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タイムスリップコップ

目の前にミルクが入っているコップが置かれている。
喉の渇きを覚えた私は、コップをつかみ一気に飲み干す。
少し苦味があったが、喉が潤った私は落ち着き、コップを戻した。

次の瞬間、信じられないことが起こった。
飲み干したはずのコップにミルクが入っているのだ。
夢を見てるのだろうか。
私は動揺し汗をかき始めた。また喉が渇いてくる。
コップに手を伸ばす。ミルクを飲み干し、コップを戻す。

何ということだ。コップにまたミルクが入っている。
ミルクを飲むと過去に…飲む前に戻るのだろうか。それともコップが過去に戻るのか。
わけが分からず、私はまた汗をかき始めた。喉が渇く。コップに手を伸ばし……。

「新しい睡眠薬の効果はどうかね?」
別の部屋で博士が助手に聞いている。
「はい。被験者は寝たことにも気づいていないようで、即効性があるのですが……」
「何か気になることがあるのかね?」
「はい。どうやら中毒性もあるようで、入れておくといつまでも飲み続けるんです」


たらはかに(田原にか)さんの企画に参加させていただきました。


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