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失恋した私は、傷ついた心を抱え、いきつけのカフェに立ち寄った。 ぼんやりと注文もせずに座…
俺は秘密警察のスカウトマン。 特殊能力を持つ生徒がいるという情報があり、とある高校の水泳…
「遅いぞムサシ」 笑顔のムサシが私に向かって歩いてくる。 「名前がムサシだからって、遅れて…
「マイも俺と同じで映画好きだったんだ。話が盛り上がってさ…」 機嫌よく話すケンに、私は仕…
試験結果が貼り出されている掲示板を、私は呆然と見上げていた。 21位。ダウンロードだ……。 …
あの日、野良猫の僕は、メインボーカルが抜け四匹となったバンドの仲間と遅くまで飲んでいた。…
彼が、知らない女性と肩を寄せ合い、ジュエリーショップに入っていく。 楽しげなその姿に、私は背を向け立ち去った。 「HAKABar」という看板が目に入った。 彼とのディナーをすっぽかし、夕方から飲み続けていた私は、その店の扉を開ける。 「何これ?」 何杯めかのグラスを空けた私は、カウンターの隅にある、四角い箱に目をやった。 「先ほど来たお客様が、失恋の手向けにと残したものです」 私の声を耳にした、バーテンダーが答える。 「失恋?」 「はい。失恋されたお客様の、思いを断ち切る
ピピピ… 「閑古鳥が鳴いているのぅ」 年老いたふくろうの言葉に、モズの母親は巣穴にいる子ど…
マイの彼氏が事故で亡くなったのは、ちょうど一年前。 墓地に向かう道のりを僕はマイと一緒に…
「お帰り。お疲れさま」 妻が笑顔で出迎えてくれる。 「ごめん、ちょっと遅くなって」 「いい…
目の前にミルクが入っているコップが置かれている。 喉の渇きを覚えた私は、コップをつかみ一…
「奥さんが毒蛇にかまれて死んじゃった人の話知ってる?」 「…聞いたことないと思うけど」 「…
「アイス買ってきたよー」 買い物から帰ってきた妻がそう言うと、娘が嬉しそうに走ってきた。 …
「今日のプロ野球の試合は、長年に渡り若手の指導をされていた、南さんに解説していただきます」 「よろしくお願いします」 「先発は北投手です。試合前に南さんは声をかけていたようですが、いかがでした?」 「おいしそうに食べてました」 「……何をですか?」 「バナナですよ」 「……栄養補給ですかね」 「三本食べてました」 「……」 「フィリピン産でしたね」 「……試合が始まるようです」 「初回を無難なピッチングで終えた北投手。ベンチに戻りました」 「さっそくバナナ食べてますね」 「