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秘密警察を宣伝してみる #毎週ショートショートnote

俺は秘密警察のスカウトマン。
特殊能力を持つ生徒がいるという情報があり、とある高校の水泳部にコーチとして潜入した。
しかし、なかなかその生徒が見つからない。

たまりかねた俺は顧問の教師に聞いてみる。
「10分以上の潜水? そんなやつ水泳部におらんよ」
あっさりと言う教師に俺は愕然とする。
秘密警察の情報が間違っていたのか?

「リクのことじゃないですか?」
話を聞きつけた部員が、口を挟んできた。
「リク? あぁ…入部してすぐやめたやつか」
高い潜水能力を持つ生徒が、なぜやめたのか。
俺はそのリクという生徒を呼び出してもらう。

俺は自らの素性をあかし、いかにこの国の平和を秘密警察が守っているかを熱く語り、一緒に働かないかと誘った。
リクは驚いていたが「自分では無理です」と言ってきた。
「なぜだ? 秘密警察にも10分以上潜水できる人材はいない。君なら絶対に活躍できる」
「いや…そういうことではなく…」
「どういうことだ?」
「俺……泳げないんです」

たらはかに(田原にか)さんの企画に参加させていただきました。

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