアサミがいた。
驚きからケンタが声を出せずにいると、アサミが首を少し傾げた。
「……おはよ…」
ケンタはやっとのことで声を絞り出した。アサミの死の真相を探るというのが、この舞台での目的だ。しっかり演じなくてはいけない。
「今日も寒いね。手袋してても手が冷たくなっちゃった」
「うん……ホントに寒いね……」
「ケンタ、後でちょっと話したいことがあるんだけど……」
アサミが少し俯きながら言う。そんな仕草もあのときのアサミとそっくりだ。
「そ